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やがて夜は明ける

 ここ数日で急激に寒くなり、今日はまた暑くなった。過ごし易い日がほぼ無い。腹が立つ程暑い日か、もしくは腹が立つ程寒い日かのどちらか。これは本当にスタンダードな意見だと思うんですが、「名探偵コナン」の映画のCMで江戸川コナン君の声が急に変わる瞬間があるじゃないですか。突如工藤新一の声に戻る瞬間が。あれが俺はめちゃくちゃ怖いんですよ。何なら殺人犯より怖いよ。ああいう感じで声色をガラッと変えてくる人って、「深刻な対人トラブルが起こった際は、極限まで発狂してごまかそう。俺は、そういう人間。」という確固たる哲学を持っている場合が凄く多いじゃないですか。なりたくてそういう人間になった訳でも無いんでしょうが。
 コナン君の声を聞くと、そういった人物から被った迷惑とかのトラウマが揺り起こされてほとほと気が沈むんですよね。完全に狂っていた高校の頃の教員(クソを投げてこないだけ後期のGGアリンよりはまだマシ、みたいな評価しかできない本物の狂人だった。顔も似ていた)とか思い出して本当に心が曇る。今の「暑い」と「寒い」しか無い気候は「コナン君」から「工藤新一」へと急激な変貌を遂げる謎の人物の様でかなり恐ろしい。「グラデーション」という概念が消失したのだろうか?日本の四季からは。なぜ酷暑の翌日に普通に冬日が来るのか?

  

 で、自分は毎週月曜にnoteを更新しているのですが、先週はいろいろあって木曜も更新しまして。それから僅か3日間で何かここに書けるような事件なんぞ起こる筈もありません。というか、毎週別に何も事件なんて起こっていないので無理矢理バカな事を書いてるだけなんですが。仕事行って帰ってYouTubeでPCエンジン版の源平討魔伝のプレイ動画を見て寝るだけの生活です。未知の細菌が世界中にバラ撒かれて市民が全員リビングデッドと化す惨事が起こったとしても、多分俺はゾンビになりながら普通に寝っ転がってバイオハザードのプレイ動画とか見てるだけだと思います。そういう人いっぱいいると思うよ。ただただグロ画像を一心不乱に見てるだけのゾンビとか。
 そういえば数日前に、"The Cabin in the Woods"っていうホラー映画の1シーン、大蛇とか大コウモリとかが私設軍隊みたいな集団に襲いかかって部屋が血塗れ、みたいな恐ろしい場面を切り取った映像を、つい、うっかりYouTubeで見てしまいまして。一回それをやってしまうと、その先三ヶ月はホラー映画のグロテスクなシーンだけを纏めた映像を山の様に勧めてくるじゃないですか。YouTubeは。ブロブが警官の頭部を破壊してるシーンがサムネになってるようなのを息せき切って俺の所に持ってくるじゃん。グロ繋がりでデカい蜘蛛がゴキブリを捕食する映像のサムネとかも来るじゃん。あと寄生虫がどうのこうのとか、歯石がどうしたこうしたとか。サジェストの仕方が"田舎のおばあちゃん"って感じでサービス過剰なんですよ。「あんたグロ動画好きやろ?ゴキブリと寄生虫も付けてやっかい、たんと見んさい!!」みたいに来るじゃん。節度ないのか貴様は。怪生物に寄生された一般人が内臓撒き散らして死ぬ動画とかをエンドレスで見たい訳が無いだろ。今、俺のYouTube画面はそういう感じで大フィーバー、世間を先取りしたハロウィンパーティーの真っ最中であります。全てのサムネを一切見たくありません。なんか、"怖い"っていうより、"汚い"んですよ。頭の上に髪がちょん…と乗っているだけのおっさんが鬼の形相で大量のゲロ吐いてるサムネとか。ただ単に迷惑なんだよな。

 で、最近1990年発のクリエイション・レコーズのコンピレーションアルバムを買いまして。200円で。いい曲ばっか入ってて感動したんですけど、特にjazz butcherの"Mr.Odd"という曲がとても良くて、本当に俺は毎日こういう気持ちで過ごしているなあと思ってボロボロ泣いてしまいました。公式で"cult of the basement"というアルバムに収録されてた、言うなれば正規バージョンの曲が上げられているのですが、自分が買ったCDに入ってたやつはラジオショーで流れたライブ音源で、正直絶対にそっちの方が泣けるのね。音が厚くないが故に侘しさが際立っているんですよ。
 で、公式じゃ無いっぽいんですけど、mrbriefcaseMUSICってアカウントが1989年にサンタモニカのKCRWって場所でのライブ音源の"Mr.Odd"をYouTubeに上げてるんですが、まあそれは本当に泣けますね。生きる事それ自体の無常感がふんだんに盛り込まれている。極限まで悲しい。またその映像にPV風に多分当時のTV番組の映像が使われてるんだけど、出てくる人達がやたらと楽しそうで更に涙を誘われるんですわ。「どれほど痛烈な悲しみも所詮他人にとっては些細なものでしかない」という身も蓋も無い真理を、映像と曲との落差がはっきりと描き出している…
 まあ、自分は著作権をクリーンにしておきたいので公式の方を貼りますが。自分のnoteをマネタイズするという夢をまだ諦めきれないので。

