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【日刊辛愛媛】中予と東予と地政学 (加筆再掲)


左右反転の四国地図

◎愛媛県には3つの大きな地域区分があり、松山を含む中央部が「中予」、両隣は「東予」「南予」と呼ばれている。

 どの都道府県にも同様に地域区分(よくある例は県北・県南という呼称)があるが、経済・文化・方言・気象・住民気質に大差ある地方と、それほどむらは無い地方があるだろう。愛媛県の場合は前者と言える。
 中予は県庁所在地をかかえ政治の中心であり、良くも悪くもメディア発の文化的影響力も強い。
 南予は豊かな自然と農水産物で第一次産業をリードする。中予との力関係は不利にも拘らず、保守的な中予の文化や政治性に影響されず(交通事情も一因か)、独立独歩の発展を遂げてきた印象がある。
方言的な差異も先日記した通りだ。

 さて東予は、ひとことで言えば工業都市であり、愛媛県の稼ぎ頭だ。例えば大王製紙やユニ・チャーム(四国中央市)、住友化学グループ(新居浜)、今治造船(今治、西条)など全国的に知られた企業が多い。特に今治造船は日本を代表する造船会社で、世界を相手に孤軍奮闘する。同社についても先日触れた。

 ここに四国では例のない10万人規模の都市が連なり、活気の無い県都に活力を送っている。筆者の周辺にも出張先は松山ではなく、今治や新居浜へ空港から直行する人が多い。因みに四国中央市へは高松空港からが便利のようで、恐らく一定数の利用客は流れているだろう。

 ところで、最近「地政学」について耳にする機会が増えた。

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