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待ってた!最近元気な庵野監督が得意分野の特撮リブート。「シン・仮面ライダー」見た

シン・仮面ライダー / 2022年
鑑賞:2023.3.20 記事公開:2023.3.20
監督・脚本:庵野秀明

 シンエヴァ、シンゴジが良すぎた庵野総監督久しぶりの監督作。特撮コンテンツのリブートしては満を持しての作品感が強い。予告編も良く楽しみにしてたので早速。
 年齢としては特撮よりはガンダムなどサンライズロボット、キン肉マン北斗の拳世代なので仮面ライダーに特に思い入れはない。予習で石ノ森章太郎の仮面ライダーは読んだ。

※※※※ ネタバレあり! ※※※※

表現はギリギリまで攻めてた

 良かったのはやはりハードな仮面ライダーのイメージ。漫画原作寄せだろうか。最初に戦闘員相手に暴走する感じとかは斬新で良かった。このへんの流血演出でレートPG12に引っかかったのかな。ただ、作品自体素材が気味の悪いものだしそこを誤魔化すと後が大変そうだしで、観客の心構えをグッとシリアスな方に誘導するのは判断としてはありかと思う。他に魅力的な部分は孤高な本郷猛やライダーの立ち姿だろうか。大体のアクションシーンは何をやっているのかわからないので、ライダーキックカットなんかの決まり画がカッコいい。ちゃんとテーマ音楽も鳴って欲しいところにハマってよく知らないけどテンションが上がる。(シン・ウルトラマンはあの曲が劇中に鳴らなかったのは盛り上がりに欠けた)
 やはり映像も含めた物語世界観が魅力的だった。
 お話はどうかと思うけど、映画作品としてはやはり世界の映画作家の中でも高いオリジナリティがあってそのことだけでもありがたい。今回がどうかはわからないけど、ぜひ興行もうまくいって好きに作れらせてもらえるようになって欲しい。

賛否はどっちだ!

 映画はどの立場で見るかで評価は分かれそうだけど、アクションシーンは工夫もあり、ライダーキックなどの見せ方はちゃんと盛り上がるし楽しかった。お話的には、世界観や段取りがセリフで説明されて、アクション部分はいきなり怪人とのクライマックスと振れ幅がデカい。主題の中心が緑川親子でライダーの悲劇性が霞んで魅力が薄い。悪がショッカーよりも個々の怪人次第になっていて巨悪感が薄い。と、気になるところは多いけど、原則「仮面ライダー」だったし、「仮面ライダー」に期待してたものは十分堪能できた。

楽しいキャスト陣

 おじさん以外のキャストは見たことない人が多くて楽しかった。シンウルトラマンが面白くて何回も見ちゃってるので、斎藤工と竹野内豊が並んでると混乱する。どっちの作品もダークスーツだし、髪型とヒゲ・メガネの微妙な調整がさらに混乱した。竹野内さんの政府関係者はそろそろ別なバリエーションの「できる男」が見てみたい。そのまま加持リョウジにしちゃえばいいのに。
 まさかと思ったけどクレジットで確認したらサソリオーグがやっぱり長澤まさみで笑った。楽しそうだったな。せっかくならもうちょっとサソリオーグのかっこいい決めポーズカットが見たかった。

テレビシーリーズ

鑑賞後テレビシリーズを何本か見てみたら、やりたいことがなんとなくわかった気がした。シン・ウルトラマンもそうだけど、彼らはテレビシリーズをそのままやろうとしているので、映画だと思って見にきてる人は面食らっちゃうじゃないだろうか。「シンウル」も「シン仮」も約30分単位の1エピソードを繋げるボリューム感で、テレビシリーズの編集版のような作りになってると思う。なので、映画を見慣れていると、人物の掘り下げなんかがイマイチ物足りなかったりするんじゃないかと思う。
 ライダーと怪人の対決シーンはトレースかってくらいそのままだった。
 キューティハニー(ほとんど覚えてないけど)でやりたかったこともこんな感じなのかなとも思った。

 次作があるなら見たいけど、どうなんだろう。カラーの喰いぶちも稼がなきゃいけないだろうし、アニメをやらないわけにもいかないだろうからそっちに戻るんだろうか。シン・ウルトラマンは庵野無しでも続けたい人は多そうだしやれそう。ライダーもシリーズ化後は総監督に回るだろうか。そろそろ高畑宮崎なき後のジブリで庵野監督の世界進出という線も考えられるが年齢的に時間が限られているのでタイトな時期が来ているかもしれない。
 稀有な才能で周囲の評判もいいようなのでぜひガンガンモノを作っていって頂きたい。

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