「鉄拳2」。幼心に感じた霊と死の気配。
「#心に残ったゲーム」とは何か?
noteのお題にあったので考えて見る。スマブラ、マリオ64、ポケモン赤青。色々ある。ただ自分は格闘技が好きなので自然と格闘ゲームに目がいきがちで、特に「鉄拳」が好きだった。という訳で鉄拳から特に「鉄拳2」を取り上げたいと思う。
初めて手にしたのは「鉄拳3」だった。
当時異例の高画質ムービーにハイテンポの音楽、THE主人公の仁を筆頭に華やかなキャラ達の派手なモーション。いつしかやり込むようになっていた。それで放屁で攻撃するクマとゴン、腰抜けジジイの口臭攻撃(Dr.ボスコノビッチ)にアフロと、変なキャラに謎のビーチバレーモード。クリア後に見られるムービーは全員に用意され、基本CG制作の中、シャオユウは全編アニメの凝りよう(ヒロインとして売り出したかったのが見える)。木人に至っては全編実写で余りのシュールぶりに爆笑したのを思い出す。
当然、前作の「鉄拳2」にも興味が湧いた。
後日買ってもらったDISKを起動。映し出されたのは雨が降りしきる崖の下で吠えるデンジャラスジジイ、平八その人だった。賑やかとは真逆。異常だ。
なんでも後の主人公・仁の父にして元祖主人公の一八はこの父・平八に僅か5歳にして崖から落とされたとか。鬼畜とは正にこの事。「魁!男塾」でもこんな試練はない。それで前作で直接対決に勝利した息子・一八は自らの父親に同じことをした。それで崖から立ち上がろうとする父親が今作の主人公という。こんな極悪人が主人公なのか!?
アーケードモードを進める。一八の対戦画面が突然変わる。怖い。最終ステージに行くと目が赤くなっている。こんなの見せられたらトラウマだ。
で。最後は勝った平八が息子を火山に投げ落として笑みを浮かべて終わり。一八のエンドはデビルのビーム(!!)から身を挺して守った父親を盾にする、投げ飛ばす、最後はデビルを倒してほくそ笑む。人の心がないのか?
その後に聞かされるのがこの曲。綺麗な音色、どこかスピリチュアル的な神秘がある。決して派手な格ゲー向きの曲ではない。これも子供が聞けば恐怖だと思う。しかしながら、その世界観は幼い自分の中に深く残った。
霊的な曲に加えて、本作は話の中に死の影が存在してると思う。後に仁を出産、母となる準が屋久島の森の中で動物たちに囲まれる姿が天に召される暗示に見える。他にも、余りに悲しい最後ジャック2、突然の墜落プロトタイプ・ジャック、満身創痍でリングに上がるアーマー・キング。傍から見ればハートフルでも死が確定しているキング。皆、死の影を纏ったムービー。
3が2の19年後という設定で不参加だったキャラも多数いた。亡くなった人、消息不明の人、特に説明もなかった人が混在していたのも、より彼らの未来=死のにおいを幼心に感じたのかもしれない。
とは言え、隠しコマンドで顔が巨大化など遊びを忘れないのが良きところ。ニーナのムービーは犬猿の妹アンナと父親の墓の前で相対する場面で、恩讐を超えた爽やかさ。そして、人によってはアンナのムービーで××。一時停止できないのが弱点。失礼。
最新作「鉄拳8」。平八亡き今宵、闘いは一八と仁の新たな親子対決へ。そして死んだはずの準が何故ここにいるのか。そして、平八は本当に死んだのか。正直2度目の生きてましたオチを疑ってる。今月下旬発売。
「ジェヴォーダンの獣」リマスター版公開を控えるヴァンサン・カッセルも声優担当してるので映画ファンも注目。
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