らくがき王国⑨
ピーターとジョナサンはついにらくがき王国の外の世界にたどりつくことができました。
しばらくの間、どこまでも広がる草原を二人で眺めていました。
「外の世界は、おもったより静かなんだね。らくがき王国の方が騒がしいや」
ピーターがいいました。
「でも、王様は刺激に満ちあふれているっていってたぜ」
ジョナサンが言い返しました。
「外の世界に出れただけで刺激的だけどね」
「まあね。それより、あそこに見えてんの小屋じゃないか?」
ジョナサンはそういって小屋の見える方向に指をさしました。
「本当だ!小屋だ!全然気がつかなかったよ!ジョナサン、行ってみよう」
ピーターはジョナサンの意見は聞かずに走りだしていました。
「おい、待てよピーター」
ジョナサンもピーターのあとを追います。
ジョナサンが見つけた小屋は、きれいに手入れがされており、作ったばかりとおもうほどでした。
小屋の裏には、これまたきれいに整えられた畑があり、たくさんの野菜が育てらえていました。
「人が住んでるだね」
ピーターが畑をみながらいいました。
「せっかくだからあいさつしようぜ」
そういってジョナサンは、入り口に向かい、ノックをしてみました。ジョナサンはあまり恐れがないようです。
「こんにちは、誰かいますか?」
すると、小屋のドアが開き、口ひげの生えたおじいさんが驚いた様子で玄関に立っていました。
「まさか、こんなところに人が来るなんて。しかも、少年が二人。君たちはいったい……」
「オレは、ジョナサンで、こっちはピータです。ごめんなさい、驚かせてしまって」
「いや、いいんだ。ここに人が来るなんて初めてだから驚いてしまって。よかったら中で君たちがどこからきたか教えてくれないか」
おじいさんがいいました。
「もちろんです。ぼくたちもおじいさんの話を聞きたいとおもっていたので」
ピーターはすでにおじいさんの話を聞こうと決めていたようです。
二人は、外の世界の謎を聞くことになるのでした。