機械都市の逃亡者 第1章
第1章暗号
リサとアレックスは一先ず落ち着きを取り戻し、コーヒーを飲みながらノアが隣の部屋でチップのデータを解析するのを待った。十分ほどして、奥の部屋からノアの呼ぶ声が聞こえた。「もう分かったのか?」アレックスが訊くと、「いいえ、わかったのはどういうフォーマットデータなのかということだけ。暗号化解除すると、出てきたデータは単なるマス目と不規則な数字。おそらく、アナログなクロスワードじゃないかしら。紙に書き出してみると…」ノアはデジタルペンとデジタルメモではなく、この時代で