見出し画像

07_「はじめの顧客」をどう創るか?というお話

▼今回のテーマを読んでほしい人
・独立開業や副業を始めようとしている人
・自分の商品・サービスの拡販をしていこうとしている人と組織
・顧客の開拓に悩んでいる人と組織



1.「購入」や「契約」の根底にあるもの

ビジネスや副業を始めるに当たり、顧客をどうやって獲得するかは、最初に考えなければいけない重要課題です。

特に事業開始時は、実績もない、集客の予算も潤沢にない。そんな「ないない尽くし」の中で、どのように自分の活動・事業・サービスのことを相手に知ってもらい、購入・契約に至ってもらうか。

ここは多くの方が苦労をする経験ではないかと思います。中には、そのイメージがまだ持てず、独立に一歩踏み出せないという方も多いのではないでしょうか。

現代は、SNSを始め、発信手段は劇的に増加しています。また資金調達もしやすくなりました。なので顧客開拓というテーマは、単純に「調達(資金力)と発信力の問題だ」と思われる方もいるかもしれません。

もちろんそれも大事です。しかしこのテーマに対する、最も大事な答えは、「信頼をつくるための行動を地道に行う」しかないと考えています。

「巧遅は拙速に如かず」を行動理念にしている方は、一見、抽象的で回り道的な行動だと違和感を感じる方もいると思います。
ただビジネスの原理原則は、「相手が欲しい価値を生みだし、価値を購入(お金と交換)してもらう」ことです。その前提に、相手の話に価値があるのかどうかを判断する土台。つまり「相手の話を聞こうという姿勢」が存在しなければ仕事は成り立ちません。

このような土台=信頼関係が存在しなければ、いくら発信を強化しても、そもそも話を聞きたいとは思いません。なのでこの信頼関係を創るというテーマにおいて、筆者も実践・実感したことを3点にまとめてシェアしてみます。

2.相互信頼関係を創る3つの視点

①「相手の体験を想像する」
②「ストーリーテラーになる」
③「誰でもいいからにしない」

①「相手の体験を想像する」


 身近な例として、SNS等で友人登録をした瞬間に、「お忙しいところ失礼します。当社のサービスは…(中略)…ご興味があれば説明のお時間をください」と営業DMを送られる方がいます。相手に悪気はなく、自分のこと(サービス)を知ってもらいたい、または一気に多くの人に送ってレスがあればOKという感覚なのかもしれません。商品・商材によっては有効なこともありますし、ダイレクトにアプローチする手法としては手取り早いのも確かです。

ただし「それをもし自分が受けとったら?」という視点を持つことが肝要です。そのサービス・商品が本当に魅力的なものであったとしても、その情報の届き方、体験はとても重要なのです。

何が言いたいかというと、はじめまして状態の時に、いきなり商品・サービスを案内されて、営業する時間をください。というメッセージを受け取ったときに、自分が喜んでレスを返すのか?と想像してみることが大事だと思います。

「営業DMを送るのは一切NG」という意味ではありませんが、まずは相手と言葉を交わすための土台を用意しようという思いがなければ、話は先に進みづらい(非効率)になるのは確実です。これはDM以外でも同じです。

まずは相手を理解していることをこちらが示すこと。
同じ土台に立って話そうとしていること。
DMを例にするならば
「あなたの●●という発信や■■の活動にとても共感している」
「●●という業界課題には私も取り組んでおり、お力になれると思う」
などの
具体的かつパーソナルな理解をしているメッセージが盛り込まれている。

これだけでも相手は自分を理解してくれる、自分と同じ目線をもっている方だと思ってくれやすくなりますので、反応はずいぶんと変わるかもしれません。

②「ストーリーテラーになる」


最初の打ち合わせの際に、資料をめくりながら自分のサービスや商品の説明から、つらつらと始めるパターンは多いと思います。
経験則から言いますが、効果的ではないことが多いです。

①と同じで、ここも相手の体験を想像する必要があります。
前提として相手の現在地を確認することが大切ですが、セールスシーンにおいて、お会いしてくださる方は、すでに自分でサービスを探されていたり、同種サービスの説明を受けてたりすることがほとんどです。逆に「ちょっと興味があるので聞いてみたい」くらいのライトな方もいます。

いずれにせよ、その人たちに対して、資料に書いている通りの内容を5分~10分と長々説明されたときの体験は想像してほしいのです。
一通り説明をして感触を尋ねてみても、相手のテンションは低いまま。
場がなんとも言えない微妙な空気感に包まれるという経験をしたことはないでしょうか。

