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もうひとつのアメリカ: Yom Kippur

アメリカには様々な人種・宗教を背景に持つ多様国家である。宗教的に一番多いのがキリスト教徒。その他ではイスラム(モスリム)教とユダヤ教。各宗教ごとに信者は休日やイベントを過ごす。

今日はユダヤ教徒にとってもっとも静粛な祝日・Yom Kippur。日本語では「ヨムキプル」などと表記しているようだが、なんだかしっくり来ない。われわれ在米日本人はヨムキッパーと呼んでいるが、ユダヤ系の人は「ヨム・キプアァー」みたいに発音する。口を上下に狭くして横に広げる「-er」の発音でよろしく哀愁😅

ユダヤ教の祝日は何でも「日没から日没まで」でカウントする。ユダヤ暦なのでカレンダーでは毎年日付が変わる。今年は24日の日没から25日の日没まで。

アメリカのユダヤ教徒は2020年現在で約760万人で⒉4%となっている。今調べて「ええっ?そんなに少ないの?」と吹き出しそうになった。何せNY界隈はユダヤ系が多く、8人に1人はそうだから。

なので公立学校がユダヤ系のために休日になるのである。毎年9月から10月にかけてユダヤ休日が2日あり、一つがユダヤ暦の正月、次がこのヨムキッパーだ。

YKは贖罪の日と言われ「自分の犯した罪を許してもらう」ため神に祈る。そして前日日没から翌日没まで(正確には25時間らしい)断食・断飲でシナゴーグか自宅で祈りを捧げる。労働・化粧・セックスも御法度である。

人口的には少ないが基本的に家で過ごすことになっているので、昔はユダヤ系の子供は学校を休んでいたのだろう。米東部などユダヤ系が多い地域はやがて休校にしたのだろうと推測する。

友人にもユダヤ系が多いのできいたことがあるが、普段はいい加減なダラダラしているユダヤ教徒でも、YKだけは必ず決まりを守り断食するそうだ。

小さな子供は飲み物とか摂ってもいいようだ。キツイもんねー25時間断食って🥹

昔わが広島カープにいた助っ人外人のシェーンは優勝戦線の大事な9月に「宗教上の理由」で欠場した。「この大事な時に何をする?」とファンはやきもきしたが、あれはYKだったのだ。同様の理由で元ドジャースの大エースサンディー・コーファックスも(その年は10月だったので)ワールドシリーズを欠場した。

15年くらい前だったか、ドジャースの主砲ショーン・グリーンも試合を休んだ。「自分が休むことでユダヤ系の子供に『大事な日だから休まなくては』というメッセージを送りたかった」語った。

日本では馴染みのないYom Kippur。お近くにユダヤ教徒がいたら、そういう大事な日だから仕事も休ませてあげてほしい。

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