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【和訳しました】COP SHOOT COP/FURNACE

 自分は、語学力の向上を目的としてnoteに週に一度、洋楽の歌詞を和訳した文章を投稿している者です。今週はCOP SHOOT COPというバンドが1993年に発表したアルバム"Ask Questions Later"に収録されている曲、"FURNACE"を翻訳しました。なぜこの曲を選んだのかというと、最近久し振りに聴いて「いい曲だな〜」と思ったからです。それだけ。

 このアルバムタイトル、"Ask Questions Later"とはどのような意味なのかを検索して調べてみた所、英単語の意味を教えてくれるサイト「英辞郎」に以下の様な情報が書いてありました。

shoot first and ask questions later の意味・使い方・読み方

考える前に[のは後回しにして]行動する、口より先に手が出る◆【語源】自分に危害を加えるかもしれない相手に対して先に発砲して(射殺して)、その発砲が正しかったかどうかについては、あとで検討するというやり方から。

 不穏です。そもそもバンド名のCOP SHOOT COPが「警官が警官を撃つ」だけあり(実際にその様な事件があり、このバンド名はそこから着想を得て付けられたそうです。あと、自分は昔から、この"COP" は三人称単数の主語なので文法的にはこのバンド名は"COP SHOOTS COP"が正しいのではないだろうか?と疑問に感じているのですが、英語圏の人達がこう表記しているのだから、こうなるだけの自分の知らない理由が有るのでしょう)、既存の秩序やシステムを大して信用していない冷めた目線を彼等の楽曲からは感じる事が出来ます。「相手の事を理解するより先に、まずその対象を殺そうとしている」のは、このジャケットに写っている少年なのでしょうか。それともこの少年と相対しているこちら側なのでしょうか。少年の首に下げられている十字架は、この状況において「神」という概念が何の役にも立ち得ない事を表しています。
 COP SHOOT COPが"Ask Questions Later"以前に発表した二枚のアルバム、"Consumer Revolt "と"White Noise"について書かれてあるサイト"The Aither"の記事には、彼等はshockingなバンドでは無くconfrontationalな集団であったと書かれています("confrontation"は「(〜との)対面、直面、(法廷での)対決」などを意味する名詞です)。"ショックは聴衆の価値観を強化するが、対立的な態度の楽曲は聴衆の価値観に向かって問い掛ける"と。
 COP SHOOT COPは現在のシステムを壊そうとしたのではなく、現在のシステムが既に壊れている事を穏やかに指摘しただけなのかもしれません。

 聴衆に衝撃を与えるのでは無く、人間と人間の間に存在する暴力的な軋轢をただ淡々と描写している様な姿勢は、確かに"FURNACE"の歌詞において感じる事ができます。
 と、いろいろ書いてきましたが、正直、自分はこれから下に貼る訳詞にかなり自信がありません。毎回こんな事を言っている気がしますが、本当にこれでもかという位に内容が難しく、「これは一体何なんだ…」と途方に暮れながら無理矢理翻訳しました。お恥ずかしい話ですが、「大体の所は合っている訳」程度に思って頂けると幸いです。
 タイトルのFURNACEには「厳しい試練」という意味もあるのですが、ここでは「溶鉱炉」を指している様です。

COP SHOOT COP/FURNACE

帰るべき家から10000マイル離れた場所
このクソみたいな所は何処なのか誰か教えてくれ
ガリガリに痩せ細るまで当惑して
非常用出口をまた探している

かつてこの場所を見た事が絶対にある
遠くから見た白昼夢
在るものはここに在り、幾つかは去ってしまい
そして俺が今居るのはその中間の場所
中間の、中間の、中間の…

俺の記憶を締め上げて
それでも思い出せるにはまだ足りないんだ
色褪せた黄色い写真のクズが
引き千切られ床中にバラ撒かれている

ああ、かつてはそれは正しく そして間違っていた
そして簡単に解決できたものだった
しかし境界線が引かれ
騒音喧しい溶鉱炉の中で溶けてしまったんだ
騒音…騒音…騒音…
騒音が響く溶鉱炉の中で溶けてしまった…

群衆が生み出す冷ややかで血も凍る歩調
その歯軋りと狼狽した顎
今や轟音の様に空白になり
お前は今ここで速度を二倍にする

そして 我々は克己心を知るのだろう
我々が彼等を引離す必要に駆られたならば
その時に拳が振り下ろされる
血に塗れた地面の泥濘へと
我々は拳を地面に振り下ろすだろう

仮死状態
生きてもいないし死んでいる訳でも無い
お前は毎日に渡って端金を工面する
寄る辺無い箇所で生きる事も楽じゃない

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
 という歌詞でした。難しかったですね。ただ、大衆に溶け込めない人間が感じている無常観は、これでもかと言わんばかりに盛り込まれていたと思います。
 この曲を訳している最中、アルバムのブックレットの中に、"FURNACE dedicated to SANE SMITH.  R.I.P"(FURNACEをSANE SMITHに捧げる。R.I.P)という記載があるのを見つけました。検索してSANE SMITHを調べたのですが、彼等は1980年代に活動していた、兄弟によるグラフィティライティングを行っていた二人組で、1990年にメンバーのデイビッド・スミスが死体で発見されたらしいです。「ニューヨーク市交通警察は3年間にわたりSANE SMITHを追跡しており、彼らを『市内で被害を与えたトップ20のグラフィティアーティストの一人』と評した。」そうです(英語ウィキペディアをグーグル翻訳しました)。この辺りの事情を知っていればもっと的確に翻訳が出来たのかもしれません。

 という訳で、COP SHOOT COPのFURNACEの訳詞を発表させて頂きました。また来週の金曜日に何かの曲の訳を、というか月曜日にも適当な文を投稿するだろうと思います。最後に自分の好きなCOP SHOOT COPの曲、"NOWHERE"を貼っておきます。

COP SHOOT COP/NOWHERE

名曲!それでは、また月曜日になんか書きます〜

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つやつやと実っている稲穂
なあ、頼む……たったの5ドルでいいんだって… 確かに昨夜はツキが無かったよな、ベニーがヘマ打っちまって…いや、イカサマじゃねえ、生まれ故郷のアリゾナに誓えるぜ、ただ必勝法があるのさ…次は負けねえよ…なあ、ハニー、5ドルでいいんだ…マンハッタンの夜景の様に俺を愛してくれよ…