社会風刺コメディの手練れアダム・マッケイの超絶豪華な濃密世紀末映画 「ドント・ルック・アップ」見た
Don't Look Up(2021年製作の映画)
鑑賞:2022.1.2 記事公開:2022.1.31
監督・脚本:アダム・マッケイ
粗筋が面白そうだったのでよく見たら監督がマネー・ショートのアダム・マッケイさん。キャストも凄い。ネトフリ映画だとしても絶対観る。
映画は最高だった。いい年越しができましたありがとうアダム・マッケイさん、ありがとう出演者の皆さん。オグルソープ博士のヘアースタイルが最高で、出てくるたびに笑ってた。
登場人物が誰も彼も面白い。どこまで脚本でどこからが役者受け持ちかわからないけど、あり得ない人物像なのにいかにも居そうな人感が凄い。テレビキャスターの女性とか。水とスナック代をぼる軍人は多分実話なんじゃなかろうか。
そしてそのキャストも豪華すぎる。どのカットも異色な2ショット3ショットの連続。メリル・ストリープとジョナ・ヒルとか。キャスティング自体が悪ノリの冗談みたいに豪華。そしてみんなあまりにも楽しそう。特に、ケイト・ブランシェットとメリル・ストリープ。
ジョブスっぽい役のマーク・ライランスさんも良かった。何あれ。しかもやってる事は誰よりも凶悪でえげつない。よくよく考えると1番恐ろしい人物。笑えるけど笑えない。まさにブラックコメディの真骨頂。
作品としては風刺コメディだと思う。悪ノリとリアリティ描写のさじ加減が抜群。
右も左もハイテク企業もマスコミも満遍なく総攻撃。世の中に感じる違和感を笑える形で提示してくるので、言いたかったことを言ってもらったような気持ち良さがあって驚くほど心置き無く笑える。
アリアナ・グランデとか、自身のワイドショーネタを自身がやってるんだろうと推測できるけど、気づいてないだけでそういうネタが他にもたくさんありそう。
3回くらい見直してもまだ面白いとこ発見できるんじゃ無いだろうか。それぐらい密度が高い。
タイトルを聞いたときはシュールな状況を楽しむコメディかと思ったけど、思い切りのいいストレートパンチを正面から打ち込んでくる肝の据わったブラックコメディだった。