⑧朝日新聞は以前は素晴らしい新聞であった
GHQの新聞への事前検閲が制度化されたのは昭和20年10月8日からです。
それ以前に同盟通信が9月14日に業務停止命令を、朝日新聞が9月18日から20日まで発行停止を命じられました。
なぜ、朝日新聞が発行を禁止されたのか見ていきましょう。
処分対象となったのは9月15日付と17日付に掲載された5つの記事で、理由は『公安を害する』という理由でした。
その対象となった記事のうち3つを紹介します。
1、15日付の鳩山一郎と記者の一門一答
2、17日付の『横浜のアメリカ人引き続き県と折衝』との見出しのついた進駐軍の物資調達関係の記事
3、17日付の『比島の暴行発表への国民の声』の記事
では、一つ一つの記事を見ていきましょう。
1は、衆議院議員で当時新党結成に動いていた鳩山一郎に、記者が『戦後復興の諸政策はどうするのか?』という質問に対しこの質問に鳩山がこう答えました。
『正義は力なりを標榜する米国である以上、原子爆弾の使用や、無辜の国民殺傷が病院船攻撃や毒ガス使用以上の国際法違反、戦争犯罪であることを否むことは出来ぬであろう』
2は、GHQが日本経済の苦境を強調することや占領政策に批判めいた記事を書くことを抑えようとしたものだと考えられます。
3は、フイリピン戦での『日本軍の典型的残虐行為』という米軍の報告書を16日付の記事で掲載されたのを受けた記事で、『報告書を見たほとんど全部の日本人が異口同音に言っていることは、かかる暴行は信じられないという言葉』『いくら血なまぐさい戦線にあっても、武装なき民衆にかかる残虐を行ったとは信じ難い』という表現をGHQは『朝日新聞の報道ぶりは、GHQの発表を信じ難いもののように扱っている』として処分したのです。
今日では朝日新聞は反日新聞の親玉のようになっていますが、占領直後にはこのようなマトモな報道をしてGHQにけしからんと処分されていたのですね。
次の回では公職追放と共産主義者の活動を見ていきます。この2点で日本のマスコミは大きく反日組織に方向転換してしまいます。
では、次回をお楽しみに。
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