同僚がハチに刺されました
今週の月曜夜8時にポストしたツイート↓
そして今現在が、夜勤を一仕事終えた火曜の朝なのだが、もうこのまま記事を書く事にした。水曜になっても何も変わらない。書けるうちに書いた方が良いのだ。
そもそも自分が言う「まともな記事」とは何なのかと言うと、「あの曲が好き、あの小説が良かった」みたいな単なる感想は文全体の2割くらいに抑えておいて、後はなんか、諸学問に詳しいお偉方も思わず唸ってしまう様な深い洞察を携えた独自の意見が書いており、その眼差しは、これから先の時代がどこに向かうべきか、その行く先すらも照射しているーー みたいな、そういう体裁の良い文章の事で、何故そういう文章を増やしたいのかというと、noteを書籍化してそれがベストセラーになって欲しいからだ。それで働かなくても暮らしていける様になって、どれだけ本を買っても汚部屋にならない位デカい家を神保町に建てて、そして毎日古本通りをフラついて暮らします。それが、僕の夢。
その肝心の本に「禁断の多数決を聴いて泣きました」「泣くまいと思いつつも、禁断の多数決を聴いて泣いてしまいました」「泣いてしまいました…理由は忘れた」みたいな無の情報ばっかり書いてあったとして、そんな下らない物を誰が買うだろうか?だからちゃんとした文章を書きたかったんですが、まあ、時間が無かったです。来週頑張ります。
そもそもこういうボヤキから個人情報が特定されていくんだろうとは思うが、仕事先にメチャクチャサボりまくる奴がいる。それでそいつが休んだ分の仕事を残された全員で分担しないといけない訳で、一応毎回「体調不良で…」とかそいつも休む理由は伝えてくるんだけど、今日の理由が本当に凄くて「ハチに刺されたので休みます」つってきたらしいんですよ。自分はそれを人伝に聞いた時に本当に唖然とした。ぐうの音も出ないとはまさにこの事。私は、そいつと自分との間に広がる、あまりにも歴然とした力の差にただ息を飲む事しかできなかった。「仮病界の範馬勇次郎」というフレーズが私の胸を去来した。彼奴(きゃつ)の細胞の一つ一つが「労働」という概念を否定し蹂躙している。勝てる訳が無い。格が違う。
それでそいつの分まで仕事して今帰って来た訳で、そいつの話を信じるならまあ広義のバイオハザードが起こった訳で、ハチのせいで俺は今疲れている。そんな状態において未来を見据えた眼差しの文章を書く事などなかなか出来るものではない。自分に今見据えられるのは、あいつが明日も休むに違いないという絶望的な未来だけだ。「ハチに昨日刺されたんで…」みたいな事を言って。それ"思い出"じゃんもう。「昔この川でハゼを釣ったので休みます」みたいな話だろ。いや、考え方を変えよう。仕事なんて皆でボイコットすればいいんだよ。許す。今週もユーチューブとか配信サービスとか貼りまくってお茶を濁す事に決めているので、ハチつながりで一曲好きな曲貼ります。ソフトボーイズのアルバム"ア・カン・オブ・ビーズ"から"Return of the Sacred Crab"です。
そんな訳で労働から解放されたいのだが、先日、興味深い事実を知った。自分がX上でフォローしているアカウントに、自分でスクショしたソーシャルゲームの女性キャラクターの写真と共に「かわいいねぇ~」「あ〜かわいい~」みたいな文章を付けてる記事、等を自作したサイトに毎日毎日投稿している人物がいて(物凄い数の人達にフォローされている)、自分はてっきりそのサイト(からの収入)はその人の副業かと思っていたのだが、どうやらその人はそれ一本で生計を立てているらしいのだ。「という事は、俺も頑張ればAikoを聴いて泣くだけの記事とか毎日投稿してるだけで(どえらい苦労だとは思うが)飯食っていけるのか?」と考えた時に、自分の人生に燦々とした希望の光が差し込んで来たのが分かった。昔たしかさくらももこのエッセイで「東南アジアには、他人の葬式に来て大袈裟に泣く、"泣き女"と呼ばれる職業が有る」と知り「ヒ、ヒエ〜」と思ったのだが、あれは未来の俺だったのだ。「猿の惑星」のラストが「ここは、未来の地球だった」と気付く感じで。好きな事で、生きていく。具体的にはJポップを聴いて咽び泣く事で。現代の妖怪と罵って貰っても私は一向に構わない。金には替えられない。そう言えば一時期自分の中で、大塚愛の"ビー玉"のPVを流しながらマリリンマンソンの"I Dont Like The Drugs (But The Drugs Like Me)"を聴き、それをやりながら強い酒を呑んで酩酊する行為がフィーバーしていたのを思い出した。いや、「ビー玉」は素晴らしい曲なのだが、PVが狂ってるのだ。サムネでもうおかしいじゃん。この大塚愛と相対してる小さい老人は一体?っていう。
大塚愛が小さい人達の願望を叶えていくって内容で、その中で小さい老人が宇宙服を着て踊るシーンがあるのだが、そのダンスが本当にマリリンマンソンの曲に合うのだ。
Marilyn Manson/I Dont Like The Drugs (But The Drugs Like Me)
で、この爺さんいいなあ、この人妖怪だわとずっと思ってたのだが、何の事は無い、時が経ってみれば自分もしっかり妖怪だった。先程貼った"ソフト・ボーイズ"の様に、パンク、オルタナティヴロック界隈には様々なボーイズ、ビッグボーイズ、デッドボーイズ、ゼロボーイズ、ヒップホップに目を転ずればファットボーイズ、ビースティボーイズ、ハードボーイズ、あとはペットショップボーイズとか…色々なボーイズが存在しており、私はそれらの曲を聴き己が身を重ねてきたのだが、時が経ち冷静になってみれば自分が所属していたのはボーイズ界隈でなく、"子泣きじじい、蛇骨ババア、砂かけ婆、てっち"等の「じじい、ばばあ妖怪界隈」だった。別にいいけど。
