【日本経済新聞社とTVerのエンジニア採用担当対談】歴史ある産業の変革を実現するため、エンジニアが活躍できる組織を目指して 〜
日本でテレビ放送が始まったのは、1953年と実に70年も前のこと。歴史ある産業のあり方や仕組みを現代に合わせてアップデートさせるためには、今やテクノロジーの力が欠かせません。
そして日本において、テレビのように時代に合わせて変化を遂げてきたメディアと言えば、新聞が挙げられます。今回は、1876年(明治9年)創刊という歴史を誇る「株式会社日本経済新聞社」様(以下、日経)と、株式会社TVer採用担当の対談が実現。
両社にエンジニア組織があることをご存知ない方も、まだまだ多いかもしれません。そこで本記事では、日経でエンジニアとエンジニア採用担当を兼務する西馬さんをお迎えして、両社の組織文化や採用プロセスの紹介を交えつつ、エンジニア採用の取り組みについて語りました。
■プロフィール
株式会社日本経済新聞社 CDIO室/採用担当:西馬 一郎さん(写真右)
2002年日経に入社。エンジニアとしてオンラインメディア日経電子版の立ち上げに携わり、インフラ構築を担当。現在は、自社エンジニア採用を担当しながら、日経電子版のクラウドセキュリティ担当も兼務。社内外への積極的な発信・交流を通じて、組織の強化に努めている。
株式会社TVer 人財戦略本部 人財戦略タスク タスクマネージャー補佐/採用・採用広報・ 組織開発担当:香坂 遼志(写真左)
インターネット企業数社でエンジニア採用リクルーターを経験し、その後フリーランスとして外資系メディア企業等の採用活動の立ち上げ、採用担当の育成などを支援。2022年より、TVerへ参画。TVerの採用組織や採用広報の立ち上げ、各種採用インフラの整備・構築に従事し、現在はエンジニア採用担当に加え、採用チームのマネジメントや組織開発を担当。
大規模サービス「日経電子版」と「TVer」それぞれを支える、両社のエンジニア組織の特徴とは?
——お二人は、どのような業務や役割を担当されているのでしょうか?
西馬:私はエンジニアとして、自社が提供するデジタルサービス「日経電子版」を始めとしたクラウド基盤のセキュリティに携わりつつ、メインでエンジニア採用を担当しています。
日経電子版は2010年の創刊後、開発体制を強化するためエンジニア組織の規模を拡大してきました。私はその中で、勉強のために社外のイベントやコミュニティに参加するようになり、自社の取り組みについて発信してきた経緯があります。
2019年からは、エンジニア組織と採用チームが一体となって採用活動を行う体制となりました。私が採用チームの一員となって、橋渡し役のような形で取り組みを進めています。
香坂:私は2022年に、採用担当としてTVerへ参画しました。当時は、バックエンドシステムを内製化して社内にエンジニア組織が誕生したばかりの時期。
自社専任の採用担当者がおらず、CTOや現場エンジニア自らが採用担当として、ソーシングや候補者の方へのスカウトメッセージの送付や、面談の日程調整等を行っている状況でした。
組織の拡大に伴い、私が採用活動の専任担当として採用オペレーション全体の設計・構築から巻き取る形で進めていき、現在に至ります。
——自社の開発組織について、それぞれ紹介をお願いします。
西馬:日経の開発部門には、エンジニア、データサイエンティスト、デザイナーなど、様々なメンバーが在籍しています。
日経電子版は、月間2億3,700万回を超えるアプリ閲覧数(2023年1~3月度実績)のプロダクトで、価値ある情報を届けることが使命です。エンジニアは、その社会的意義の大きさや、大規模サービスの開発・運用に携われることがモチベーションになっている人が多いのではないでしょうか。
また、プロダクトに膨大な記事データやユーザー情報、行動履歴が蓄積されているため、データ分析の領域でも非常に挑戦しがいのある環境が用意されていることが特徴です。
香坂:TVerには、開発組織が2つ存在します。1つはサービスプロダクト本部です。ここは、月間3億9,000万回を超える再生数(2023年8月実績)のサービスで、大規模かつ高負荷なサービス「TVer」を支える開発本部です。
