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意図を表に出さず意表をついた行動をとる
■勝つためには自由の意図を悟られてはならない
2500年前に書かれた兵法書で、現在まで研究が続いている『孫子』。
なぜ、これほどの長期間、『孫子』の名声は衰えなかったのでしょうか。
最大の理由は、戦争に勝つ真理「間接的アプローチ」が書かれていることです。
「戦争は、しょせん、だまし合いである。たとえば、できるのにできないふりをし、必要なのに不必要と見せかける。遠ざかると見せかけて近づき、近づくと見せかけて遠ざかる。有利と思わせて誘い出し、混乱させて突き崩す」
「充実している敵には退いて備えを固め、協力な敵に対しては戦いを避ける。わざと挑発して消耗させ、低姿勢に出て油断を誘う。休養十分な敵は奔走に疲れさせ、団結している敵は難問をはかる。敵の手薄につけこみ、敵の意表を突く」
『孫子』の第一編である「始計」にあるこれらの言葉は、三つのことを意味します。
●自分の意図を相手に悟られることは不利である
●充実した敵の備えに真正面からぶつかるな
●敵を驚かせる要素を強みにすること
■仕事、勉強、結婚・・何事も正面突破は避ける
1916年、第一次世界大戦で大戦で最大の激戦がフランス北部で展開されました。
ソンムの戦いは、4ヶ月間で両軍で100万人以上の死者を出す悲惨な戦場でした。
頑丈なドイツの塹壕陣に、イギリス軍とフランス軍の歩兵が正面衝突をしたからです。
機関銃が登場した戦場で、歩兵の正面衝突は自殺行為に近い作戦でした。
たった1日で、イギリス軍の兵士は約2万人近く死亡、壊滅的な損害を受けます。
最終的にイギリス・フランス連合軍は、60万人の死者を出しました。
その代償は、たった11キロの進軍だったのです。
努力が大きく、損害も巨大なのに成果はほとんどない戦い。
努力が小さくとも、大きな成果を手に入れる戦い。
ソンムの戦いは典型的な前者でした。
そして、同様の無益な「戦い」は、現代のビジネスマンも嫌になるほど経験しているはずです。
敵が驚かない戦い方では、味方の被害が植えるばかりです。
仕事、勉学、転職、起業、さらには恋愛、結婚など、敵(新しく始めること)は、当たり前の方法で攻めてはいけません。
「5倍の兵力なら、攻撃する」
普通の人の、5倍以上の才能や能力があれば、正面攻撃でも勝てるのです。
それ以上の場合、『孫子』は真正面から戦うことを否定しています。
敵の意表を突くことで、戦いを有利に進めるためです。
・・つづく・・
【参考文献】『今すぐ使える!孫子の兵法』(プレジデント社)鈴木博毅著
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