相手に妻子がいて、どう感じたか?
実際に過ごした時間は数日間。
お互い、全く接点のない人生を歩み始めてから10年。
まだ、どうしてこのタイミングで、かは分かったようで分からないが、彼が自分の魂の片割れだと気づいてしまった話。
以前にも書いたが、もう何とも思っていなかった「過去の人」が、今、最も「気になる人」に大浮上した経緯。
お互いに色々な国を転々とし、決して同じ「点」で重なることがなかった私たち。
しかし、10年前から音信不通の相手は、巡りに巡って、今は私の住む場所から1時間半、距離にしてたったの140キロの場所に住んでいることが分かった。
それが分かったきっかけは、それまでしてこなかった、「ネット検索」をしたから。
情報が芋づる式に出てきて、ネットには具体的な住所や電話番号、今のメールアドレスまで載っていた。
そして、彼の作ったサイトの自己紹介文には、「妻と子どもと住んでいる」と書いてあったのだ。
さて、その1文を読んで、私がどう思ったか。
・・・全くなにも思わなかった。
確かに、10年間、全く接点のない相手だったし、具体的な彼の顔や声を思い出そうとしても難しい、位の記憶しか私にはない。
過去に少し、ほんの少しだけ人生の数日間が重なっただけの相手で(本当はもっと深くて広大な関係性だったのだけれど、私はつい最近まで気づかなかった)、その相手が、結婚していようと、子どもがいようと、私はショックを受けない。
でも、少しビックリはした。
それまで、数年間に渡って、定住所を持たずに、場所を変えながら、生きてきた彼。
おそらくそう出来る器用さがあるから、定職にはつかず、職場を変えつつも、生活出来ていた。
極端なまでに自分を大切にし、家族に憧れは抱いていつつも、いつも孤独そうだった彼。
その彼がようやく腰を落ち着けたのか!
という驚き。
奥さんとは一体どこで出会い、
どういう経緯で今の街にたどり着いて、
子どもは何歳で、
どうしてキャリアチェンジをしたのか(サイトを見る限り、彼はシェフを本業にはしていなかった)、
色々と聞いてみたいことがたくさんある。
彼が結婚して、子どもがいる、と知って、ちょっとホッとした自分もいた。
私と対等だ、と。
逆に、私が今でも独身で、子どもがいなかったら、
その場合には、物凄くショックを受けていたかもしれないが。
人の親になって、変わる部分というのが少なからず人にはあると思う。
あれだけ家族に憧れていた彼だから、子どもを持ったことで、心の闇も薄くなっているといいな、と思った。
彼ともしもまた会うことがあったら、そのとき自分はどう思うのか、どう感じるのか、は今は全く分からない。
そして、私がどうしたいのかも、今は分からない。
分からないので、今は、そのときが来るまで、「分からない」という状況を楽しもう、そう思うのだった。