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BIO+FORM 考 自然と建築の幸せな関係 閑話休題 「山川草木悉皆成仏 (さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)」

環境と建築を考えることの間に、閑話休題として少し箸休め的なことを書きたいと思います。

昨日、天気が良い中、現在世田谷で進めている、「三年鳴かず飛ばず」プロジェクトの地鎮祭が行われました。

今回の地鎮祭は神式ではなくて、「仏式」。私もこれまでのキャリアの中で、仏式では二回目です。プロジェクトオーナーのご縁で地域のお寺さんのご住職に執り行っていただきました。
今回感心したのは、ご住職の最初のご挨拶の中で、「山川草木悉皆成仏」ということを述べられたこと。
日頃、パーマカルチャーなど、生態系に寄り添うことをデザインの取っ掛かりにしている私としては、「さんせんそうもく」という言葉と響きだけで、「いい言葉だなあ、、、」などと感心しておりましたが、そのあとの「みな、ほとけ」というお言葉がとても気に入りました。
つまり、「この世の万物は皆、仏性を持っていて、この世にいる価値がある、皆が救われる、」というようなことだったかと思います。
「お祓い」という儀式は「邪悪なものを排除する」ということであり、皆を救う、ということとはちょっと違う、というようなことでした。(神社界隈の皆さん、すみません、、、、、)
なるほど、環境、生態系は全てが循環、連環という仕組みに沿っているのであり、無駄なものはない、自然界にゴミはない、というパーマカルチャーの哲学と相通ずるものがある。
今回のプロジェクトの姿勢は、「BBQ型」ではなく、「焚き火型」。そのようにオーナーと話し合いを重ねながら進めてきています。
つまり、建築は、最終的に形にしていく作業だから、最初からゴールへ向かっての構築的な姿勢がありますね。だけどそれとは違って、状況に応じて、またその時に関わるひとによって、プロジェクトが変容しながら、より良い、バランス点を見つけながら、進んでいく、なんていうのはむしろ環境と寄り添った建築づくりにはある意味、親和性があるよなあ、、、などと考えるわけです。
今回の地鎮祭はそんなプロジェクトの姿勢を象徴するようなお言葉からのスタートとなりました。

いよいよ工事が始まります。

地鎮祭 準備。 仏式でも注連縄がまわります。
ここに建っていた古い建物の瓦を回収して、新しい家で再利用します。

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