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流行りのガジェットも好きだけど、すぐ「消費」できない「NUME FUKURO」もよいという話

世の中に「消費」されたくない。

SNSの流行り廃りの速さにそんなことをぼんやり考えることがある。
悪気なく自分だって、流行りものは猛烈にハマって、そして気がつけば忘れてしまいがちだ。
そうなってしまえば、ある日もう一度出会った時に「あの時流行ったやつね」と烙印を押してしまう。

商品を取り扱う上で、世の中の需要に素早くついていけることは、大切な能力のひとつなのだけど、一方で少しずつ長く愛される商品を取り扱いと思うことはわがままだろうか?

そんな思いを知ってか知らずか、ある日であったBavarder(ババルデ)さんの「NUME FUKURO」の話を今回はしたいと思う。

出会った瞬間には未完成なプロダクト

NUME FUKUROは、その名の通り、「ヌメ革でできた袋」そのままなアイテムだ。
入口はちょっとギザギザとしていて、たまにお店で買い物をした時にもらう「茶色い紙袋」のようだ。

さらに言えば、ヌメ革は少しずつ経年変化を得て育っていく素材だ。
栄養クリームを塗り込みつつ、少しずつ茶色になっていくのだけど、その前の姿はツルッとしていて紙袋感はない。
先端の部分もピンと伸びているので、紙袋のように簡単には折り曲げることができない。

ということは、商品を販売しても5年間は「育った表情」をお客さんに見せることはできない。
しかし、Bavarderさんはそれでも、この袋を作って5年近く育て続けた。
それはサンプル品もだけれど、プロダクトとしても時間をかけて育っているということであると思う。

なにせ購入した瞬間には、お客様もまだ新しいヌメ革の表情しか見ることができないのだ。
はじめから完成している多くのプロダクトと違って、NUME FUKUROは少しずつ手をかけて、時間をかけて出来上がっていくことになる。

そのあり方は、目まぐるしいスピードで駆け抜けていく私達の日々において、とても重要なものなのかもしれない。
そんなことを言うからにはSNSのタイムラインの激しさに疲れているのかと思われるかもしれないけど、まあ疲れていなくてもNUME FUKUROの5年経った姿は理屈抜きにかっこいいのだ。
お店で取り扱えばサンプルを育てながら、販売もできるし、なにより自分自身が飽きずに商品を販売できるかも試される気がする。

そんなわけで、新たにうちのお店に「NUME FUKURO」が加わりました。
販売開始早々人気が集中してしまい、手仕事で作られているためにゆっくりと追加しながら販売しています。
ガジェットで流行りなアイテムも大好きだけど、たまにはこういうじっくりなプロダクトもお店に取り入れてみるのは楽しい。

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