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ikepon_ikd
お家を探そう!(3)【ナツキの視点】
初めての内覧を終え、メイと話し合いました。
大きさ、広さ、申し分なし。
大家さんもいい人。
希望予算よりは、やや高く、通勤が今よりかなり時間を要することになるのですが、二人とも気に入ったので、早速交渉に入ろうと意見が一致しました。
交渉にあたって、僕たちにとって大切な項目がありました。
実は、
メイの子供が「猫を飼いたい」という希望を伝えてきていたのです。
街のマンションでは飼えなかったので、引っ越すならぜひともと。
メイとともに僕のいる山裾の田舎に来てもらうことになるのです。
ならば、是が非でも、その夢をかなえてやりたいことです。
そして、
実は、それは僕にとってもささやかな夢でもあったのです。
僕も猫が大好きでした。
実家では飼うことが、親の反対で叶いませんでした。
だから、今の店では、裏口で野良猫に餌付けしていました。
すごくなつくわけではありませんが、それでも餌をねだり、食べるさまを見るのは、とても癒される光景でした。
でも、大抵の貸家では、ペットはNGです。
ここも御多分にもれず、ダメという表記がされていました。
ダメもとで交渉してみよう。
そう思ってメールをその夜にすぐ打ちました。
しかし・・・。
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