価値を生み出すのは「需要」と「供給」と「信用」

特別感を作るためのコントロール

ブランディングとは?という問いに対して、世の中には様々な解答がありますが、その中の一つに“価値があるように見せること”というものがあったりします。実際に一流と言われるビジネスマンが言っていた言葉です。で、こういう言葉をそのまま鵜呑みにしてしまうとブランディングはやれホームページをキレイにすることだ、やれロゴを新しくすることだ、やれパンフレットをオシャレにすることだ、などと表面上だけの捉えられ方をしてしまいがちです。でも実際はこの“価値があるように見せる”は、そんな単純なものではなくて、そこにはしっかりとしたブランド戦略があってのものだと思います。その戦略のひとつとして「供給」をコントロールして特別感を出す、つまり希少価値を高めるというのが考えられるかなと思います。例えば、我が地元福井県には、福井が誇る特産品として『越前かに』というのがあります。この『越前かに』、実は食べられる時期というのが決まっていて11月6日のカニ漁解禁から3月20日(だったかな?)の終漁までで、その時期にしか手に入らない、食べられないという「供給」のコントロールでその価値を高めています。さらには『越前かに極』なる、より入手困難な最上位ブランドまで作り特別感を生み出しています。

力を入れるのは認知獲得

ただ、この「供給」のコントロールで価値を生み出すには、いくつかの条件があります。その一つに、当たり前ですが「需要」が大きく「供給」を超えていること。そのために必要なものは絶対的な「認知」です。で、この「認知」はさらに「需要」を大きく超えていなくちゃいけません。
『越前かに』も圧倒的なネームバリューがあるからこそ、希少価値を作ることが出来ています。
このことからも、ブランディングで最も重要なフェーズはやはり認知獲得であると言えます。ついついファンづくりに先走ってしまいがちですが、こことはちゃんと向き合わないといけないんです。

大前提として、そのクオリティが「信用」に値するかどうか

そしてもう一つの条件、大前提となりますが、そのブランド(企業なのか商品なのかサービスなのか作品なのか)のクオリティは確かなのか?というところですよね。そこが信用に値しなければ希少価値とか言ってる場合じゃない。『越前かに』もめちゃくちゃ美味しいっていう「信用」があるから初めて価値が生まれる。ちなみに私、かにが食べれないんですが笑、それでも『越前かに』が美味しいっていうのは分かります。
ブランディングはあくまで経営の手法です。ニセモノをホンモノに見せてしまう魔法なんかではありません。ホンモノの価値をどれだけ最大化させることが出来るか、です。
ですので、価値があるように見せるとか希少価値がなんたらとか言ってきましたが、まずここ、ここの「信用」を担保できるものかどうかはしっかりと見定めていかなきゃいけないと思います。そしてその上で初めて、ブランディングという手法が使えるということを知っておいてください。
はい、自分にも言い聞かせております。

というわけで今日は、価値を生み出すのは「需要」と「供給」と「信用」。というお話でした。

ブランド・プランナー 採用ブランディング認定ディレクター 下野

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?