妖怪で思い出したけど、昔付き合っていた女性から聞いた忘れられない話があって、その人がよくバイト帰りとかによく行ってた漫画喫茶があったらしいのだが、その店名が「子泣きじじい」だと言うのだ。確実に嘘だと自分は思ったのだが、絶対に子泣きじじいだったらしい。自分が店を構えようとする時に、店名に「子泣きじじい」ってないよ。「有限会社 子泣きじじい」って経済社会で通用する概念じゃないって。100歩譲って、あったとして、子泣きじじいという名前の店に普通入らないって。子泣きじじいが欲しい人ですら入店前に一旦踏み止まって考えるだろ「この店、何?」って。
自分の考えなのだが、そこの店の店主は最初ビストロとか目指していたのではないか。「世界中のチーズを集めたお洒落な店にするぞ!」みたいな野望が、風営法のせいで店に竈を置く計画が頓挫、スポンサーからの圧力で店に大量の漫画を置く羽目に、みたいな事態が続き、 出来上がった自分の店を客観的に見たら「あーこれはビストロじゃなくて漫画喫茶だわ」となり、当初予定していた店名「ビストロ あしながおじさん」を一段階汚くして「まんが喫茶 子泣きじじい」に落ち着かせたのではないだろうか。「形容詞+男性」という括りでは同ジャンルだから。あしながおじさんも子泣きじじいも。
で、大昔の話で恐縮なのだが、その頃ラプチャーってバンドの「ハウス・オブ・ジェラス・ラバーズ」って曲が流行してて、その人から「てめえはラプチャーのCD持ってると思ってたよ」みたいな事言われて「何故!?」と衝撃を受けた事があって、その2つの「何で?!」感が物凄かった為、未だに、街を歩いててふと顔を上げた時にゲゲゲの鬼太郎の広告が目に入り、そしてそこで鬼太郎と共に躍動している子泣きじじいを見た途端、自分の頭の中のライブハウスでハウス・オブ・ジェラス・ラバーズのイントロが流れ始めてそしてオーディエンスが嬌声を上げフロアが熱狂する…みたいな事が起こる日がある。
House Of Jealous Lovers/The Rapture
久し振りに聴いたけど何がいいのか未だに良く分からない。別に歌詞が良い訳でも無いし…この頃から本当に「世間のヒット曲」をどう楽しめばいいのかが分からなくなっていった気がする。ハードコアバンドのRAPTは大好きですが…公式で配信サービスとかやってるバンドでは無いので何のリンクも貼れないですが…
そんな事を書いている内に一日が経った。また一日、夜勤の仕事が終わって水曜の朝になった。そしてハチに刺された男は案の定今日も来なかった。俺は今ハチのせいで疲れている。自分や同僚が本気で危惧しているのは「あいつはもしかして今日の夜も休むつもりか?」という事だ。ハチに刺されたという理由で取った休みが3日目に突入。あるのか?そんな事が。ハチの、害虫としてのポテンシャルをそこまで高く見積もらないといけないのか?自分が考えた可能性が、今日の夜にそいつから「お医者さんからさっき連絡が来て、僕が刺されたのってハチじゃなくてヒアリだったらしいんですよ。なので大事を取って今日は休みます」みたいな連絡が来るかもしれないという事だ。害虫の危険度を後から修正。さぼりの後述詠唱。たまったものではない。いや、嘘。仕事なんて好きなだけ休んで下さい。健康が一番ですよね。頑張れ!僕は、ずっと、ずーっと応援しています!何を応援しているのかは忘れました。
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あと1200字位文字数を増やしたいので適当に思い付いた事を書くが、最近、NHKの受信料払って下さいみたいな封筒が家に届いて、「家にテレビが無い方はこの通知を無視して下さい」と書いてあったので無視していたら先日また届いたのだが、あれは一体何なのだろうか。昔NHKの料金受取人みたいな人が家に来た事があって、その時自分の家に置いてあるテレビは完全に壊れていたので(その後は廃棄したままで別に買い替えとかしてない)その人の前で電源入れてちゃんと説明したんですよ、こういう感じで壊れて砂嵐しか映らないし、そもそもビデオを再生する為だけに使っていたんで地上波はもう何年も見ていませんって。そしたらその人が凄い事言い出したのよ。「でも、これはテレビですよね?」って。ちゃんと映らなくてもテレビが家にあるなら受信料を支払わなければいけないとかマジで言い出して。狂人の理屈でしょそれ。だったらお前らナム・ジュン・パイクのインスタレーションとかからも受信料徴収すんのかよって話じゃないですか。「あなたは本当におかしいですよ」と伝えて家から追い出したんですが、テレビという物は一体何なんでしょうか。僕には一切分かりません。
数週間前、スティーブアルビニが関わったアルバムを自分はあまり持ってない、みたいな文を書いたんですが、最近スペースストリーキングスのアルバム「七徳」がアルビニ録音だということを知りました。自分の大好きなアルバムであります。その中から、誰もが笑顔になれる様な、素敵な名曲「甲斐甲斐スクラッチ」を貼ってこの文を終えたいと思います。それでは、お体にお気をつけ下さい〜。
甲斐甲斐スクラッチ/スペースストリーキングス
また来週!
ありがとうございます!