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能代松陽野球部が僕にもたらしてくれたもの
お世話になっております!さて、山梨学院の初優勝をもって熱い春に幕を閉じてから、早いもので3日が経ちました。昨夏、100余年開かなかった扉をこじ開けた仙台育英に続き、再び高校野球の歴史において新たな1ページが刻まれた95回目のセンバツ。
数々の熱戦、死闘が繰り広げられたこの大会の中で、我が秋田県代表の能代松陽高校も負けじと死力を尽くしてくれました。そして結果は、我が県の新時代突入を予感させるような、今後に向けて更なる可能性を感じさせてくれるような...とにかく、甲子園の地に大きな爪痕を残す2試合の熱戦となりました!!遅ればせながら、本当に素晴らしい戦いを見せて頂きありがとうございました。お疲れ様でした!
大会を終えたいま、秋田県の野球を愛する者として、今後に向けて様々なことが頭の中、心の中を渦巻いていますが...あえてひとつだけ言うならば、今大会で僕が、秋田県の皆さんが感じ取った熱。能代松陽の皆さんが身を粉にして甲子園から届けてくれた熱の温度を、ここで覚ますわけにはいかず、更に熱くしなければならないということです。
前回の記事でも述べた通り、この1年というのは秋田県の高校野球にとって前進するためのチャンスとなりうる要素が幾つもあり、まずは能代松陽の皆さんがそのひとつを掴んでくれました。今後、秋田県の野球が更に素晴らしくなっていく過程と熱気を、秋田県内に留まらず東北、そして全国の皆さんにも引き続きお伝えし、共有したい。今すぐにとはいかないかもしれませんが、その心意気だけは忘れずに今後も取り組んでいきます。
さて、前置きが長くなりました。能代松陽の皆さんの戦いぶりから刺激を受け、僕自身も春季大会、夏の大会に向けて、このnoteでも色々とチャレンジをしたいと思っております。そこでまずは、前回の記事の内容も踏まえて、彼らの甲子園での戦いぶりを簡潔に振り返り、今の想いを率直に纏めます。そして、次回から秋田県の春季大会開幕(5月6日)までに約3回に分けて能代松陽の甲子園での戦いぶりをじっくり振り返り、最終的には春季大会の見どころにも繋がるものをと考えています。細かい内容を伴っての検証は次回以降ゆっくり取り組んでいきますので、今回はざっくりとしたものになりますが、振り返りも兼ねて是非最後までお付き合いください!!
まず、3月21日の初戦(2回戦)。守りをベースにしたチームスタイル、センバツ初出場、県立校...など何かと共通項の多かった石橋高校(栃木)を相手に、落ち着いた堅実な試合運びで3-0で勝利。石橋も緻密で丁寧な試合運びを信条とする素晴らしいチームで、簡単にはいかない試合でした。それでも、エースの森岡投手、主将の大高選手を筆頭に、昨夏同じ場所で味わった悔しさをきっちり一球、一打、ワンプレーに落とし込み、終始ペースを握った試合運びが出来ました。
校名変更後初の甲子園1勝。秋田県勢として8年ぶりのセンバツ初戦突破。この試合は学校にとっても、県の野球界にとっても、止まった時間を未来へと進める歴史的な1勝として刻まれたと思います。
続く3月28日に行われた3回戦。0-1で敗れたものの、日本最高峰の名門、センバツ連覇&秋春連続優勝を狙う大阪桐蔭を相手に、出せる力の限りを振り絞ってくれました。
5回終了時点までノーヒットに抑えるなど、エース森岡投手の最後まで一歩も退かない素晴らしいピッチング。柴田捕手のリードも冴え渡り、バックも初戦に続きノーエラーで盛り立てた守備面においては、確かな手ごたえを得たはずです。一方打撃面では大阪桐蔭の南投手、前田投手の前に力及ばず、今後の成長に最も期待したい部分です。
こちらは後日じっくり検証致しますが、試合を通して課題、収穫の両方が出ました。その中で最も大きな収穫としては、名前負けせず自分たちに出来るプレーに対して100%の力を出し切れば、日本最高峰の相手を前にしても紙一重の勝負が出来た。これは能代松陽の皆さんのみならず、秋田県にとっても大きな収穫と言っても過言ではありません。
今まで「大阪桐蔭」と聞いて、接戦に持ち込むイメージすら湧かなかった秋田県の球児の皆さん、ファンの皆さんもいらっしゃったかもしれません。でも、現実として「一歩手前」まではいけたんだと、能代松陽の皆さんが証明してくれました。彼らが得た「勝ち切れなかった」という悔しさを含め、間違いなく今後の秋田県にとって道標となる歴史的な試合になっていくと信じてやみません。
こうした今後にも繋がるであろう素晴らしい面においては改めて心から拍手を贈り、心から有難うとお伝えしたいです。しかしながら、「全国制覇」するまでの道のりは決して甘くない。そう突き付けられたのも事実です。
まず、大阪桐蔭戦。今回は中6日、お互い2試合目ということで、エースの森岡投手を万全の状態で立てて戦うことが出来た。そこで互角の戦いを展開出来たのは自信とした上で...今後は、お互いに4〜5試合を消化した状態で、次から次へと好投手が出てくる大阪桐蔭のようなチームとどう戦うか?のシミュレーションも必須となります。夏は、ひとりの投手だけでは到底勝ち抜けません。
さらに、能代松陽を破った大阪桐蔭が準決勝で敗退したという事実。投打に力強いタレントを擁し、尚且つ高い組織力を持ってして見事な逆転勝ちを飾った報徳学園も、僕たちにとって参考にすべき点ばかりの素晴らしいチームでした。
このまま報徳学園が一気に...と思いきや、優勝したのは、1戦1戦元々力のある野手陣が逞しさを増し、エース林くんが獅子奮迅の働きを見せた山梨学院。甲子園で最も怖いのは、確かな実力+成長を実感した勢いを味方につける、山梨学院のようなチームなのかもしれません。上には上が、またその上にはさらに上が...というのを突き付けられた大会でしたし、そこも含めて非常に勉強になりました。
それじゃあ、彼らを乗り越えて秋田県が甲子園で優勝するために目指すべきは...という部分のお話はまた今度になります!次回から3回に分けての企画(仮)もそうですし、今後様々な検証を重ねてじっくりと展開していきます。まず1回目(石橋戦振り返り)は、4月8日(土)公開を目処に取り掛かります。
以上、取り止めのないお話に今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました!!また次回お会いしましょう。今後も秋田県、秋田県の高校野球のことを、何卒宜しくお願い致します。