たったお家一軒で興奮サスペンスアクションな世界へ連れていってくれたフェデ・アルバレス監督大抜擢の「エイリアン:ロムルス」見た
Alien: Romulus / 2024
鑑賞:2024.9.16、記事公開:2024.9.17
監督・脚本:フェデ・アルバレス
予告編から漂う間違いない感に、復習した方が絶対楽しい!と思いつつ時間は取れず、IMAXを逃したらそれどころじゃないので突撃鑑賞。
エイリアンは「AVP」以外は見てると思う。なぜか「AVP2」を見て「AVP」はいいやと思った。リドリー・スコットやダン・オバノンやギーガやジェームズ・キャメロンやデヴィッド・フィンチャーやジャン=ピエール・ジュネは好きだけど、『エイリアン』は夢中になったと言うほどではない。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ネタバレアリ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
作品は控えめに言って最高だった。
次に何が起こるのかワクワクが止まらない120分。期待してた以上のものを楽しませていただきました。
最高だ!
映画としては、『エイリアン』1を踏襲して狭い船内のどこから襲ってくる何かから逃げ隠れるサスペンスに全力で振り切ってた。
絶体絶命からのなんとか活路を見出す展開をこれでもかと言わんばかりに繰り出してくるので、終始緊張しっぱなし。容赦なく犠牲者が増えてゆくのもぽくて良い。
お約束のアンドロイド君は今回少女に守られる側と今までにない展開。見せ方がうまくて、主人公との関係性に冒頭から心を掴まれる。
エイリアンもぐちょぐちょで良かった。壁に張り付いてる蛹段階?のやつは初めて見た気がする。絶妙に気持ち悪くて、ギーガーっぽくて良かった。
『エイリアン』1の面白かったところを改めて思い出せて貰った気持ちになる。
ヤクザ映画が細分化されすぎてわかりずらくなった時に、なんとなくのヤクザっぽさと強烈な暴力だけの『アウトレイジ』が新鮮で面白かったやつかな。
期待以上のSF接待
冒頭で宇宙船が飛んでいるのに無音。この「この作品はSFをやりますよ」の合図にテンションが高まる。続いて労働惑星がまた設定もブツのデザインもお話もそれっぽい。たまらない。さらに宇宙船内が1980年のSFデザインテイストでこれまた嬉しい。ディスプレイのUIとか、宇宙船内外のテイストとか。プロメテウスとかは今風のデザインテイストになってるけど、今作はまんまあの世界観。夢をみているよう。あそこに住みたい。
SFもしくはダン・オバノンもしくはSFとダン・オバノンが大好きな人がスタッフにいるに違いない。
ありがとうございます!
こんなにSF要素にワクワクする映画はいつ以来だろう。
スターになってしまうのかケイリー・スピーニーさん
役者さんはスターよりはこれからの人がキャスティングされているのかな?知らない顔ばかりだった。アンドロイドのあの人はご本人かな。
キャラクターも社会の底辺層の人だし、「ドントブリーズ」でもそうだったことを考えるとその辺は監督のテイストなのかな。
主役の女の子は普通の女の子っぽくて良かった。ちょっとハンサム系で「レオン』のナタポーテイストも感じたり。弱さと強さが求められるあたりをしっかりとやりきってた。脚本の良さもあると思うけど、彼女の存在感も。シガニー・ウィバーとイメージがかぶると『エイリアン1』まんまになっちゃうからむずかしそう。幼いアンドロイドの人も良かった。まゆがすんごい八の字になってて、キャラクターと相まって印象的。
他のキャストもぽくて良かった。
お話はサバイバルホラー一択
潔いチャレンジングな展開。宇宙ステーションについてからずっと、ドキドキした展開で飽きもこず。びっくり演出もスパイス程度で、本筋がちゃんと登場人物がガッツで頑張る展開だから見えててやな感じはない。アイデアが豊富で二番煎じも感じなくて凄い。時たま『エイリアン』オマージュなカットも違和感ないファンサービスでうまい。
体液通路通過のシーンはなんかゲームテイストっぽい。ジョン・ウィック4でも「Hotline Miami」ニュアンスのシーンがあったけど、そういう世代っていうことなのかな?映画話方ともしがう質感が面白い。インディジョーンアプローチともなんか
音楽も地味に絶妙に良かった感じ。そろそろハンス・ジマーに飽きてきているのかな。音楽家の個性が全面に出てきているわけではなかったけど、一歩後ろに引いて適切にお話を盛り上げていた気がする。
今作だけでも面白い
結局ちゃんと今回の登場人物たちのお話になっていたので復習は必要なかった。エイリアンそのものも知らなくていいんじゃないかしら。人を襲う気持ち悪いものってだけだし、興味が湧いたら調べると面白いだろうけど、映画とは関係ないし。もちろん『エイリアン』を見てからでも楽しいはず。
ひょっとして
ヒット作の続編はこけると言われていた当時『エイリアン2』が、ホラーからアクションへとジャンルを変えるほど勝負どころをズラして成功したのが、実は迷走の始まりだったのかも。『エイリアン』は「前作からガラッと変えなきゃいけない縛り」があったんじゃないかと今作を見た後だと思う。3,4も単体では面白いけど。『プロメテウス』も面白いけど、人類創生みたいな話やりたいんだったらそれで新作撮って欲しい。リドリー・スコットの「人類の始まり」の映画なんてそりゃ見たいでしょうよ。
ただ、今回はフェデ・アルバレス監督があまりにも『エイリアン』1と相性が良すぎたという要因がでかいと思う。
次回作くるかな?
もはや伝説な『エイリアン』1との真っ向勝負に新たな出産シーンも期待されるだろうし、また一つ続編制作の敷居が上がっちゃった気がするけど大丈夫かな。