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隣りの家が改築中で思い出したこと#4

わが家の増築工事を競合の末勝ち取ったのは、ブラジル人コントラクターだった。コントラクターとはいわば現場監督責任者で、屋根・地下・水道・電気・一般大工などすべての職人を手配し、予算内に完成させる人。

そんな彼のことを私は親方と呼んでいた。

以前にも書いたが、ニューアーク市アイアンバウンド地区は昔ポルトガル・今ブラジル系移民の街で、そういうコミュニティが存在する。

よって親方が呼ぶ職人は全員ブラジル人。私は自宅勤務なので彼らの仕事ぶりを垣間見ていたが、直接職人に指示はせず、気になるところは親方に伝えていた。

そうは言いながら、彼らとは毎日顔を合わせるので話をすることもよくあった。

彼らの英語力は人によって差があり、英語で完全に意思疎通できる親方らをAランクとすると、カタコトだがまあまあ通じるのをB、まったく通じないのをCとする。

昼休みに持参した弁当を食べていたBランクの大工さん「マキハラくん」と仲良くなった。巨人のピッチャー槇原にそっくりだった。

マキハラくんは毎日肉や野菜のほかにミニ炊飯器を持参してお米を食べていた。「ブラジル人はお米を食べるのか?」ときくと「毎日」と言っていた。

以前紹介した「掃除くん」改め「タイルくん」は限りなくCに近いBランクの人で、世間話をするには向かない人だった😅

地下と3階バスルームをつくったときに「タイルのパターンはこうするように」と図面で親方に渡したのだが「タイルくん」は指示とは違う置き方で地下のバスルームを仕上げてしまった。

「申し訳ないが指示と違うのでやり直してくれ」と親方にお願いして直してもらった。

それから数日後、今度は3階のバスルームのタイル張りがあった。「今度はちゃんとやったかな?」と思い見に行こうとしたら、階段のところでばったりタイルくんに遭遇。

タイルくんはあわてて「今、奥さん、見せた。奥さん、タイル、オーケー言った」と私に言った。「またダメ出し喰らうとたまらん」と焦ったのだろう。

タイルくんが喋る英語をこのとき初めてきいた😄

タイルくん、一世一代の決死のプレゼンだった。

水道職人は知り合いのバーバラさんところの息子さんにクリソツだったので「バーバラの息子」と呼んでいた。

この「バーバラの息子さん」もけっこう曲者で、色々トラブルを引き起こした。最終的には丸く収まったが。

彼もマキハラくん、タイルくんに負けず劣らずわが家の有名人になった。

一度英語レベルCの大工さんが「*^%#<#}?」と私に話しかけてきた。どうやらポルトガル語で何か言いたかったようだ。

何が欲しそうにしていたのでマキハラくんか誰かに通訳をお願いして真意をきいてみると「水をください」だった。

いくらなんでも「Water」くらい言えるようになれよ😂

今の時代ならトラちゃんに強制送還されてしまうぞ。

隣りの工事を見て、そんなどうでも良いことを思い出し長々と綴ってしまった😃


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