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ロシアとは何か

昨年は、平安時代と、中央アジアに興味を持った年だった。たまたま手に取った武田百合子さんの「犬が星見た」という旅行記がきっかけ。(前者はもちろん「光る君へ」の影響)

この本、ユーラシア大陸を2分する大国、ロシア、中国について歴史からの解釈を記している。そこには歴史上いずれの国もモンゴル帝国による支配を受け、その後、社会主義体制になっている。そして今、領地拡大に力を入れているところと、とてもよく似ている。

「サラミ戦術」というのが出てくる。どんなに無茶なことでも、すぐに100%はできなくても、1回で1%でも残れば、それを100回行えば達成できるというやり方。こうして相手の「領土、権益、主張」などを取ってゆく。武力戦略のように派手ではないが、少しずつじわじわと侵蝕されるという意味ではタチが悪いが、ニュースを見るとあちらこちらでやられていることに気がつく。こうしたやり方を日本はできないし、やれない。

こうしてみていると、学校で教わることはヨーロッパ・アメリカ視点なんだなと思う。歴史は勝者が作るとはよく言われることだし、明治時代の開国、西欧列強に飲み込まれないために、追いつき追い越せと頑張った、そのお手本にしたイギリス・フランス・ドイツという国の影響は色濃く残っているのも当然。また、戦後のアメリカの影響ももちろん大きい。
が、歴史を見るとき勝者側の視点だけで解釈するのはおかしいこと。何が正しいのかも今の価値観と自分の立場で変わってしまうが、何が起きたのかを事実として並べることが歴史であり、ここに政治的主張が入るが故に話が拗れてしまう。「歴史に学べ」という言葉もあるが、こうしたバイアスを除いたものを使わなければ、役に立たないことを覚えておく必要があると思う。

以前読んだ本では、ロシア人について「度を超えた親切心」とあったが、国としてみると違った印象となるのは一人一人では出てこないが、国という塊が持つ歴史という潜在意識がなせる技なのかもしれない。

#読書 #ロシア #モンゴル帝国 #歴史

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らんさぶ
街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな