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リリスクNEWアルバム「Wonderland」インタビュー

lyrical schoolの新作アルバム「Wonderland」は、Rachel(chelmico)やKM、valkneeといった新たなクリエイターを制作に迎え、リリスク自体のスキルアップとも併せて、充実のポップアルバムとして完成した。

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<メンバー全員ソロインタビューは下記から↓読めます!>

取材&文/高木”JET”晋一郎 撮影/横山マサト

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ーー(インタビューは2020年12月28日に行った)2020年のリリスクといえば、You Tubeで発信した「REMOTE FREE LIVE」シリーズが大きな話題になりました。

minan でも本当に撮影は大変でした。

yuu お客さんが目の前にいないと、ライブって心から楽しむのは難しいんだなって痛感したよね。

hinako ステージ上で5人が集まったときの空気とか、メンバー同士で目を合わせた時に感じる心強さは、リモートライブでは感じられなかったので、その部分でも本当に大変で。しかも30分のライブだったら30分で終わるし、ちょっと間違えちゃってもそこは「ライブの愛嬌」みたいなところで許してもらえると思うんですけど(笑)、リモートの収録は、間違えたら最初からやり直しだったんですよね。

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ーー全部最初から?

hinako そうですよ!

hime 一箇所だけ修正は出来ないから最初から撮り直しで。結局、1回のライブを撮るのに7~8時間かかったんじゃない?

ーーあの映像を観て一発で撮り終わったのかと思ってたんだけど……。

minan ウチらも撮る前はそう思ってたよね(笑)。

yuu 「一発で全然いけるでしょ!」みたいな(笑)。

hime それがまさかの1日がかり。だから終盤でミスっちゃってやり直しとか本当に……。

minan それが本当にキツかった! 精神的も「うわ~」って。

risano しかも私は一回撮り終わったのに、機材の調子が悪かったみたいでもう1回撮り直して。夜中の3時ぐらいまでかかっちゃった。

yuu うわ~。 

ーー映像自体も自分で撮ったんでしょ?

hime (暗い目で)自分のiPhoneですね……。

ーー目が怖いよ!

hime 大変さを思い出しちゃった(笑)。

yuu なおかつ、自分たちが聴いてる音源がインストのトラックだったんですよ。

ーーたしかに、自分の声だけ抜けてるバージョンだったら、歌うときにわかりやすいけど……。

全員 そうなんですよ!

ーー揃った(笑)。

hinako 自分のパートだけが抜けていて、他のメンバーの声は入ってるバージョンの音源だったら、掛け合いとか、自分がどこで入るのかが分かりやすかったと思うんですけど、インストだから「あれ、ここ私のパートだったっけ?」みたいにこんがらがっちゃって。

hime うちらは本当に生歌なんで、トラックにボーカルの被せとか、目印になるような声が全く乗ってないんですね。だからメンバーの声を聴かないと歌っててもパニックになっちゃって。

ーー……いきなり辛い話になってしまった(笑)。

risano でも、やっぱり評判が良かったから、それは本当にうれしかったです。「すごい!」って言ってくださるコメントを読むと、大変だったけどやった甲斐はあったなって。

ーーそして2020年には上野水上音楽堂、そしてよみうりランドでのワンマンライブがありました。そして現在は「lyrical school oneman live tour 2021」もスタートして。

hinako 特に上野のライブは「ただいま!」っていう感じでしたね。お客さんに逢えるのも、メンバーとライブが出来るのも、本当にうれしかった。ストレスの発散みたいなことが難しかった時期だと思うけど、リリスクのライブでは笑顔になって欲しいと思いながらパフォーマンスしました。

yuu 私はライブが久しぶりすぎて、楽屋での過ごし方が分かんなくなっちゃったんですよ。特に私とrisanoは心臓バクバクで、謎にスタッフさんに「頑張ってきます!」って宣言したり(笑)。でも、いざライブが始まったら、お客さんのお陰で緊張が解けた感じがして、risanoも耳元で「これはイケるわ!」って耳打ちしてくれて。そこからはもう楽しかったっていう記憶だけですね。

hime みんなと一緒にステージに立つ、お客さんの前で出来るライブってこんなに楽しかったんだ!って。めちゃくちゃ過酷なリモートライブを乗り越えた後のライブだったというのもあると思いますけど(笑)。

hinako  最高だったよね。

hime リリスクって、こんなにライブが得意だったんだなって思ったよね(笑)。お客さんはみんなマスク着用なので目から下の表情は見えないし、声援も禁止だったから、普段どおりに楽しみにくかったと思うけど、それでも拍手したり、手を振ったり、体を揺らしたりっていう動きで、楽しんでくれてるのは伝わってきて。私自身、メンバーが横にいてパフォーマンスするのが、こんなにも心強くて楽しいんだなって思いました。

risano 拍手がすごく暖かく感じたし、それはリモートでは感じられないものだったから、幸せに包まれました。

minan  半年以上? こんなにライブしない期間があったのは初めてだったんですよ。だから、そのブランクはちょっと心配でもあったんだけど、みんながすごく上手くなっていて驚きました。

