らくがき王国⑥

らくがき王国の王様は、話だしました。

「ワシは、らくがき王国の外からやってきたんじゃ。そして、このらくがき王国を作った。なにもないところからこの王国を作るのは大変だったが、とても楽しかった」

「王様は外の世界のことを知っているんですか‼︎教えてください‼︎」

ピーターは興奮していました。

「ああ、知っているとも。外の世界は刺激に満ち溢れている。このらくがき王国がいかに楽園かがわかる」

「王様、あの机はいったいなんですか?」

今度はジョナサンが聞きました。

「あの机でワシはこのらくがき王国を作りはじめたのだ。くる日もくる日もあの机で理想とする王国の絵を描いていた。君たちはこの部屋を秘密の部屋だとおもっているが、ここはワシのらくがき部屋じゃ」

「王様、ぼくは外の世界を見てみたいです。お許しをいただくことはできませんか?」

ピーターは王様にお願いをしてみました。

「そういうとおもっておったよ。いずれ誰かがいいだすことというのはわかっていた。君はなぜ外の世界を見たいのだ?」

「外の世界にはどんならくがきがあるのか見てみたいんです」

ピーターはまっすぐと王様を見ていいました。

「好きにしなさい。ワシのわがままでこのらくがき王国を作った。ワシだけわがままを許してもらうことなどできないわい」

「でも、どうやって外の世界にいけばいいんですか?」

ジョナサンが聞きました。

「その机が外の世界とらくがき王国を結んでいる。その机でどんなでたらめな地図を描いたとしても必ず外の世界に行ける仕組みになっておる。つまり、この部屋は外の世界に通じる大事な役割を持っているということじゃ」

「行けるんだ、外の世界に」

ピーターはいいました。

ピーターとジョナサンは王様の机を見つめました。

二人はどのような選択をするのでしょか。

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