Jazz Butcher/Mr.Odd

 で、唐突にここで、Jポップで自分が一番好きな歌詞、グレイプバインの"HERE"のフレーズを貼らせて頂きます。「他人に起こってしまった事は、所詮他人事でしかないのだ」という寂寥感に満ち、"社会"という組織の儚さをまざまざと捉えた、詩情溢れる検死報告書の様な美しさを湛えている名フレーズであると思います。


壊れても手を差延べるわけもなく
問われてみたところで応えられない

はずみや軽さで 人は悲しまされる
投げ出すも 指さすも
「やがて夜は明ける」とあしらうだけ

GRAPEVINE/HERE

 泣けるぜ!!
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

     

 "マネタイズを諦めてない"と書いたのですが、その一方で完全に諦めている自分も確かにいまして。こんな事やってても一銭にもならんわと。
 最近、せめてスキルアップの場としてこの場を活用しようと考えていて、なので、ジェロ・ビアフラがメルヴィンズと共作したアルバムの二枚、その内の一曲、"McGruff The Crime Dog"というやつを今から和訳します。急ですが。スキルアップの為に。
 この「マクグロフ・ザ・クライム・ドッグ」とは何なのかというと、アメリカの青少年達に犯罪やドラッグの危険性を訴える為に生まれた漫画のキャラクターらしいです。

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 こういう感じで、子供達に社会の規範的人物になる事を啓蒙しているのですね。「ドラッグ・ユーザーは負け犬だ」とか、そういうのを昔から。"McGruff The〜"の歌詞の最後に"Take a bite out of crime"というフレーズが出てくるんですが、それはこの犬のキャラクターの決め台詞です。「犯罪(者)を齧ってやる!」みたいな。そいつについてビアフラが2004年に書いた曲を、今から俺が訳します。
 ただ、本当に俺はスキルアップの為だけに訳すので、正確な翻訳だとはゆめゆめ思わないで下さい。まともな訳が欲しいのであれば今からでもトイズファクトリーに泣き付いて日本盤を作ってくれるようにバタ狂いながら懇願して下さい。ちゃんとakiyama sisters inc.が邦訳を手掛けてるやつを。俺だってそんなもんがあればそっちの方が欲しいわい。
 もう、歌詞中にいきなり"Goldmine's Homeland Security"って言葉が出てくるけど、何なのか全く分からんもん。ビアフラが考えた架空の社名かなんかか?そういうレベルの人間が手探りで訳しましたよ。deepLとかいう翻訳サービスはTOEIC950点取れるらしい、とか言われてるこんな時代にね。俺は立身出世とか考える気力ももう無いままに、日本で訳されてないポルノ小説を読みたいからみたいなしょうもない理由だけで「この場合の不定冠詞は…」とかやってる中年でしかありません。

いつか読みたい

 という事で訳します。

Jello Biafra with The Melvins/McGruff The Crime Dog

オサマさん、ありがとう
あなたは現在の 我々の経済の救世主だ
今や自らの詐欺行為において
IT企業は窒息しようとしている
そこにゴールドマイン(金鉱)国土安全保障省が建てられた

国民の半分を雇って
もう半分を監視させればいいじゃないか
非雇用者なんていなくなる
もしくはプライベートな愉しみも
まあ、株配当の事でも考えよう

何を信じるべきか?
マクグロフ・ザ・クライム・ドッグだ!!
最初期からのT.V麻薬捜査官!

仕事で、学校で、遊技場で、自宅で
君がドラッグ・テストを受け入れてから
君は新しい仲間に大きな喜びを感じる事になる
そいつは何処であれ君の跡を追ってくる

いつもトレンチ・コートを着込み
マクグロフ・ドッグのマスクを付け
そいつが誰なのか知る事はない
聞かない方がマシな事を君は知っている

何を信じるべきか?
マクグロフ・ザ・クライム・ドッグだ!!
全てに配慮する存在!

君が寝ている時 彼は君を見ている
君が起きている時を彼は知っている
君が良い奴か悪い奴か 彼は知っている
だからマクグロフ・ザ・クライム・ドッグの為に良い奴でいろ
お前の全ての挙動を見ている
犬のマスクを付けている守護天使の為に

君が寝ている時はベッドの中にいる
家内侵入を防ぐ為に
君がセックスしている時は隣にいる
デート・レイプは許さない

君が仕事を怠けている時は
ケツに画鋲を刺してやる
我々は我々の生活を守り抜くのだ

怪しい活動は全て報告しろ
お前の友達を我々に引き渡せ
そしてテロリストが自由に行き来できる様に
お前の自宅を開け放しておけ

犯罪に齧り付こう!
犯罪を一口頂こう!

