日本国憲法全103条「音読」した話
タイトルのままの話をする。少なくとも最初は。
注意書き以降は政治的な話になるし最後は愚痴なので、嫌な方は進まぬがよろし。文句は受けつけない。
※トップ画像は先日、八国山緑地で出会った謎のキノコ
前文+103条を音読する
ある人からの依頼で、日本国憲法を音読・録音することになった。
憲法の音読はYoutubeにもある。
その人(仮にRとする)も既存の動画を愛聴していたのだが、その朗読の方がまあ、ゲフンゲフン、てなことが発覚し、聞くのが嫌になっちゃったんだそうだ。
で、「茶ぶどうさんに音読してもらえたら一石103条なのでは!?」
などと天啓を受けたという。世の中には変わった人もいるものである。
そういった経緯で発注がなされ、茶ぶどうも「面白そう、てかいい機会じゃね? こんなことない限り憲法なんて読まんもんね」と乗り気になった。
納品までのプロセスは下記。
①日本国憲法の印刷(@職場)
②読み方チェック(Youtube・アナウンサーの朗読)
③1回の録音範囲を策定
④録音(スマホ)
⑤納品(Googleドライブ)
茶ぶどうと公民の時間
日本国憲法について学んだのは中学3年の公民だったと思う。
9条を暗唱したり、国民の権利と義務を覚えたりした。
「健康で文化的な最低限度の生活」、「公共の福祉」なんて言葉も覚えた。
でも中学生&受験生だったし、試験で正答することしか考えてなかった。
20歳になって選挙に行くようになったが、政治には全く関心がなかった。ちなみによくわからないながら選挙は9割以上行っているはずで、最近思い出せる限りは全参加している。悪くない市民ぶりではなかろうか。(自分には甘いタイプ)
憲法 思ったより短い
さて、前文から録音を始める。条文はしめて103条。小分けにして9日間で録音した。
「ゆっくりめに」とのリクエストにお応えして味わいぶかい感じで(ときにキャラを変えてふざけて)音読していった。
全体像を眺めたのは初めてだ。しかも全文音読。レアな体験ができた。
こうして日本国憲法を全文音読してみて感じたのは、「けっこう短いな」ということだった。
法律は星の数ほどあるだろうが(関心がない人間の所感)、憲法ってこれだけなんだ。
ご興味ある方はアナウンサーの方が読まれている動画をどうぞ。全部聞いても55分。しかもかなりゆっくり朗読されている。条文はネットに落ちている。読むだけならもっと早い。
「短くね?」以外にあともう一つ思ったことは、「わかんねえな」だった。
なんとなーくわかるんだけど、ピンとこない。
「法律の定めるところにより」がやたら多いし。他で決めるよ!ってこと?
そうだ、解説書を読もう
ということで、この際せっかくだし解説書を読もう、となった。
できるだけ簡単そうなのがいい(志低く)。ということで
・ページの半分はイラストですぐ読めそう!
・池上彰なら妙な偏りとかなさそう
・出版が2023年夏でわりと新しい
よし、GOだ!
