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ファミコンゲームの商標登録15選&私の思い出(前編)

ファミコン(ファミリーコンピュータ)
言わずと知れた、国民的家庭用テレビゲーム機です。
私もリアルタイム世代で、小さい頃にめちゃくちゃ熱中しました。

そのファミコンが、来年2023年に40周年を迎えるとのこと。
何の縁か、今年2022年は、私もなぜか急にファミコンが懐かしくなって、昔の本体とゲームソフトを引っ張り出してきて、ピコピコと遊んだ年でした。

そんなわけで、じゃあ今回は記念企画として、ファミコンのゲームソフトに関する私の思い出話でもネタに、久しぶりにnoteで記事を書いてみようかなと思い立ちました。

ただ、noteでは、これまで私の本業である商標実務とか、商標登録に関する記事をせっかくたくさん書いてきているので、何かしらこれと関連付けて書けないかと考えてみました。

そこで思い付いたのが、ファミコンゲームで商標登録がされているものを紹介しつつ、そのゲームに関する私の思い出話を語ってみようというものです。これなら、商標調査ができて、かつ、リアルタイムでファミコンをやってきた私のような人間にしか書けないユニークな記事になるかなと(笑)。

とはいえ、「スーパーマリオ」シリーズとか「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」シリーズのように、今でも続いている人気ゲームについての商標登録を紹介しても、個人的には面白くない(今も続いているのだから、商標登録がされているのはある意味当たり前です)ので、当時のちびっ子世代に「ああ、あった!懐かしい!」と思ってもらえるようなゲームタイトルを選べたら良いなと。

というわけで、ちょっくら商標調査をした上で、15タイトルを厳選しました。
※あくまで、私個人が独断でピックアップしたものとなります。
このうち、10タイトルが今でも商標登録が続いているもの、5タイトルがすでに登録(商標権)が失効しているものです。で、これらの商標登録の紹介とゲームの思い出話を、全3回(前編、中編、後編)に分けて書いていきたいと思います

ファミコンに夢中になった同世代の方々が、少しでも懐かしく感じていただければ幸いです。そして、これを機に商標登録にも興味を持っていただければ、なお嬉しいです。

・本編に入る前に ~商標登録について~


本編に入る前に、商標登録についてごく簡単にご説明したいと思います。
これを知っていると、ファミコンゲームが「今も商標登録されていること」が、なぜ興味深いのかを理解できるはずです。そんなの知ってるよという方は、どうぞ読み飛ばしてください。

まず、商品・サービスのネーミングやロゴマークなどは、「商標」になり得ます。
この商標は、特許庁で「商標登録」をすることができます。
商標登録をすると、「商標権」という権利を取得することができます。

商標権があると、登録した商品・サービスの範囲内で、自分だけが独占的に、その商標を使うことができるのです。他人が無断で商品やサービスに使えば、商標権侵害となります。つまり、商標登録をすると、その商標を強力に保護することができるのですね。

権利の有効期間(存続期間)は、原則として登録日から10年です。
ただし、「更新」が可能で、更新するとさらに10年間有効となります。
つまり、更新を繰り返すことで、半永久的に権利を保持し続けられるわけです。

ところで、ゲームソフトのタイトルも、商標になり得ます。
ということは、これについても商標登録ができるということです。
現に、商標登録されているゲームタイトルは、多数存在しています。

来年、ファミコンが登場して40年ですから、多くのゲームタイトルは、発売されてからすでに約30~40年が経過していることになります。ということは、今も商標登録がされているゲームタイトルというのは、当時に登録されて、何度も更新が繰り返されている可能性があるというわけです。このような点にも注目してチェックしていただくと、いかにエモいかがおわかりになるかと思います(笑)。

なお、商標登録についてより詳しく知りたい方は、特許庁の「商標制度の概要」をご覧ください。

また、私が以前に書いた「ゲーム会社のための商標登録」のコンテンツも、よろしければご参照ください。

・ファミコンゲームの商標登録&私の思い出(前編5選)


前置きが長くなりましたが、ここから本編に入りたいと思います。

以下でご紹介するのは、現在も商標登録がされている5タイトルです。
なお、商標登録については、「家庭用テレビゲーム用プログラムソフトを記憶させたROMカートリッジ」の商品が含まれる商品分類(類似群コード)「24A01」が含まれるものをピックアップしております。

