下馬評低し予告公開「エクスペンダブルズ」新作を検証する。
「ゴジラ-1.0」がX(旧Twitter)のタイムラインを賑わす中、筆者は別の心配事を抱いていた。エクスペンダブルズの新作が評判イマイチらしいと。
来年1月に公開予定の「エクスペンダブルズ ニューブラッド」。
Rotten Tomatoesのトマトメーターが低いことは以前からだが、今回は特に酷い14%。まるでトマトまつり(スペイン)の翌朝に道端にへばりついた未回収の残骸のように腐りきった鮮度。アメリカ興行成績は1600万ドルで1億ドルかけられた製作費の10分の1も回収できずに終了。来年のラジー賞獲得も確実視されているとか。
実際、日本版の予告編を観た際に、私もいくつかの不安点を感じたので、それについて記しておきたいと思う。
そもそも「エクスペンダブルズ」シリーズの特徴は、往年のアクション俳優たちの豪華な共演だった。過去作では、予告編・ポスターに錚々たる大物たちの名前が1列に並び立っていた。しかし、最近公開された日本版の予告編では、「ジェイソン・ステイサム×シルベスター・スタローン」の2人しか紹介されていない。
スナイプス、バンデラス、リー、フォード、ウィリス、ノリス、シュワが消え、オールスター感の低下は否めず。9年の休止期間が予想以上に長引いたようです。なお2作目で死んだはずのジャン=クロード・ヴァン・ダムは得意の双子案を打診したそうだが、却下されたらしい。
したがって、日本でのヒットに向けた望みは、今度の大将ジェイソン・ステイサムに託されることになる。今年は3本の新作が公開され、日本でも最強のアクションスターとして年々存在感が増す彼氏の見せ場が逆転の鍵。
今回敵役に抜擢のイコ・ウワイスは代表作「ザ・レイド」で超絶ナイフ捌きを見せており、同じくナイフ使いのステイサム扮するリー・クリスマスとの戦闘は互いの長所を発揮し合えるバトルになりそうで期待したい。
日本の宣伝担当もステイサムをもうひと押しのプッシュをして「NEXTジェームズ・ボンドNo.1(当社調べ)」「最強ナマハゲ」とか往年の木曜洋画劇場の成分をマシマシにしたキャッチコピーでバズらせては如何かと。
そしてこれは言いたい。スタローン扮するバーニー・ロスが死ぬというのが、どうにも理解しがたい。スタローン本人は人間であるとしても、演じる役は死なないイメージがあるから。ロッキーやランボーも死んでない訳で。
あの前作の両津勘吉の如き大脱出を見る分には、このまま退場とは思えない。どうせ実は生きてて、終盤においしいとこ持ってくんでしょ?と考えているのだが。
このまま消耗され完結か。それとも
「出る前に負ける事考えるバカいるかよ」の猪木イズムでシリーズ存続への望みを繋ぐ事は出来るか。