読書感想文#1 フーガはユーガ

久しぶりに読書をしたので読書感想文を書こうと思います。

今回読んだ本はこちらになります。

買ったのはだいぶ昔で、ずっと積読をしてしまっていました。

そうなってしまった理由としては、自分の時間管理の未熟さや、
何がしたいのかもわからずに行動してしまったことが挙げられると思っています。

できるだけネタバレにはならないように書きたいと思います。


伊坂幸太郎さんの本は複数視点から物語が始めるため、状況把握能力が高くないと理解しにくいのではないかと思っています。
(小さい頃から伊坂さんの本を読んでいたことが、状況判断能力の向上に寄与しているのではないかとも思っています。)

今回はその中でも特に話者と主観が同一であったのでさらに状況を飲み込むのが大変でした。
「今はどっちで喋ってるんだろう」
と迷子になることが多かったと思います。

また、伊坂作品の真骨頂は最後に全部が繋がる爽快感でもあると感じています。
もちろん今回の作品も様々な箇所に隠されたパーツを集め、最後に集合体となることがありましたが、少しインパクトにかけていたな、とも思います。
(一気読みして集中力が欠けていたことがあるのかもしれませんが)

そう感じてしまった背景として、現実世界の進んだ時間がこれまでの作品の中で一番と言っても過言でないくらい短かったこと、そして話者の視点移動が少なかったことが挙げられると思います。
そのせいで、最後のクライマックスに至るまでの物語の壮大さや、興奮度合いがいつもより感じられなかったのかなと思っています。

そういう意味では、

「不思議で、切ない。」

というキャッチコピーはまさに的確でそういう感情に至ることを求めた文章であれば正しくその通りであるといった感想です。


ただ、グラスホッパーや、マリアビートルなどのぶっとんだインパクトが好きな僕にとっては少し物足りない読了感となりました。


最後に、本を読み終わった後に、
「これだけの時間を読書に使用してしまった」
という後悔のような、悲しいような感情にもなってしまいました。

原因としては、現在の自分が置かれている状況と、その中で自分がしなければならないと感じてしまっている行為の中から読書という行為が逸脱してしまっていたことが考えられます。

これを避けるためには、
「自分がどんな状況、環境にいることができたら幸福を感じること」ができ、
「そのためには何をどれくらいしなければならないのか」を明確にしておく必要があるのかもしれません。

そういった点では、例えば、
「現在は就活生という状況に置かれており、日系大手で給料の良い企業に行くことが幸せなのだから、そのための対策に時間を使うべき」
という固定概念へのこだわりをなくせていないことが後悔や悲しさにつながってしまっているのかもしれません。


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