ーーそれは何でだと思う?

minan それまでは毎週末はほぼ必ず、平日もどこかでライブをしてたんだけど、それが出来ない期間が、変な話だけど大切だったのかなって。

ーーある意味では日常だったライブが、自分たちにとっても非日常になったことで、ライブに対する心構えが変わったというか。

minan そうですね。ステイホームの期間は、自分自身のリリスクに対するマインドを整理する時間にもなったと思うし、個人個人でインプットする時間とか成長とかがあったことで、それぞれのメンバーが人間的に豊かになって帰って来られたのかなって思いましたね。

hinako わかる。ライブ出来ることが当たり前だったけど、それは全然普通のことじゃ無かったんだなって。

ーーそして約1年半ぶりにアルバム「Wonderland」がリリースされます。

risano いまの体制になってからの1枚目「WORLD'S END」(2018年6月リリース)から考えると、「本当に同じ人達なのかな」って感じてもらえると思います。自分でもそう思うぐらい、個々のカラーが今回は出せたし、垢抜けたんじゃないかなって。「WORLD'S END」は言われたことをやるので精一杯だったけど、いまはもっと自分の意思みたいな部分も込められて。なんていうの……「WORLD'S END」は色で言えば「白黒鉛筆」みたいな感じだったと思うんですよね。

hime ……risano、その例え好きだけど白黒鉛筆って何(笑)?

minan 鉛筆はだいたい黒でしょ(笑)。

risano だからモノクロ!「BE KIND REWIND」 がカラーになって、今は蛍光ペンって感じです。

ーーなるほどね~。

hime 「なるほどね」って、今の説明で分かりました?!

ーーいや、ここで疑問点を突っ込み続けてたら先に進まなくなると思って(笑)。

risano ひどい(笑)! それぞれのカラーが強くなったし、それが重なったりもして、もっとカラフルになったっていう感じです。

yuu アルバム全体として、すごくバラエティに富んだアルバムだし、個人的にもいろんな角度から作品に挑戦できたなって振り返ってみると思います。これまでのアルバムは、一方向しか見えてなかった部分があったような気がするんですけど、今回は視野が広がって、いい意味で力まずに曲に向かうことが出来たのかなって。制作する中で得た経験や意識だったり、そういった意味での収穫はすごく大きかったし、それは今後にも絶対活かすことが出来ると思います。

hinako かわいいだけじゃない部分だったり、声色にも表情がつくようになったと思います。それは自分なりに考えた部分もあるし、「TIME MACHINE」で低音パートを任されたことでの発見だったり。特に「TIME MACHINE」は私的にはすごく挑戦だったんですよ。英語のリリックなんですけど、私は英語のスピーキングがすごく苦手なんですよね。歌っても日本語的な読み方や発音になっちゃう。

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risano カタカナ読みになっちゃうんだよね。

hinako それで発音をみんなに相談して。

yuu 「はい、リピートアフターミー」みたいな(笑)。

risano でも習得は早かったよね。

hinako minanちゃんには抑揚とか言葉の切り方とかを教わったりとか。 ギブアップするぐらい難しかったんだけど、みんなに助けてもらったし、そこで形に出来た自分の新しい一面をみんなすごく褒めてくれて。そうやって褒めてもらえると、挑戦して良いんだ!って思えるじゃないですか。そういう色んなチャレンジを、今後も試していきたいと思います。

yuu 特に「TIME MACHINE」は全員の新しい魅力が出た曲になったよね。lyrical schoolはどんどん進化し続けてるなって自分たちでも思ったし、リスナーさんにもそれは感じてもらえるはずじゃないかなって。

hime やっぱり、これまでは「アイドルがラップをやってた」作品だったと思うんですね。それは悪いことでは全然ないんですけど、今回のアルバムは「アイドル」とか「ラッパー」とか、そういうイメージを取っ払って聴ける作品になったと思うんです。本当に純粋に格好いい曲ばっかりだし、「アイドルだから」「ラップだから」っていう理由づけなく、普通に聴いてもらえる作品になったんじゃないかなって。もっと言えば、「アイドルが表現方法としてラップを選んだ」という感じは、もうリリスクにはないのかなって思います。

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