見出し画像

さらなるプロダクト改善のため、ユーザーの声に向き合い、役割を超えて協働する。TVerテクニカルディレクターの仕事/プロダクトディレクションタスク対談

サービスの大規模リニューアルやバックエンドシステムの内製化など、TVerの進化に伴い、株式会社TVer社内の開発組織も急激に拡大してきました。

2023年10月には、開発組織がサービス事業本部から独立し、サービスプロダクト本部として新設されました。今回は、サービスの様々な機能の開発から実装までをリードするプロダクトディレクションタスクにフォーカスします。

ディレクターを務める田部(たなべ)と岡田に、TVerにおけるディレクターの仕事について詳しく聞きました。

■プロフィール
サービスプロダクト本部 プロダクトディレクションタスク タスクマネージャー:田部 哲平(写真左)
2011年、株式会社テレビ朝日へ入社。営業放送システムの構築・運用に携わった後、AbemaTVのAbemaNewsへ出向して「ABEMA」の立ち上げに従事。帰任後は番組制作の技術統括を経て、2020年よりTVerへ出向。現在はディレクションチームの統括を行う。

サービスプロダクト本部 プロダクトディレクションタスク:岡田 銀平(写真右)
新卒入社した携帯通信会社にて個人向けサービスの企画・ディレクション職に従事した後、損害保険会社を経て、2022年にディレクターとしてTVerへ中途入社。SD/WebアプリおよびVODの開発ディレクションに従事。


ディレクターは、TVerをより便利で楽しめるサービスへと進化させるためのリード役

——TVerへ入社するまでの経歴を教えてください。

田部:私は2011年に新卒でテレビ朝日に入社し、技術局にて局内の基幹システムの構築・運用を担当してきました。

その後、2015年にテレビ朝日とサイバーエージェントが共同出資して設立されたAbemaTVのAbemaNewsへと出向し、3年間ほど動画配信サービス「ABEMA」の立ち上げに携わります。

帰任してからは、番組の制作現場でカメラや音声などの技術統括を行うテクニカルマネージャーを務めていました。

これまで一貫して、コンテンツを放送・配信するためのシステム開発や設備構築など、裏方的な役割を担ってきました。2020年にTVerへ出向となり、現在はプロダクトディレクションタスクのタスクマネージャーを務めています。

岡田:私が新卒で入社したのは、大手携帯通信会社です。主にtoCサービスの企画に携わり、スマートフォン向けの動画配信サービスの立ち上げも経験しました。その頃から、開発の要件定義やディレクションにも携わるようになったんです。

その後転職した損害保険会社では、全社のDX推進を手がける仕事を経験しています。しかし次第に「自分は、ユーザーから直接フィードバックをもらえるtoCサービスの方が向いているかもしれない」と思うようになりました。

過去の経験から、とくにやりがいを感じていた動画配信サービスのプロダクト開発に携わりたいと考え、転職エージェント経由で紹介してもらったTVerへ入社したのが2022年11月です。

現在は、iOS/AndroidアプリとWebサイトのディレクションを担当しています。

——お二人が所属するプロダクトディレクションタスクは、どのような役割を担っているのでしょうか?

田部:ユーザーの皆さまにとってより利便性の高い機能を開発するため、要求定義・要件定義から実装までを、あらゆる関係者を巻き込みながらリードしていくことが、プロダクトディレクションタスクに求められるミッションです。

TVerというプロダクトのコンセプト策定や中長期のロードマップは、同じサービスプロダクト本部内のプロダクトマネジメントタスクが描いています。私たちディレクターは、それらの戦略をプロダクトに落とし込み、具現化する役割を担っているんです。

機能を実装する上で必要な開発作業で、エンジニアと一緒に手を動かしていく場面も少なくありません。

2023年10月より、これまで全社横断の形で機能していた開発組織が本部として独立しました。これはTVerとして、より技術に力を入れていく意志のあらわれでもあると思います。もちろん今までと変わらず、コンテンツ編成・運用、マーケティングなどビジネスサイドとの連携も大切にしながら開発を進めています。

「すべてはユーザーのため」他タスクと密に連携しながら、ベストな機能を考え抜く

——ディレクターの仕事は、その定義や業務範囲が企業によって様々だと思います。TVerのディレクターならではの特徴について、どのように感じていますか?

岡田:先ほど田部さんがお話ししたように、エンジニアメンバーとも密接に連携するので、他の企業に比べてより技術的な知見は求められるかもしれません。

かつ、機能の設計から実装までのスパンが短いのも大きな特徴です。そのため「いかにスピードを最大化するか」の視点でディレクションしていく必要があります。

田部:通常の機能開発において、PdM(プロダクトマネージャー)が策定した戦略や計画のもと、スケジュール通りに実行していくのがディレクターの重要な役割だと思います。

ですが、TVerではそれ以上の役割や業務範囲にも染み出しながら進めていくのが特徴的ですね。そのため、他のタスクメンバーとの対話やすり合わせは欠かせません。

岡田:たしかに、ディレクターとしての守備範囲が広いというのは、TVerならではですよね。最初に所属していた会社はいわゆる大企業だったので、開発においても各役割の業務分担がはっきりとしていました。