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
 このビアフラとメルヴィンズとの共作が発表された時に「メルヴィンズ(のバズー)が曲を作ってる(ビアフラが作ってる曲もあるけど)にしては構成がストレート過ぎる」という意見を、まあ否定的な意味で聞いた事があって、それももっともだと思いますが、俺は、メルヴィンズがこういうベタなプロテストソングに関わった事が面白いと思います。
 
 あと、犯罪で思い出したんですが、最近YouTubeで「グランド・セフト・オート6(GTA6)」っていうゲームを「ホロライブ」っていう事務所に属してるVtuberの人達がみんなで遊ぶ、っていう企画の配信の、それの面白い場面をホロライブのファンが切り抜いて纏めた動画を延々と見てまして。本当に華やかな世界でね。向こうの人達も仕事でやってるんでそりゃストレスとかもあるんでしょうが。「源平討魔伝」とか「ずんずん教の野望」とか「魔界村」とかのプレイ動画って、世界観が気色悪い上に単調だから見てる内にしみじみ嫌な気分になってくるんですね。その画面の下でVtuberが楽しそうにGTA6やってるサムネがサジェストされてて、でその下のサムネでおっさんがゲロ吐いてたら、そりゃホロライブ見るじゃん。いや、見ない人もいるのだろうが、俺は見た。

【#holoGTA】連日脳破壊されたりMVP級の活躍から一瞬でやらかしてオチ担当になってし まうござるさんの6日目 【#holoGTA切り抜き/ ホロライブ切り抜き】

 GTA6って、アメリカのどっかの治安の最悪な地域をモチーフにしたゲームで、プレイヤーはそこでコンビニ強盗からコカインの売買まで、マフィアを結成して港のコンテナの荷物盗んだりして何してもいいんですよ。それを遊んでるVtuberの人達が本当に楽しそうで。実際どうなのかは勿論知る由も無いけど。見てる限りは本当に楽しそうで。「自分がこの先こういう気持ちになれる事ってあるのだろうか」とか考えてしまって、マジで涙が出てしまいました。俺は思うけど、「気の合う友達と、ワイワイ騒ぎながらテレビゲームをやる」以上に楽しい事ってこの世に無いね。「ゴルゴ13」に「鬼畜の宴」って話があって、全ての贅沢をやり尽くした金持ちが二人出てきて、最終的にそいつらがハマるのが「ジャングルの奥地に出かけて、そこで罪の無い先住民を殺しまくって、その殺した数を競う」っていう最悪なゲームなんだけど、じゃあGTA6やってればいいじゃんって話ですよ。「鬼畜の宴」は1978年に発表された話なのでまだ初代ファミコンすら売ってなかった状況ではあったのですが。1978年にGTA6さえ売っていれば「鬼畜の宴」の悲劇は防げた。

 本当にね、人類が何故ここまで進化を重ねたのかっていうと、気の合う友達とグランドセフトオートとかモンスターハンターを遊ぶ為だと思うよ。ここが人類の終着点なんです。人間はそれ以上幸せにはなれない。それを勘違いして、大金出して美食がどうのとか夜景を見ながらのセックスがどうとかをやりだすから人類は今滅亡しかけている。みんなで蒸しパンでも食いながら楽しくモンハンとかを遊んでりゃ世界は平和になるんだよ。と言いながら、俺はやっぱりゲームはあんまやりたくない。なんだかんだ言いながら個性的でありたいので、皆がやっているゲームを楽しむよりかは、あんまり読まれてなさそうな本とか読んでたいのです。「レッツ・ロデオ」とか。

 これさえ読んでれば、いざという時が来たら牛に乗る事が出来るから。牛にさえ乗れれば流石に俺でもモテるだろ。

 あと、娯楽で一番「楽しさ」が高いのは、文句無しでテレビゲームだとは思うのですが、だが「悲しさ」となると、それはやっぱり小説や音楽の方が格段に上でしょう。最近ジェイ・マキナニーの「ブライト・ライツ、ビッグ・シティ」、コカインを吸いまくる編集者が主人公の小説を読んだけど、あの物悲しさにはGTA6でなんぼコカイン吸って銀行襲撃しても勝てないよ。おすすめです。必読。
 という訳で、最後にクライムがタイトルに付いた自分の好きな曲を貼って終わります。グレイトフル・デッドで「ビクティム・オア・ザ・クライム」です。

Grateful Dead/Victim or the Crime

 なんて気色悪い名曲なんだ!それでは、また来週〜〜!


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つやつやと実っている稲穂
なあ、頼む……たったの5ドルでいいんだって… 確かに昨夜はツキが無かったよな、ベニーがヘマ打っちまって…いや、イカサマじゃねえ、生まれ故郷のアリゾナに誓えるぜ、ただ必勝法があるのさ…次は負けねえよ…なあ、ハニー、5ドルでいいんだ…マンハッタンの夜景の様に俺を愛してくれよ…

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