童話村にきらめくケンジ・スピリット 岩手旅2日目:花巻
2日目の午後、遠野を出発。新花巻で下車し、「ケンジの宿」へ。
荷物を置き、今回の旅の目的である宮沢賢治童話村へ向かう。
――タクシーで行った方がいいですか? 「若いんだから歩きで大丈夫」
――地図ありますか? 「地図なんかいらない」
と宿の方の豪快なお返事。
ここ出てあっちね、程度のインストラクションに従って歩いていくと、なんと歩道に地図が落ちていた。
誰かがマーカー引いたあとのあるやつ。マップ拾うとかRPGか。
登り勾配の道をてくてく行くと、確かに迷いようがない感じで童話村はあった。というか周辺に他に何もないのだった。
不思議なオブジェが光を集めている。そう、これを見に来たのだ。ライトアップ前から十分きれい。
でも本番は夕方から。先に賢治記念館をゆっくり見よう。
童話村に戻ると、「白鳥の停車場」というお店に吸い込まれてしまった。素敵なものだらけ……いくらいても飽きなさそう……
玉こんにゃく・ベーコン串・チーズ入りソーセージなど屋台のうまいものを食べつつライトアップを待つ。18時めがけて、けっこうな人出。この2日間で最大人数の観光客。
童話村内のライトアップはLEDを大量に使ってそのへんじゅうを覆っていたりはしない。形状と素材に工夫のあるオブジェがそこかしこに点在している。幻想的。ケンジ・スピリットを感じる。LEDだらけにしてしまうのはここにはそぐわない、と。素晴らしい判断。
童話村内には様々な展示施設があり、それを見て回っていると自分が読んだことがある宮沢賢治作品はほんの一部なのだな、と思わされる。ライトアップがなくても素敵な場所です。
そして……
暗くなると、ライトアップは一層美しくなった。闇夜にきらめくオブジェ。光の結晶体。夜の鉱物。イーハトーヴに現出する夢……
宮沢賢治の世界観を深いところまで感得した方々の仕事だなあ。
19時半ごろ、帰途についた。真っ暗なので一瞬迷いかけて焦ったが、なんとか宿に戻った。
お部屋は “Luna Nokto”。「月夜」か。エスペラント語はラテン語っぽい語彙が多いらしく、わかった気になって楽しい。
「ケンジの宿」は安価だが親切な宿で、無料のドリンクスペースもあった。お風呂も清潔感ある。浴衣ではなく上下セパレートのパジャマなのも気がきいている。宿泊の順番はこれが正解だったな。
何より! 歯ブラシが! ある!(感動)
(もうちっとだけ続くんじゃ)
(↓↓歯ブラシがなかった前回↓↓)
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