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帰国してファミレスに来たらロボットくんが仕事していた

日本では当たり前の光景かもしれないが、在米30年近い人間からすると「おおお」なのだ。

ここのファミレスは、どこ系列かは言わないが(ていうかバレバレかもしれないが)、ロボットウエイター以外にもセルフレジなど徹底的に人員削減している。

こういうテクノロジーがアメリカにないわけではない。

実際に大学キャンパス内ではロボットウエイターならぬ「ロボットデリバリーくん(さん)」がウーバーイーツのように食べ物を配達している。これは試験的に行われており、近い将来街なかで実施される予定だ。

ではなぜ喫茶店やレストランでやらないのか?

理由はたぶん、ふたつ。

まず、サーバー(ウエイトレス/ウエイター)の仕事を守るため。アメリカはチップ社会で、彼らが稼ぐチップ代は平日でも一晩100ドル、週末なら200ドルにもなる。

店の時給は最低金額なのでチップがなければ生活できない。アメリカ人はチップに寛容で、最近では20%くらいみんな払う。

全員の食事代が50ドルなら10ドル、100ドルなら20ドルだ。こうやって考えると一晩100ドルどころではないな、今の時代。

もうひとつは客の個別注文に応えるため。

アメリカではどこでも「塩胡椒少なめ」とか「チーズ多め」とか「きゅうりに代わりにズッキーニを入れてもらえませんか?」とかカスタマイズできる。

XX多め/少なめなどは電子メニューで記入させればいいが、選択にない「コレとアレを交換してくれ」などは話のできる人間でないとできない。サーバーは「できるかどうかキッチンにきいてきます」と言ってできるものはする、できないものはできないと言う。

レストランの注文にはこういったヒューマンエレメントが大きく関わってくるので、単なるフードデリバリーのようにはいかない。

フードデリバリーでも希望を記入することはできるが、レスポンスに時間がかかるため期待値は低く、そういう人はあまりいないと思われる。

話を戻して上記のファミレスでは「最後にアンケートにご協力ください」というので、別に何の見返りも期待せず、協力した。

簡単な満足度調査なのだが「スタッフ・店員は笑顔で対応できていましたか?」という質問は答えようがなかった。

満席のため最初に名前を記入して待ったのだが、次の席を案内してくれる男性スタッフさんしか会ってないのだ。

しかもその人はマスクをしており「笑顔かどうか」はわからない。

席で食事している最中に数名スタッフが通り過ぎたが、同様にマスクをしていて笑顔確認はできなかった。

人員削減戦略のため誰にも会わず話もせず食べて会計して帰ったのだ。そういう状況を会社側がつくり出しておいて「スタッフは笑顔で対応しましたか」質問は不適切だろう。

というコメントを書いて指摘したかったのだが、それを記入する欄もなく私のアンケート記入作戦は未遂に終わった。

「より良いサービスのため」というのなら「こうした方がいいんじゃないですか?」と耳の痛い指摘でもしてあげた方が親切だと私は思う。

ロボットくん導入と同じくらい重要な問題だと思う。

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