現時点で最高峰ビジュアルと最新ハンズ・ジマーが堪能できる「デューン 砂の惑星PART2」見た
Dune: Part Two / 2024年
鑑賞:2024.3.29、記事公開:2024.3.30
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ、脚本:ジョン・スペイツ、ドゥニ・ヴィルヌーヴ
オッペンハイマーも始まったので、IMAXから弾かれる前に慌てて見てきた。
前作は劇場で見て直前に配信でも予習済み。見返してみるとストーリーを忘れかけてたので凄く楽しめた。冷静に家で見るとアトレイデスパパの悲壮な覚悟がより伝わってきて良かった。
part1とpart2で一つお話しなので見た方がより楽しめると思う。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ネタバレアリ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
印象
映画はまたとても良かった。ぼけっとして何も調べてなかったからサラッと出てくるキャストにいちいちびっくり。映像は凄いわ映画の中の盛り上がりは凄いわで圧倒された。
音楽もサウンドもすごい迫力。演出もキャストも音楽もビジュアルも古今東西の手だれ達が寄ってたかって最高の仕事を楽しんでいるのが伝わってくるようだった。
ヴィルヌーブ監督はスタッフのやりがいを引っ張り出すのが得意なのだろうか。
SF映画というジャンルでは、語り継がれるモノになるんじゃ無いだろうか。スターウォーズのようなSFテイストを振り払ってしまい、以後SF映画を撮る場合はこのデューンが基準になるじゃ無いだろうかという作り込み。
フランクハーバードの蒔いた種が長い期間をかけてあらゆるクリエーターを刺激し続けて、何世代も経て花が咲くところに立ち会えたと思わされる。
ここがすげー
見どころはヴィジュアルだろうか。諸々のデザインが見たことあるような無いような。文化の蓄積のようなものは感じるようできてる。けど、またこれかというようなモノマネ感は無い。結構難しい表現を達成してるように思う。また、その見せ方がうまいのなんの。同じことがサウンドにも言える。機械の効果音がいちいちはまっていてさらに心地良い。
そんな作り込みの上に、ティモシー・シャラメやレベッカ・ファーガソンの美しさ、圧倒的な砂漠の存在が加わって作り上げられる世界が圧倒的。
ハルコンネンサイドの描写もデザインから世界観からキャラクターから作り込みとセンスが良かった。新キャラも存在感バッチリ。
お話
お話は原作からいくつか簡略化されていたりラストもちょっと踏み込んでたりと変更部分はあったけど、こっちの方が正解じゃんと納得できる作りで隙がない。なんか独特な話方を会得してるんじゃないだろうか。
内容的にはポールにフォーカスした作りになってるみたい。他の要素はスピンオフなんかで拾っていけるし、ストーリーを絞ったことで興行収益には繋がってると思うので正解だったんじゃないかと思う。
お話運びはアクション満載の動的な印象だけど、止まり絵とか決め絵の積み重ねで見せてる感じが独特で面白い。キャラクラーのアップが多いのになぜかお話が進んでゆく。
その辺ウォンカーワイのグランドマスターに近い見せ方な気もする。ということは、ハリウッドルックから離れようとしているってことだろうか。だからか、たまに入る決闘シーンのような動的なアクションシーンがまた活きていたと思う。砂煙に浮かび上がるシルエットからの流れるような集団での襲撃。など、絵的な見せ方が面白い。
Part2はポールの救世主としての覚醒も見ごたえがあった。後半になるにつれて凄みを増してくるティモシー・シャラメとレベッカ・ファーガソンが経て行く過程に(雰囲気的に)説得力が違和感がなく引き込まれる。ポールが覚醒してからの高揚感は見てるだけなのにゾワゾワするほど。言葉は少ないけど音楽と演出でバッチリ決めるの演出手腕が際立つシーンだった。「ザイオンでのモーフィアス」を超えと思う。
Part1に比べてお話が転がり始めたというところも大きいかもしれない。
キャストやあれやこれや
それほどな出演量でもないのに、レアセドゥとストーリー上まだ生まれてもいないアニャ・テイラー=ジョイ、理由不明の存在感抜群で得した気分になるフローレンス・ピュー(声の良さか?)あたりが目白押しな感じからして、次作へのやる気が激っており期待してしまう。
原作はまだあるし、ヴィルヌーブ監督はピータージャクソンの指輪物語のようなライフワークと捉えているのではなだろうか。貴重な才能の持ち主なので次のステージに取り組んでもらうためにもpart6くらいまでここままガガっと撮っていただきたい。
映画としての完成度が高いだけに、新しい物語に出会えた時の高揚感にようなものは感じれなかったのは意外。初めてレザボエドックスを見た時の凄いものを見た感。裸のランチを見た時の打ちのめされ感、マルコビッチの穴を見た時のなんじゃこりゃワクワクといったトキメキを受け取れなくて悲しい。年をとったせいだろうか。物語としては封建時代のロマンを異星に移し替えているので目新しくないのは仕方がないかとも思う。そもそもそれらと並べれるくらい映画としての完成度が高いと思う。
「DUNE」がこういう方向でこんなに面白いんだったら、ブレードランナーももうちょっと面白くできたんじゃないかしら?と思わないこともない。あれはあれで好きだから文句ではないけど、面白いならそれに越したことは無んだけどなー。というような。
そして、おそらくこの作品に刺激されているであろう「現役の」または「将来の」クリエーターたちが鼻息を荒くしている姿が目に浮かんで胸が熱くなる。
パンフレットは売り切れてた。
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