最優秀賞を徹底予想!まさかの企画も決行!?『第93回アカデミー賞・言いたい放題大放談! 柳下毅一郎×渡辺麻紀』
いつの間にか『TV Bros.』誌上の恒例映画企画のひとつになっていた「柳下毅一郎×渡辺麻紀のアカデミー賞 言いたい放題大放談!」。今回は時代の流れ、『TV Bros.』の流れに沿ってWebで掲載しますよ!
コロナ禍の大打撃を受けつつも、選ばれた数々のアカデミー賞ノミネート作の感想や最優秀賞予想はもちろん、そのクリエーターたちについて、そして昨今のハリウッド事情について、さらにはイマイチ元気のない日本の洋画界について、おふたりに熱く語ってもらいました!
取材・文/グレム倫子
※本記事で取り上げるのは「第93回アカデミー賞」ノミネート作品や関係する人物となり、一部ネタバレとなる箇所もございます。あらかじめご了承の上、お楽しみください。
<プロフィール>
柳下毅一郎(やなした・きいちろう)●映画評論家・特殊翻訳家。主な訳書に、ジョン・スラデック『ロデリック』(河出書房新社)など。Webマガジン『皆殺し映画通信』は随時更新中。
渡辺麻紀(わたなべ・まき)●大分県出身。映画ライター。雑誌やWEB、アプリ等でインタビューやレビューを掲載。押井守監督による『誰も語らなかったジブリを語ろう』『シネマの神は細部に宿る』『人生のツボ』(いずれも東京ニュース通信社刊)等のインタビュー&執筆を担当した。
<記事の前にお知らせ!>
『がんばれ洋画!アカデミー賞授賞式中も大放談!』生配信決定!
Webの世界でも言いたいことを言いたいだけ言い放つ、TV Bros.ではおなじみの2人の映画対談。TV Bros. note版では、本企画で行われる予想の結果を見届けるべく、初の動画生配信企画を実施します!
アカデミー賞授賞式の模様をどうにかして観ながら、その結果に納得&驚き&恐怖しつつ、そして洋画のあれこれを語らい続ける長丁場。この企画の根底には、コロナ禍にあって邦画の明るい話題が続くことと対照的な状況にある洋画を、アカデミー賞をきっかけに少しでも盛り上げたい! という映画ファンとしての思いが2人にあるから……というわけで、多少の粗相はご容赦願いつつ、ぜひご覧くださいませ~。
配信日:4月26日(月曜)午前10時ごろ~
配信サイト:TV Bros.公式YouTubeチャンネル
追記:生放送は無事終了しました。アーカイブはこちらから
【動画企画】がんばれ洋画!アカデミー賞授賞式中も大放談!
<作品賞><監督賞>
これでいいのかアメリカ映画⁉
――まずは作品賞からお願いします。今年は8本がノミネートされています。
『ノマドランド』
『シカゴ7裁判』
『ミナリ』
『プロミシング・ヤング・ウーマン』
『サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ~』
『ファーザー』
『Judas and the Black Messiah』
『Mank/マンク』
柳下毅一郎(以下・柳下)コロナ禍でも作品賞は8本なんだ。でも、みんな小粒。驚くほど小粒。普通の年だったらノミネートされないだろうという作品がノミネートされている。アメリカ映画、これでいいのか⁉ って思っちゃったよ。
渡辺麻紀(以下・渡辺)そうだね。『ミナリ』とか『サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ』とか。いつもならスルーだと思う。
柳下 『Judas and the Black Messiah』と『プロミシング・ヤング・ウーマン』を除いて6本観たけど、面白かったのは『ノマドランド』と『シカゴ7裁判』くらいかな。
渡辺 (デヴィッド・)フィンチャーの『Mank/マンク』もダメだったの? 私はこれがイチオシなんだけど。
柳下 そこまで買えないなあ。フィンチャー、この程度でオスカーなのか? って感じ。もちろん『ミナリ』や『~メタル』よりはいいけどさ。
渡辺 その2本がノミネートされたのって、今どきのハリウッド事情のせいだろうと思ったけどね。『ミナリ』は韓国移民、『~メタル』は難聴になったミュージシャンで、マイノリティが主人公だから。
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