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「極悪女王」怪物誕生の恐怖から演者含めて感情移入するラストバトル。

「極悪女王」。全5話視聴。
プロレス版ジョーカーの前評判通り、1話~3話にかけて家庭内不和、同期への羨望、逆らえない権力、、孤独、怒り、哀しみを得て誰も制御できない怪物が誕生する様を描き、残り2話は血と狂気の暴力の嵐。プロレスを語る上ではタブーなブックにも正面から切り込むのは流石NetFlix。

正直、クランクアップの報せを聴いた当時は「無事に終わって良かった」の一言だった。ダンプ松本役のゆりやんレトリィバァが負傷して中断してから結構な間が空いた事もあり完成できるのか心配だった。しかし蓋を開ければその豹変に驚く。テレビで見るゆりやんのほんわか口調がドスの効いた恫喝に代わる様はまさに恐怖。それでいてヒールとして生きる苦悩と孤独も表現。「凄ぇ」の一言。

絶対ベビー。クラッシュ・ギャルズの2人。
長与千種が唐田えりか、ライオネス飛鳥が剛力彩芽という配役も相当に攻めたというか。というのも今作の制作である鈴木おさむは今年、別作で不倫妻役に本当に不倫が発覚した○○○様を配役する掟破りをしたのと、2人とも○○と○○した、私は月に行かないなどあって、冷ややかに見てた人もいたかもしれない。

しかし、唐田えりかは初々しさを見せてからの大流血、髪切りマッチ(本当に剃っている!)までやってみせ、文字通り全てを懸けた戦いに勝った。
そして、剛力彩芽。思えば10年前。ゴリ押し女優と呼ばれて、実写化に出ると失敗だと呼ばれ、歌番組は放送事故と言われるわ、散々な言われようだった。しかも特に失言も醜聞も無かったのに。IPPONグランプリで小木が弄った時に微妙な雰囲気になった辺り腫れ物になってしまってる感すらあった。

それもあってリングで見せるチョップ、ドロップキックで舞う姿は勇ましく輝いていた。もう腫れ物ではない。そう言わんばかりに感情むき出しで戦う姿は「ロッキー」のシルベスター・スタローン、「レスラー」のミッキー・ロークに続き心を揺さぶられた。

ラストのダンプ引退試合。当時を生きたベビー、ヒールそれぞれのレスラーの愛憎と郷愁を、人気と共に苦悩を背負った演者3人が血を流して戦う。クライマックスは涙が止まらず。

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