サービスプロダクト本部の中には、以下5つのタスク(部門)が存在しており、積極的な採用活動を行っています。
もう1つが、広告事業本部 広告ソリューションタスクです。ここは、広告配信の開発を担当するアドテクノロジーエンジニアが在籍しており、主に「TVer」で配信される広告プロダクト「TVer広告」の配信システム・広告周辺領域のシステムを開発・保守を担当しています。
TVerではサービスに少しでも不具合が発生すると、ユーザーだけでなく放送局各社など非常に多くのステークホルダーへ影響が及んでしまいます。プレッシャーや社会的なインパクトが大きい反面、その責任感をやりがいに感じてくれている人が多い印象です。
また「いちユーザーとしてもTVerが好き」という気持ちを原動力に、日々の開発・運用に向き合っていると感じます。
選考中の「候補者体験」と入社後の「従業員体験」どちらの向上も欠かせない
——両社のエンジニア採用の取り組みについて、まずは日経さんから詳しくお聞きしていきたいと思います。
西馬:日経の採用活動では「候補者体験」と「従業員体験」、2つのエンゲージメント向上に関わる採用ファネルを強く意識しています。
私たち採用担当は、認知獲得〜入社決定までのプロセスについ目が向きがちです。しかし、入社に至っただけでは「採用の成功」とは言えません。
入社後、会社に定着して活躍してもらうための施策として、オンボーディングの強化や成長できる環境づくりなども合わせて進めていくことが重要だと考えています。
スクラム採用の体制を本格化した2019年当時、まず取り組んだのは「選考フローの見直し」と「候補者体験の向上」です。
カジュアル面談や一次面接にリーダークラスのエンジニアが参加し、参加者・候補者の方と対話する機会を増やしたほか、カジュアル面談の前後でアンケートを実施。アンケートでは「参加者の方が自身のことをよく話せたか」について聞く項目を設けました。
なぜかというと、自社の事業説明や魅力を一方的に伝えるのではなく、参加者の方が本当に知りたい情報を提供できているかが大切だと考えたからです。
最初の接点となるカジュアル面談の満足度を高め、その後の選考プロセスの改善にもつなげるため、現在も候補者の方の声を聞きながら採用活動を行っています。
そして選考のフローが整ってきたところで、次に課題だと感じたのが、日経のエンジニア組織に対する認知度の低さでした。
そこで、開発チームのエンジニアも巻き込みながら、イベント登壇やブログ発信などの技術広報にも力を入れるようになったんです。
並行して、入社後の「従業員体験の向上」を実現するための取り組みも始めました。
——具体的に、どのようなことを行ったのでしょうか?
西馬:とくに力を入れたのは、新入社員が早期から活躍できるように支援する「オンボーディング」の強化です。スムーズな事業理解を目的とした社内の各部署や施設の見学会、新聞社で使う業界特有の用語の説明会などを実施しています。
また、エンジニアの成長につながる社内の制度や、社員が自主的に企画した社内勉強会・交流会などの取り組みについても、定期的に共有しています。
日々業務を行う中で、こういった情報を自分から取りに行くのは意外と難しいものです。せっかくの情報が埋もれて制度が活用されないのはもったいないので、こまめな発信を心がけています。
これらの取り組みはすべて、エンジニアが社内で能力を発揮し、活躍してもらうため。入社後も成長し続けられる環境を、いかに作っていくかが重要だと考えています。
ただ採用担当から一方的に協力をお願いするのではダメで、従業員体験の向上を実現してこそ、入社後も良い関係が築けるのだと思います。
こうしてエンジニアの皆さんが仲間を増やすための体外的な発信や採用活動に協力してくれているのは、日経で働くことに満足してくれているからこそではないでしょうか。
——具体的かつ思いのこもった取り組みを紹介いただきありがとうございます。続いて、TVerの採用活動の取り組みについてはいかがでしょうか?