1.「プーヤン\POOYAN」


登録4675334号


登録日:2003/05/23
権利者:株式会社コナミデジタルエンタテインメント

もっとも古くて1985年に商標登録をしたものもあったようですが、こちらは更新がされずに失効しています。更新ではなく、再度、新しい登録をするという戦略だったようです。

<プーヤンの思い出>
ゴンドラに乗ったブタが、空から風船に乗って襲いかかろうと降ってくる敵のオオカミを弓矢で撃ち落とすというゲームでした。多分、オオカミに狙われているのが子ブタで、弓矢で戦っているのがお母さんブタという設定だったと思います。

今にして思えばコンセプトが謎ですが(笑)、子ブタたちを守るために当時夢中でプレイした思い出があります。ただ、当時の私はこのソフトを持っておらず、近所の同級生の女の子の家にしかなかったので、これを遊ぶためによく通っていたのを覚えています。異性を意識するよりもゲームの方に興味があったのが、いかにも当時の小学1年生らしいなと思います(苦笑)。

ちなみに、この同級生の家には初代「ドラゴンクエスト」もあって、私はこれを遊ぶのをよく勧められたのですが、「なんか、字が多いから面倒そうでヤダ」という、これまた小学生らしい理由で、プーヤンばっかりやっていた記憶があります。

そういえば、私の周囲だけかもしれませんが、誤って「プーニャン」と言っている同級生が結構いたような気がします。「それじゃ、ネコやんけ」と思いつつ、訂正はしませんでした。また、「パーヤン」と言っている友達もいました。「それじゃ、パーマン4号やんけ」と思いつつ、訂正はしませんでした。

2.「レッキングクルー\WRECKING CREW」


登録4857320号


登録日:2005/04/15
権利者:任天堂株式会社

他にも、1987年に登録されたアルファベットのロゴ「WRECKING CREW」などの商標登録も、現在存続しています。

<レッキングクルーの思い出>
マリオみたいなオッサンが、迫りくる敵から逃れつつ、壁とかブロックとかロッカーみたいな物体をひたすらハンマーで叩き壊すというアクションゲームでした。

まず、水色と灰色の中間くらいのカセットの色が個人的にすごく好きでした。こういう感じの色のカセットって、あまりないのではないでしょうか。

当時、私は小1くらいでしたが、なんとなく適当にやっても何面かはクリアできたので、このゲームはとても気に入っていました。だからなのか、その年の夏休みにおばあちゃんの家に遊びに行く際に、このレッキングクルーを持って行きました。

今にして思えば、なぜファミコン本体などないおばあちゃんの家にこれを持って行ったのか謎ですが、途中の新幹線で見事に紛失するというアクシデントに見舞われたのを覚えています(笑)。当然、少年Nは悲しくて泣きに泣きました。たしか、まだ買ってからそんなに時間も経っていなかったと思います。

その数年後、さすがに可哀そうに思ったのか、父親が秋葉原で中古を見付けたと言って買ってきてくれました。それはそれで嬉しかったのですが、小学生にとっての数年間というのは大きく、もう興味は別のゲームに移っていたのを覚えています(苦笑)。

ちなみに、出てくる敵キャラに紫色の細長いやつがいて、私は「ソーセージマン」と呼んでいたのですが、正式名称が「ナスビ仮面」だと知った時は衝撃を受けました(笑)。ネーミングセンスありすぎです。

3.「ヘラクレスの栄光」


登録4989635号


登録日:2006/09/22
権利者:株式会社パオン・ディーピー

元々は、デ-タイ-スト株式会社が1989年に商標登録をしていましたが、1999年に更新がされずに登録が失効しています。その後、データイーストより知的財産権を取得したとされる株式会社パオン・ディーピーが、再度登録をし直したという感じでしょうか。

<ヘラクレスの栄光の思い出>
主人公のヘラクレスが、神話の世界を冒険するRPGだったと記憶しています。
彫りの深い半裸のオッサンの絵がデーンと大きく表示された、青いカセットが印象的でした。

ヘラクレスには仲間はおらず、敵とのバトルも1対1という、初代ドラクエっぽいRPGでした。私は当時たしか小2とか小3くらいで、ゲーム内容的には少々難しかったのですが、神話のような世界観が楽しくて、結構やり込んだ記憶があります(クリアはできませんでしたが・・・)。

