ファミコンゲームの商標登録15選&私の思い出(後編)
こんにちは、横浜市の商標弁理士Nです。
さて、前回の記事と前々回の記事では、「ファミコンゲームで商標登録がされているものを紹介しつつ、そのゲームに関する私の思い出話を語ってみよう」という企画の前編・中編として、現在も商標登録が維持されているタイトルをそれぞれ5つ紹介しました。
今回は最終話(後編)として、「過去に商標登録がされていたが、現在は失効(消滅)しているタイトル」と、それらに関する私の思い出話を5つ紹介したいと思います!
なお、この記事からご覧になられて、「そもそも、商標登録とは何ぞや?」となっている方は、前々回の記事にある「本編に入る前に ~商標登録について~」を、ぜひお読みいただければと思います。
・ファミコンゲームの商標登録&私の思い出(後編5選)
以下でご紹介するのは、かつて商標登録がされていたものの、現在は失効(消滅)している5タイトルです。
なお、商標登録については、「家庭用テレビゲーム用プログラムソフトを記憶させたROMカートリッジ」の商品が含まれる商品分類(類似群コード)「24A01」が含まれるものをピックアップしております。
11.「高橋名人の冒険島」
登録2138927号
登録日:1989/05/30
権利者:株式会社ハドソン
※更新がされずに1999年に登録失効
かつては、様々な商品区分で11もの登録商標を保有していたようですが、いずれも更新がされずに現在は失効(消滅)となっています。ただし、「高橋名人」については、2006年に商標登録がされた後、現在も登録が維持されています(登録4994766号)。
<高橋名人の冒険島の思い出>
高橋名人と思しき主人公のキャラクターが、石のハンマーを投げたり、スケボーに乗ったりしながら敵を倒していく横スクロールのアクションゲームでした。
私が最初にこのゲームをプレイしたのは、仲の良かった友人の家でした。当時のファミコンのアクションゲームの中では、群を抜いて画面がきれいだった印象があります。操作性も悪くなく、キャラの移動にも疾走感があって、「これは面白いゲームが出たなぁ」と感じていたのを、今でも覚えています。実際、かなり売れたようですね。
ただ、とっつきやすい登場キャラやゲーム画面に反して、難易度がかなり高かった記憶があります。ぶっちゃけ、私は全然先に進めませんでした(笑)。2面か3面が限界だったと思います。このゲームも、今年ブッ〇オフで買ってきて30数年以上ぶりにやってみましたが、今やってもやっぱり難しかったです。全然ダメダメでした(笑)。
ちなみに、ファミコン版では「4」までシリーズが発売されたようで、この「4」は今ではプレミアが付いており、かなりの高額になっているようです。たしか、PCエンジンやスーパーファミコンでもシリーズ作品は出ていたと思いますが、その後は見かけていない気がします。
そのような流れの中で、「もう使うことはないだろう」と判断されてしまったのか、商標登録(商標権)は更新されることなく、1999年に登録失効となっています。もし、令和の時代に続編がリリースされるとすれば、再び商標登録がされる日も来るかもしれません。
12.「貝獣物語\かいじゅうものがたり」
登録2067563号
登録日:1988/07/22
権利者:株式会社バ-スデイ
※更新がされずに2018年に登録失効
2018年までの30年間、登録が維持されていましたが、さらなる更新はされずに現在は失効(消滅)となっています。
<貝獣物語の思い出>
勇者的な人間の主人公が、仲間となる3体の貝獣とともに、魔王を倒しに行くという王道的なRPGでした。
貝獣物語は、ゲーム自体も面白かった記憶がありますが、やはり思い出深いのは、オマケ的な付属品がたくさん付いていたソフトであったことだと思います。
このゲームソフトは、一般的なファミコンソフトに比べてかなり包装箱が大きめで、地図やら、キン消しみたいなキャラクターのフィギュアやら、いろいろ付いていました。当時の子供たちにとっては、まさに「宝箱」のようなソフトだったと思います。そんな宝箱みたいなアイテムはめちゃくちゃ欲しくなるのが子供心というもので、私も親にせがんで買ってもらいました(笑)。今にして思えば、マーケティング手法がとてもうまかったなぁと思います。
ちなみに、このゲームは「ナムコ」から発売されていた記憶が強くあるので、商標登録をしていた「株式会社バ-スデイ」とはなんぞやと思っていたのですが、どうやら当時の開発元の会社のようですね。
しかし、2018年まで登録を維持していたのに、ここで更新をしなかったということは、今後続編が出る予定はもはやないということでしょうか。私は、スーパーファミコンで出た「大貝獣物語」と「大貝獣物語2」までしっかりプレイしてきたので、いつか続編が出てくれることをひそかに期待していたのですが・・・。残念です。
13.「JUVEIQUEST」