これは筆者自身も、営業支援やアドバイスを求められる際にも強く言うことですが、相手が話を聞いて「これは面白そうだ」とか感じる体験をしてもらうために、はじめのピッチは「相手が登場するストーリーテラーであれ」ということです。

具体的には、以下のような流れで話すということです。

・なぜこのサービスを始めるに至ったのか(課題感)
・既存サービスは課題解決できているのか。なぜ自分なら解決できるのか。
・そのストーリーを達成すると、相手の世界がどう変化するのか。

これを1~2分で伝えられるように言語化し(大体500~600文字くらい)ておくという努力が必要です。

要は、人は自分に関連すること=自分にとってwinだと思えないと、お金を払うかどうかという土台に立ってもらえません。

もっと詳しいノウハウや組み立て方などは、ここでは書ききれないのでまた別の機会に譲りますが、人は、「自分が話の主人公もしくは登場人物だ」と認識すると、自動的に想像力を働かせてくれます。
これが非常に重要なのだということをお伝えしておきます。
なのでこの「ストーリーテラーであれ」という視点は是非もっていただきたいのです。

③「自分の価値を問い続ける」


最後はやや啓発的ですが、信頼を創るという点において、これは非常に重要です。特にクライアントワーク型の専門職や、コンサルティングなど知見提供型サービスは、一般的に相場が不明確なことが多いのです。
「まだ自分は駆け出しなのだから、単価を安くしないと契約してもらえない」という畏れがあるかもしれません。

初期の営業フェーズにおいて、ある程度のディスカウントは効果的かもしれませんが、契約に対して焦りの気持ちと「なんでもやります」という気持ちが先立ち、相手の言い値で必要以上に安いコミットをしてしまうといケースもあります。

「なんでもやります」というスタンスが前面にでると、相手にとっても、「その人の芯がどこにあるのか」はわからないことも多くなります。「こちらの都合に合わせて動いてくれる人」という期待値が出来上がってしまいます。

はじめはいいかもしれませんが、結果的にその期待が損なわれた瞬間に、齟齬が生まれ、いざこざが起き、信頼関係が崩れてしまいやすいのです。

自分は何者で、何を価値として提供するのか。それを担保するためには譲れない点、条件(期間や価格)などのラインはどこなのか

これを言語化し、しっかりと伝えること。
これは今の所属や立場が関係なく、全ビジネスマンが持つべきポイントだと思いますし、常に立ち戻ることが重要です。
そして相手との長期的信頼を作るためにも、自信をもってしっかり伝える必要があります。

自分の能力をそんな強く伝えるのは難しいよ・・・という人は、自己の能力ではなく、自分のまわりのこと。つまり自分が果たしたい目的や、一緒に協力し動いてくれる人、自分に期待してくれている人に対してのコミットを持ってみて下さい。
きっと自信をもって伝えることができると思います。

3.あとは、「行動」の積み重ねしかない


ここまで、新規顧客開拓の際のスタンスや手法論的なことを書きましたが、これを踏まえたうえで一番大事なことは、「行動」しかない。
つまり行動総量を増やし、早く早く繰り返す
ということです。

結局「根性論じゃないか」と言われるかもしれませんが、
先のDMのように、やみくもにアプローチをしまくりましょう!という意味ではなく、戦略的な視点をもって、毎日の行動量を定めて、必ず実行をしていくという意味合いです。

「いつまでになにをどれくらい」にしないといけないか、という具体的なピクチャーを描いたうえで、それを得るために1日や1週間の行動量に落とす。それを着実に積み重ねていくということが大切です。

なのでこのテーマをまとめると、「相手との信頼関係を築くことを念頭に、言語化と伝えることを丹念に行って、その行動をしまくる」ということになります。

これからビジネスをしようという人も、ビジネスをまさに進めていかんという人にとっても、一部でもご参考になるところがあれば幸いです。


★まわりに相談相手がいない。という社長の無料経営相談に乗ります。
 ご相談はこちらからお気軽にどうぞ。(※TimeRexに飛びます)

Linkedin始めました。(つながり歓迎です!)

アドバイザーのサブスク。『シェルパ』始めました。
より多くの社長を支援したいという想いはあれど、
個人では時間や専門性に限界があるので、
様々な分野の専門家とタッグを組み、
多岐に渡る課題解決やアドバイス支援を行っています。
ご興味があれば、是非ご相談ください。