一方TVerでは、一人ひとりの役割が良い意味であいまいだと言えます。他の企業では関われない領域まで携われるチャンスが多い点は、やりがいにもつながっているんです。

田部:これはディレクターの特徴というよりもTVerの開発部門全体に感じることですが、機能開発にあたって全員が「ユーザーの声」を非常に重要視しています。

どのような機能をリリースするべきか、タスクを超えて一緒に考え抜くのが“当たり前”の環境なんですよね。

——ユーザーの声を、実際どのように機能開発へと落とし込んでいくのでしょうか。

田部:とくに印象に残っているのが、2022年4月のリニューアル後に行った検索機能の改善です。

地上波放送では、チャンネルを回しておもしろそうな番組がないか探す“ザッピング”も、テレビを視聴する上での楽しみ方のひとつだと思います。

TVerでもそのようなザッピングの体験を楽しんでもらいたくて、検索キーワードからいろいろな番組がサジェストされるように仕様を変更したことがありました。しかし、ユーザーからは「見たい番組を探しにくい」との声が上がってしまって……。

TVerのユーザーは、見たい番組をめがけてアクセスする行動パターンが多く、その特性とうまくマッチしない仕様となっていたんです。リリースしたばかりでしたが、本部内で話し合い「やはりユーザーの声に立ち返ろう」と、検索機能の改善に踏み切りました。

岡田:ユーザーの声は、常に意識して拾っています。アプリストア上のレビューはもちろんすべて読み込みますし、ユーザーインタビューを設定してリアルな声を聞く機会も増やしました。ディレクターの私たちも必ず参加しています。

中にはすぐに解決できない要望ももちろんあって「アレはいつになったら対応するんだ」という思いのユーザーがいるのも承知しています。TVerに愛着があるからこその声だと思っているので、そこに応えられるよう日々推進しています。

ユーザーに向き合うことと、ディレクターの職務に留まらず幅広い業務範囲に染み出していくことは、自然とつながっているんです。

——機能開発にあたって、ユーザーだけでなく、放送局や広告会社などのステークホルダーから要望が上がる場面もあると思います。その場合は、どのようにしてディレクションを進めていきますか?

田部:放送局や広告会社の方々から要望を受けることはもちろんありますが、基本的には社内で課題を抽出し、開発の意思決定を行うことが多いですね。

岡田:他業種から入社して感じたのは、TVer社内に放送局や広告会社出身の人も多いゆえ、様々な立場の視点を交えて議論する土壌が自然と作られているということです。

だからこそ、あらゆるステークホルダーの方に満足いただける意思決定ができているのではないでしょうか。

それとTVerに来てから、調整仕事や進捗共有のための会議が少ないことに驚きました。純粋に「TVerをさらに良くするために何をするべきか」を議論する時間に重きが置かれているんです。

もちろん最低限の事務手続きなどは発生しますが、よりユーザーにまっすぐ向き合えるのがTVerの開発環境の良さだと感じます。

田部:結局「ユーザーのため」を突き詰めることが、全員にとって良い影響をもたらすんですよね。TVerがプロダクトとしてどんどん改善されてユーザーが増えれば、コンテンツの視聴回数も増え、結果的に放送局や広告会社にも貢献できる。そのようなサイクルを循環させたいと常に意識しています。

ユーザーの声を身近に感じられるプロダクトの開発に携わる醍醐味

——お二人が今の仕事に感じるおもしろさについて教えてください。

田部:なんといっても、日本で有数の大規模プロダクトの開発に携われる点です。プロダクトをアップデートするたびに、ユーザーの方々からの反応をすぐにいただけます。その声に向き合いながら、プロダクトのさらなる改善に挑戦し続けられるのが楽しいですね。

岡田:家族からも、いちユーザーとしての声を毎日のように聞かせてもらっています(笑)。こういった点も、ユーザーを多く抱えるプロダクトならではのおもしろさですよね。嬉しい声から耳の痛い意見まで様々ですが、やはり反応がもらえるのはありがたいことです。

加えて、ディレクターとして、開発メンバーの一人として挑戦と成長の機会が多くある点も大きな魅力です。

TVerは2015年に提供を開始し、サービスの歴史が長くなってきました。これまではコンテンツが持つ魅力が起点となって成長してきましたが、アプリのユーザー体験についてはまだまだ改善点も多くあります。

つまり、プロダクトとしてのTVerは、まさに成長期の真っただ中なんです。ディレクターとしてできることが山ほどあり、手を挙げれば自ら課題解決に取り組める。挑戦する機会に恵まれた環境だと思います。

——最後に、TVerに興味を持っている候補者の方にメッセージをお願いします!

岡田:TVerは他の動画配信サービスと異なり、配信するコンテンツの作り手、つまり放送局各社が非常に近い距離にいる点に特異性があるプロダクトです。作り手の顔が見えることで、プロダクトに対してより愛着も生まれるように思います。

多様な立場のステークホルダーの思いを汲みながら開発できるので、そのような点に楽しさを感じる人にはぴったりの仕事ではないでしょうか。

入社後は、年次や役割を問わずに「TVerでこんなことがやりたい!」と具体的な提案も大歓迎です。ぜひカジュアル面談や選考の場でも、思いを聞かせていただければ嬉しいです。

田部:「テレビコンテンツが大好き!」という人にぜひ来てもらいたいと考えています。私たちがこのプロダクトを開発している理由は、やはり「良いコンテンツをユーザーに届けたい」からなんです。

TVerというプロダクトの存在意義を理解して、自分ごととして開発に携われる人と一緒に仕事ができると嬉しいですね。「もっとこうしたい」と、新たな届け方や楽しみ方を提案してくださる方を待っています!


株式会社TVerでは、一緒に働く仲間を募集しています。興味のある方は、こちらからエントリーください。

TVer Tech Blogもぜひご覧ください。

取材協力:CASTER BIZ recruiting