安心と信頼の池上さん本でわかった気になる
いやー、読んでよかったです。
すぐ読めたし、わかりやすいし(わかったつもりにさせてくれるし)、直近の状況を踏まえているし。
※※※※以下は政治的発言+愚痴あり! 「他人の政治思想を読まされたくない」方はバックバック!※※※
(↓↓でも猫ちゃんはみんな見たいでしょう(圧)↓↓)
さて。「憲法、短くね?」のこたえは「はじめに」にもう書いてあった。
さすが池上さん。ド素人の抱く典型的な感想に早速コメントしてくれる。そうかあ。「かなり柔軟に解釈できる余地を残している」のかあ。
「世界177の現行憲法のなかで5番目に少ない」(p. 18)
すごいやん。1番少ないのってどこのどんなんなのか気になるな。
スピリット・オブ・ニホンコクケンポウ
「法律は国民が守るべきもの」「憲法は国会議員や官僚、裁判官、公務員といった権力側の人たちが守るべきもの」(p.14)
つまり、憲法にのっとって国会議員が法律を定め、その法律を一般国民が守るわけか。そして個々の法律が憲法に反していないかは裁判所が判断する、とこういう話かな? 三権分立~!(謎テンション)
……絶対に学校で習ってるんだろうけど習った気がしない。テストでいい点とったってこれじゃ意味ない。
自民党の憲法改正案についての話もあり、興味深い。国民に憲法尊重を求めるのは上記の理念からいっておかしい、と。「(自民党は)立憲主義を理解していないのではないかという批判が寄せられています」(p.73)
立憲主義は、「国家権力を制限する憲法によって政治をおこなうこと」(p. 14)なわけだから。
……りっけんしゅぎ。社会で習ったけど中身をちゃんと理解してなかったな……血の通わない勉強しかしてなかった、と……
他にも、
◆内閣総理大臣や国務大臣は「文民」でなければならないってあるけど、そもそも軍隊持たないんだから「軍人」いないのにわざわざ「文民」て書いてあるのはなぜ? →将来、自衛隊的なものができると予見されていたから
◆国民審査で罷免された最高裁裁判官は今のところいないが、2021年の国民審査では「夫婦別姓問題」が人々の関心事だったことが投票行動からわかっている
◆消費税が8%に引き上げられたときの法律の名称には「等」が2つも入っていて「租税法律主義の原則」の観点から問題がある(課税の目的が明確でないなど)
とか、思ってもみなかった話もあったりしてたいへんおもしろかった。(浅瀬の感想)
で、選挙はいつなのか? Let us ●ire you!
「おわりに」にはこうある。
OKOK。まったくもってその通り。
――で、「次の選挙」はいつなんだい?
なんかさ。読んでてあっちこっちで思ったんだけどさ。
今の国会議員が私たち国民の代表って気がしないんだよね。なんでかな?
まあ私は国民の1億分の1でしかないから。
「私の代表」はいないんだ。
それにしてもさ。
国民の過半数の支持どころか3割の支持すら得てない人たちがさ。なんか色々決めてんじゃん?
どうやったら落選させられるのかな??ってなってる。
例えば「財政民主主義」、「国民の代表である国会議員からなる国会の議決に基づいてお金の使い道を決めなさい」(p. 135)という話。
どうもさ、うまくいってない感があるんだよね。
確かに選挙は行われてる。たまーに。
(※茶ぶどうは東京都民ではないので都知事選は参加できなかった)
でもさ。なんかさ。……ね?(何を察しろというのか)
例えばさ。Aという議員をある地域で落としたい人が過半数いてもさ。
その人たちがBとCとDと……ってわかれて投票すんじゃん。
そしたら、過半数の人が「Aは落選させたい」って思ってても、なぜかAが当選したりすんじゃん。有権者の4割とかもっと低い得票数でさ。
それにさ。選んだ人が議員になったり市議会県議会とかに入ったとしてもさ。なんか、期待外れだったり、公約守らなかったり、あまつさえ汚職っちゃったりするじゃん?
なんかで告発されても「自分は県民の負託を受けた身なので、任期を全うしたい」とかのーのーとのたまっちゃうじゃん?
だから、「誰がなっても同じ」って諦念・無関心に傾く人の気持ちはすっげえわかるよ。
高校のとき先生が言ってたのかな、
「ベストを選ぼうとするのではなくて、最悪を避ける選択をすること」が選挙のときは大事なんだって。
私はその気持ち一つで選挙行ってる。それでもよくわかんないけど。
よくわかってなくても、ちゃんと調べられてなくても。
捨てちゃダメなんだよね、投票権は。そう思ってる。
でもさその選挙っていつあんの。それは私たち決められないんだよね。
(※庶民を忙しくさせておくのは 権力者にとって色んな意味で都合がいいんだろうなとも思う 忙しいから政治状況について 候補者について調べる暇なんかない 暇にさせたら「運動」しはじめちゃうかもだし)
(※絶対聞きたくないコメントがあるので先に書いておきます☆
「そんなん言うならあんたが選挙に出て政治家になれば?」です♪)
(↓↓そろそろ 茶ぶどう の季節かな?↓↓)