香坂:先ほどお伝えした通り、TVerでは現場のエンジニアが主導して採用活動を行っていた背景がありました。エンジニアが本業にリソースを充てられるように、まず着手したのが採用活動におけるインフラの構築です。
そこから採用をさらに加速させるべく、デジタル人材採用を加速する採用管理システム「HERP Hire」の導入や、採用業務支援会社の選定と導入、ダイレクトリクルーティングツールの導入、採用リクルーターの採用と育成など、できる限り多くのエンジニアの方にお会いするための採用体制を構築しました。
また、リファラル採用制度の設計〜導入、資格取得支援の制度設計など、エンジニアの方に魅力を感じていただけるような制度面の充実も図りました。現在は、西馬さんがおっしゃっていたような選考中や入社後の体験向上や、対外発信にも力を入れています。
具体的な取り組みとしては、TVerと候補者の方とのフィット感を確認するためのリファレンスチェックの導入、内定後の選考に関するアンケート、入社後のサポートとして1、3、6ヶ月に行うフォローアップ面談の導入などです。
また、まだまだTVer自体が中途採用やエンジニア採用を積極的に行っていることを知らない候補者の方も数多くいるため、2023年からは採用広報活動も本格スタート。
会社全体の情報や働く環境としての魅力を伝える「採用サイト」の開設や、この「TVer HR BLOG」、「TVerのなかみ(X(旧Twitterアカウント))」も開設し、様々な切り口から事業や社内の取り組みを発信しているほか、現場エンジニアが中心となって執筆している「TVer Tech Blog」の運営などを行っています。
TVerでは、現場エンジニアの皆さんが採用活動に対して本当に協力的なんです。日経さんとは規模も環境の洗練度も異なりますが、その分TVerでは組織間の距離感の近さが良い影響を及ぼしていると感じます。
面接では、双方向のコミュニケーションを大切にしたい
——両社の選考フローについても教えていただきたいです。
西馬:日経では、選考初期ステップのカジュアル面談や技術面接はリーダークラスのエンジニアが対応。その後は、部門長、人事、役員との面接を予定しています。いずれのプロセスでも、候補者の方との丁寧なコミュニケーションを心がけています。
香坂:TVerでは、極力候補者様のご要望に合わせて選考フローのアレンジをしています。カジュアル面談では、会社理解や開発組織の理解を深めていただいています。
その後、書類選考→1〜2次面接(担当ポジションのリードエンジニアやタスクマネージャー(開発部長))→最終面接(COO、CTO、プロダクト本部長、人事担当役員など)といったステップを用意しています。
また、私たち人財戦略タスクの採用担当者は、基本的にすべての面談/面接に同席し、選考中の候補者様をサポートするようにしています。
——お二人からは「エンジニアが入社後に活躍いただくことこそ大切」だとお話がありました。会社と候補者の方のベストマッチのために、とくに重要視していることは何でしょうか?
西馬:スキルや能力面を確認するのに加えて、技術面接の場でのディスカッションを大切にしています。
ひとつのサービスを作り上げるにあたっては、エンジニア同士のみならず、プロダクトマネージャーやマーケティング、デザイナーといった様々な職種のメンバーとの協働が欠かせません。
そのため、いかに建設的な議論ができるかが何よりも重要だと考えているからです。
香坂:私たちは「TVerのミッション・ビジョン・バリューに共感いただけているか」を確認するようにしています。また、動画配信の領域は変化の多い事業なので、柔軟に新たな技術を取り入れていく自己研鑽の姿勢も求められます。
そのため、面接の場では「なぜTVerで開発がしたいのか」「自己成長のためにどのようなことをしているか」など、ご本人が持つ価値観やマインドセットに関する質問をすることが多いです。
大規模サービスの開発・運用は大変なことも多いですが、中長期的にサービスの成長にコミットしてくださる方にぜひ入社いただきたいと考えています。
時代の中で変化してきたテレビと新聞。そのようなメディアのエンジニアとして働くおもしろさは「産業の変革に大きく貢献できる」こと
——最後に、自社に興味を持ってくださる候補者の方へメッセージをお願いします!
香坂:TVerのエンジニア組織は、安定したサービスの運用に留まらず、最適な新技術の導入や新機能の開発など、様々なことにチャレンジできる環境です。まだまだプロダクトとしても進化を続ける、おもしろいフェーズだと思います。
日経さんとTVerに共通しているのは、どちらも歴史のある産業の中で、サービスのあり方や届け方に変革を起こそうとしている点。
情報伝達を通じて、あらゆる立場の人の課題解決や利便性向上に寄与することが私たちの使命です。これほど責任感の大きなプロダクトに携われる機会はなかなかありません。
テレビコンテンツは、いつでもどこでも見られる時代へと変わりました。時代に合わせてユーザーの生活様式に対応していくこと。そして、新たな体験をお届けできるようにリードしていくことが、TVerの仕事では求められています。
「世の中に大きなインパクトをもたらしたい」「エンジニアリングを通して社会に貢献したい」と考える方には絶好の機会を提供できるはずです。
西馬:これまで紙媒体が中心だった新聞も、テレビと同様に「届け方」が多様化しつつあります。そうした中で軸として変わらないのは、日経のミッションである「質の高い報道とサービスで 読者・顧客の判断を助け 世界で最も公正で信頼されるメディアになる」ことです。
ミッションの実現に向けて、エンジニアができることは想像以上に多くあります。むしろ、エンジニアの活躍によって、これから業界全体をさらに盛り上げていけると確信しています。
大きな挑戦となりますが、ぜひ一緒に取り組んでいただける仲間が増えたら嬉しいです。
日本経済新聞社 デジタル人材採用サイトはこちらから!
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株式会社TVerでは、一緒に働く仲間を募集しています。興味のある方は、こちらからエントリーください。
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