ユダヤ人の受難のパワー(なぜロスチャイルド家が誕生したのか?)⑦
ポグロムへの復讐
しかし頑迷なツァー(ロシア皇帝)の国ロシアとその影響下にあったポーランドでは、ユダヤ人の受難が続いていた。
ユダヤ人がロシアなどヨーロッパ北東部に本格的に移住するようになったのは、ライン川沿いで十字軍のキリスト教徒兵士による虐殺がおこなわれた11世紀以降である。
ユダヤ人はきこりや行商人をして生活していた。
ツァーがこれらのユダヤ人を税金の取り立てに使うようになると、ツァーの圧政に苦しむ民衆は、その鬱憤をユダヤ人に向けてなぶり殺しにする事件が相次ぐようになった。
秘密警察もツァーへの怒りをそらすために民衆を扇動した。
ナポレオン戦争後、フランスなどではユダヤ人を含めて権利の平等化が進んだのにたいし、歴代のツァーはむしろユダヤ人への弾圧を強める。
ユダヤ人を改宗させるため12歳で徴兵して洗脳を試みたりした。
ついにはポーランドなどでの反政府運動にユダヤ人が関与しているのではないかと疑い、国境から60キロ以内にユダヤ人が居住することを禁止し、職業を制限するなど苛酷な政策をとった。
こうした状況を背景に1871年にウクライナ地方のオデッサを手始めに「ポグロム」(略奪、殺人などを伴う暴動を意味するロシア語)が起きるようになった。
ユダヤ人が井戸に毒を投げたとか、礼拝に人間の生き血を使っているといった流言は日常茶飯事だった。
混乱する社会情勢の中で、最も弱い集団であるユダヤ人をスケープゴートにするロシア民族によるポグロムは、1920年代まで繰り返し発生した。
・・つづく・・
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【参考文献】『ロスチャイルド家』横山三四郎(講談社現代新書)
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