見出し画像

ロシア日記

以前読んだ高山なおみさんのウズベキスタン日記とセットの本。
「犬が星見た」に憧れて同じ旅路を辿る旅について書かれた旅行記。
バディーは同じく川原真由美さん。

日本は境港から一度韓国にわたり、さらにウラジオストクまで船でゆく。そこにシベリア鉄道の始発駅があるから。
シベリア鉄道を使った旅行記をいくつか読んでいるが、これまで読んだ旅行記の中で一番近代的で綺麗なシベリア鉄道車両が出てきた。今回のように車輛がきれいで、親切な車掌さんが出てくるのはなかなかなかった(たまたま?)。「犬が星見た」は時代が昭和なので、それに比べたら国の体制も大きく変わり利用者も変わったから、そのあたりも変化しているのかも。ただ、車窓から見える景色や車両の雰囲気の描写は変わらないところが面白い。

「ウズベキスタン日記」でも「犬が星見た」でも必ず体調を崩している人が出てくる。今回も、風邪でダウンしているのが数日。水の問題なのか、気温差など急激な変化に体が対応できずにいるのか、せっかくの旅行なのにそれはつらいな、とつい思ってしまうが、こうしたところへ長旅をする人は、そういうことも含めて旅だと思っているのかも。

高山さんが料理研究家ということもあって、行く先々での食事について書かれているのは「ウズベキスタン日記」と共通するところ。で、でてくるサラダが、きゅうり、トマト、玉ねぎのスライスなのもお約束。スープには赤い輪が浮かんでいるという記述も共通してでてくるが、これって油?。
ホテルの食事だけでなく、一般家庭をたずね、家庭料理を作るところから見学、味わっている。こうしたシーンは国が変わっても、和やかで、お二人が心からリラックスされているのがわかる。

先に「犬が星見た」を読んでいたので、百合子さんの泊まったツェントラリナヤホテルの226号の扉を開くところは、読者からすると既視感があってぐっときた。先に読んでおいてよかった。

街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな