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【日刊辛愛媛】架空都市マツヤマ



◎鉄道ヲタ、いやファンの中に「架空鉄道」カテゴリに属する人たちがいる。

 撮り鉄や乗り鉄といえば、ようやく知名度を得たが、架空鉄道とは何か?それは鉄道好きが高じて実在しない路線を自身が勝手に空想、ダイヤや車両までイメージして公表するというもの。
 架空鉄道の世界にハマった人の空想力は果てしなく、HPを備え色鮮やかな路線図が広がり、往来する各駅停車や快速・特急、一見すると実在するかのような錯覚に。例えば、松山から西条へ伊予鉄道(以下、伊予鉄)横河原線を延伸してJR予讃線と結ぶ等、こんな鉄道あったらいいなの思いが強すぎて、ちょっと引き気味になる。

 ただ、都市計画に於いては筆者も空想が働いてしまう。それは、なかなか進まない街づくりへのもどかしさ故か。その最上位にあるのが松山市だ。
 当然、財政や人口減少の問題があり、大都市のコピペのように簡単にはいかない。更に松山の場合、何よりも新規事業への抵抗感、現状維持肯定のマインドが長年地域を覆い、行政の不作為を後押しし、新しい発展を妨げている。その意味でやっとではあるけれども、JR松山駅の高架化新駅舎の完成は一歩前進であり、ここからがスタートといえる。

静かに展開される四国の都市間競争

 前述の通り、街づくりは容易ではなく、道一本通すにも、そこに住む人の利害に関わり、10年20年かかる場合もある。そんな中でも都市の将来を全体から俯瞰し、戦略的に再開発を進めてきた都市は今、繁栄し国内外から人が集まり、経済を潤し住民に利益還元がなされている。
 その先例が隣県他市であり、市街地再開発高層化、港湾道路整備、大規模アリーナの完成、空港の国内・国際線大増便(越県してリムジンバスを走らせ四国中央市からも集客)等、頭一つも二つも抜け出ている。それ以外の隣県2市も、四国初の外資系ホテル誘致が決まったり、市域を貫く高規格道路が開通したり、インバウンドにもインフラにも対応が進んでいる。
 翻って松山はどうか?外環状線は国道11号線から空港までの全線開通は未確定、市街地再開発も頓挫とは、遠く離れて見ている筆者ですらもどかしい。

同縮尺で見た四国の県庁所在地
左上から時計回りに松山、高松、徳島、高知
(Google mapより)

架空都市マツヤマ像

 こうなったら、架空鉄道以上の失笑レベルで架空都市マツヤマを描いてみたい。(★は実現難易度)

・JR松山駅ビルはバスタも含んだ複合ビルで(★★★☆☆)
 JR松山駅前に計画のあるバスターミナル「バスタ」が、平面構造の方向性で推進と報道された。今後は更に規模を縮小し、単なる駅前バスのりばになる可能性もある。 
 ならば、単体で議論するのではなく、今後建設の期待がかかる駅ビルを住居、オフィス、デパート(閉店は時間の問題と囁かれるM百貨店をワンフロアに移転)、ホテルを一体化した複合ビルにして、その1階部分にバスターミナルを設けてはどうか。

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