登録2400116号
登録日:1992/04/30
権利者:株式会社バ―スデイ
※更新がされずに2002年に登録失効
2002年に更新がされず、現在は失効(消滅)となっています。
<JUVEIQUESTの思い出>
アルファベットだとわかりにくいですが、「じゅうべえくえすと」と表記すると、「ああ、あれか!」と思い出す方も少なくない気がします。前述の貝獣物語にシステムがよく似た、時代活劇的なRPGでした。
ゲームシステムも似ていましたが、売り方も貝獣物語に似ていて(笑)、このゲームも大きめの包装箱にいろいろな付属品が付いていた記憶があります。たしか、キン消しみたいなものではなくて、キャラクターカードがたくさん入っていたと思います。このゲームは登場キャラクターが多かったので、これをカードにしてくるとは、これまた子供心をつかむのがうまかったなぁと、感心しますね。
当時、私も相当やり込みましたが、クリアはできなかったと思います。難しいというのもあったのですが、途中でPCエンジンのCD-ROM2を買ってもらったことにより、自分の興味が完全にPCエンジンに移ってしまったというのが主な原因です(苦笑)。なので、おそらく私がリアルタイムでプレイしたファミコンソフトは、この「じゅうべえくえすと」が最後だったと思います。
ちなみに、当時遊んでいた「じゅうべえくえすと」のソフトを今もまだ持っているので、いつか続きをやりたいと思っています。なんか、やたら「かぶとわり」ばかり使っていた記憶があります。あと、サブシナリオ的な章(?)での戦闘BGMがカッコ良くて好きでした。
14.「亀の恩返し」
登録2265916号
登録日:1990/09/21
権利者:株式会社ハドソン
※更新がされずに2010年に登録失効
2010年までの20年間、登録が維持されていましたが、さらなる更新はされずに現在は失効(消滅)となっています。
<亀の恩返しの思い出>
「浦島太郎」をモチーフとしつつも、謎の世界観のある横スクロールのアクションゲームでした。「ウラシマ伝説」というサブタイトル(?)が付いていて、発売もハドソンですが、「桃太郎伝説」とはどうやら関係がないようです。
この「亀の恩返し」。なぜか、ゲーム内容についてはあまり記憶がありません。
パッケージイラストの左側に載っている「赤毛の女の子が可愛かった」という思い出しかありません(苦笑)。多分、私はこの可愛い女の子のイラストにつられて買ってはみたものの、ゲームはまったく太刀打ちできずにすぐ諦めた(そして、中古ショップに売った)のだと思います。
ファミコンの後、続編のゲームは多分リリースされてはいないと思いますが、商標登録は2010年まで維持されていたようです。
ちなみに、飲食料品の商品分野では、熊本県の亀井通産株式会社という企業が、2013年に「亀の恩返し」を商標登録しています(登録5571416号)。社名から察するに、おそらくファミコンのゲームとは無関係でしょう(笑)。
15.「忍者らホイ!」
登録2269146号
登録日:1990/09/21
権利者:株式会社アスキ-
※更新がされずに2000年に登録失効
かつては、様々な商品区分で6つの登録商標を保有していたようですが、いずれも更新がされずに現在は失効(消滅)となっています。
<忍者らホイ!の思い出>
「桃太郎伝説」のメインスタッフが制作にかかわった、時代活劇的なRPGでした。ギャグ要素が多めというか、若干悪ノリしすぎ(?)な印象を、子供ながらに当時感じていました(苦笑)。
このゲームも、当時クリアはできませんでした。
なんとなく「桃太郎伝説」のパワーアップ版のような期待があって買ったのですが、個人的には、いま一つ熱中しきれなかった記憶があります。世界観の好みもあるのでしょうが、正直私には「桃太郎伝説」の方が面白かったですね。ただ、パッケージイラストを始め、登場キャラクターの絵柄はすごく好きでしたね。
ちなみに、当時遊んでいた「忍者らホイ!」のソフトを今もまだ持っているので、これもいつか続きをやれたらいいなと思っています。セーブデータ、まだ残っているだろうか・・・?
というわけで、全3回に分けて、「ファミコンゲームの商標登録15選&私の思い出」について語ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
今も続くメジャータイトルはあえて除外した上での選別としたため、「全然知らないゲームばかりだった!」と、つまらなく感じた方もいるかもしれません。一方で、当時リアルタイムでファミコンゲーマーだった方々には、懐かしく感じられた部分もあったのではないでしょうか。
来年は、ファミコン生誕から40周年。
何か面白いことが起こるのを大いに期待しています!!
おわり
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