第3回 ダイヤモンド富士
千代の富士はいまダイヤモンドになっている。もちろんあの、ウルフの呼び名で愛された昭和最後の大横綱のことだ。通算31回もの優勝を収め、「お相撲さん」らしくない筋肉質な身体と精悍な顔つきで人気を博した。2016年に千代の富士は亡くなり、家族は彼の遺骨をダイヤモンドに加工した。金剛力士像のようだった千代の富士は、いまや四粒のダイヤモンドになり、永遠の輝きをたたえていつまでも家族のそばにいる。
車で行きたい場所がある。ペーパードライバー講習を終えてもなお、いまだ行けずにいる。その場