ただ、「ふっかつのじゅもん」的なパスワードが面倒くさく、苦労した思い出があります。メモり損ねて、泣きそうになりながら前の段階からやり直しをしたことも何度かありましたね。今ならスマホでテレビ画面をカメラ撮影できるので、簡単なんですよねぇ。

そんなパスワード入力画面で流れるBGMが好きでした。
ちなみに、このゲーム。パスワードをめちゃくちゃに入力しても通ることがよくあります。私の感覚では、5~10回に1回くらいは成功します。コツは、めちゃくちゃに入力する中で、右に行ったり左に行ったりを繰り返すこと(笑)。ただ、これで通ると、武器やアイテムの名前が敵キャラの名前になっていたりと、半分バグっている感じになりますので、注意が必要です。

個人的には、何年後かに発売された続編の「2」の方が好きでした。

4.「ソロモンの鍵」


登録4638917号


登録日:2003/01/24
権利者:株式会社コーエーテクモゲームス

元々、1991年に登録された古いものもありましたが、2006年に更新されず(おそらく後期分の更新料不納)失効しています。更新ではなく、再度、新しい登録をするという戦略だったようです。

<ソロモンの鍵の思い出>
黄緑色の服の魔法使いが主人公のアクションパズルゲームでした。

当時、このゲームを持っている同級生はめったにいなかった気がします。
私も、一見さんのように遊びに行ったどこかの家で、数回遊んだくらいでしたが、とにかくゲームが難しかった思い出があります。ただ、BGMがかなり独特で気に入ったのか、その後もなぜかずっとこの曲を覚えていました。

実はこのゲーム、今年ブッ〇オフのレトロゲームコーナーで買ってきて、35年ぶりくらいにプレイしました。相変わらず難しい。大人がやってもかなり難しいゲームレベルです(笑)。こんなの小学生ができるわけないやんけと、あらためて思いました。だから、当時周囲で持っている人がほとんどいなかったのかも。ただ、例のBGMは相変わらず良くて、久しぶりに聞けて感動しました

でも、難しいとついムキになって続けてしまうんですよね。
結局、5~6面くらいまでしかクリアできませんでしたが、今やると奥が深く、かなり面白いゲームだと思います。ただ、繰り返しになりますが、マジで難しいです(笑)。

ちなみに、ファミコンでは続編の「2」も発売されているとか。
いつかプレイしてみたいなぁと思うのですが、どうやら現在はプレミアがついていて高額のようですね。

5.「妖怪道中記」


登録5799774号


登録日:2015/10/16
権利者:株式会社バンダイナムコエンターテインメント

元々、1988年に登録された古いものもありましたが、2018年に更新されずに失効したようです。更新ではなく、再度、新しい登録をするという戦略だったようです。

<妖怪道中記の思い出>
ゲゲゲの〇太郎みたいなキャラクターの主人公が、妖怪の世界を敵を倒しながら進んでいくアクションゲームでした。

当時、子供たちの間では「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメ(たしか3期)が人気で、世の中的に妖怪ブームのようなところもあったので、多少は影響を受けているのかなと今にして思います。主人公はよくわからない攻撃方法だけど、なんだか派手な感じが楽しくて、結構やり込んだ気がします。ちなみに、私はPCエンジン版も持っていました。

ところで、このゲームは所々に「お色気要素」があることで有名でした。
当時、必要以上にこのゲームを頑張っていた小学生の9割くらいは、おそらくこれが目的だったのではないかと思います(笑)。

今でこそ、ネットで検索すれば自分が見たい画像がいくらでも出てくる時代ですが、当時の小学生は、たとえそれがショボいお色気グラフィックだとしても、目にする術などほとんどなかったのです。ですから、このゲームに限らず、何でも「お色気要素がある」と聞けば、期待に胸を膨らませる「健全な」子供たちは多かったように思います。

今にして思えば、ちょっと笑ってしまうような時代ですが、当時の子供たちは大真面目でした。それはそれで、人間らしくて「古き良き時代」だったなぁと感慨深いものがありますね。

というわけで、今回は前編として、現在も商標登録がされている5タイトルを紹介しました。次回も引き続き、中編として同様に5タイトルを紹介します!!

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