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おとなの相談の乗り方? ~キーガンのAdult Develomentから~

はじめに

最近の僕のコミュニケーションの目標は、相手にエネルギーを与えることだ。
しかし、色々なコミュニケーションのうち、相談に乗るのが苦手なほうだ。
どうやって相談に乗るか、人の成長段階についての理論からインスピレーションを得たので、考えを残そうと思う。


【理解】キーガンの成人発達理論とは

理論の概要

あなたは成人発達理論 (Adult Development Theory) を聴いたことがあるだろうか。
「おとなも生涯にわたって発達しつづけるよ!」
という理論のことだ。
知性や意識の発達は生涯続くとされ、成人には4つの段階があるとされる。

  • ちなみに、成人の割合は次のとおりらしいです。

    • 利己的段階 … 約20%

    • 他者依存段階 … 約70%

    • 自己主導段階 … 約10%

    • 相互発達段階 … 約1% 

@uemura_HR氏のTweet

成人発達理論についてもっと詳しく知りたいなら、以下のリンクを参考にしてください!

  • uemura_HR氏によるTweet

  • 寺本美欧さんのnote『おとなも発達しつづける?~キーガンとadult development~』

  • ロバート・キーガン/リサ・ラスコウ・レイヒー『なぜ人と組織は変われないのか』

  • スキーマ療法

    • 第2世代の認知行動療法の1つの手法。その人固有の信念(=スキーマ)を修正するのに役立つ。自身の発達を早めるテクニックだと僕は考えています。

今のあなたはどのステージか?

■あなたはどのステージか?
……。
急に言われてもわかんないっすよね。
僕自身のステージを考えてみました。
あなたがどのステージにいるのかを知るヒントにして下さい。

■僕のステージは
3つめの自己主導段階だと思います。
ただし、人が成人発達理論のどのステージにいるのかは、明確な区切りがあるものではなく、4区分の割合で決まるものだと僕は考えます。

このモデルの特徴は 一カ所のステージだけにとどまらず、いったりきたり、はたまた二つのステージの狭間にいたり、と変動しつづけることです

一度self-authoringmindにいったからといって、すぐにself transformingにいけるわけでもなく、またsocializingに戻る、ということもあり得るわけです。

おとなも発達しつづける?~キーガンとadult development~ 寺本 美欧さん

なぜなら、寺本さんのnoteでもこのように紹介されており、ステージには「狭間」があるためです。

そのため、僕のステージは正確には下図のような割合で表されるものだと捉えています。あなたは自分のステージをどう捉えますか?

hiba_funのステージ

【実践】相談に活かすには?

①ステージごとの壁とエゴを知る

ではどうやって相談に活かせばよいでしょうか?
次の3つのステップに取り組みましょう。

  1. ステージごとの壁とエゴを知る

  2. 自分と相手のフェーズを見立てる

  3. 自分のエゴに注意して相談にのる

まず、事前に知識を付けましょう。
成人発達理論のステージごとに、立ちはだかる壁と相談にのる時に注意すべきエゴを表にまとめました。

各ステージごとの壁とエゴ

「イメージ(陽)」「イメージ(陰)」では、少し粗雑な表現を使っています。
不快に感じた方がいたらごめんなさい。
壁やエゴは、想像と経験談で書きだしています笑。

②自分と相手のステージを見立てる

次に、悩み相談をされた時に、相手のステージを見立てましょう。
「今の自分ならこうするよ!」というアドバイスをしがちですが、ステージが違う相手には、「まぁわかるけどね…」と微妙な反応をされるでしょう。自分と相手のステージが違えば、立ちはだかる壁と求めている答えの質が違うからです。
相手のステージを見立てたら、どのステージの思考を取り入れることが相手にとって救いになるかを考えましょう。
1つ下だったり2つ上の可能性もあります。これが妙に大人びた年下の子が求めている回答だったりします。
そもそも相手が感じる壁を、自分が理解することなどできません。求めている助言を必ずできる保証はないんですけどね。

え、自分より上のステージの人の相談が来たらどうするかって?へーそういう問題に悩むんだ!知れてラッキー!と思って、ひたすら壁打ち相手になりましょう。「壁打ち」とは質問をすることです。僕らに出来るのは、なんのアドバイスもせず、相手の関心事に好奇心を持って質問し続けることだけです。

③自分のエゴに注意して相談にのる

■いつでも注意すべし
相談した人にとってのゴールは、納得するかどうかだけ」と心得る。
あなたが答えを授けるかどうかは、解決のいち手段でしかないです。
これは性別・年齢を問わず全ての人間に言えるはずです。

■自分のエゴに気付いて制御すべし
自分のステージを自覚して、ついやってしまいがちなエゴを自覚しましょう。
仕事で配下メンバーへのレビューに慣れると、自分が何でも解決できると勘違いしがちですが、そんなことはないです。

エゴと戒め

どのステージであれ相談にのる側のエゴが極端になると、悲劇が生まれます。
あなたが相手の悩みを解決する手助けをしたいなら、戒めの言葉を思い出してエゴを抑えましょう。

お節介な僕から

ついお節介をしがちなあなたへ、この問いを時々思い出してください。
あなたは相談に乗ることで、その人にどうなって欲しいですか?』

自分を尊敬の目で見て欲しいですか?
ー悪くないと思います。
 ではこれからもずっと自分を頼って生きていって欲しいですか?
 自分が死んだあとの相手のことはどうでもいいですか?

僕は、相手に「エネルギー」が湧き上がって欲しいです。
相手らしく生きるためのエネルギーです。
相談にのる時に常に自問すべきなのは、相手に壁を乗り越える力をあげられているか、だけだと思うからです。

相手の悩みを解決するよりも、相手に壁を乗り越える力を与えたいのなら、
相手から壁にぶつかる機会をむやみに奪うべきではありません。
悩む時間や問題を解決しようともがくことで得られる経験は、その人の資産になるからです。

想像してみてください。
あらゆる壁を取り外されて生きてきた人間と、
何度も壁にぶつかりながらも乗り越えてきた人間を。
あなたにとって、どちらがより魅力ですか?

おわりに

最近人の相談に乗ることが増えてきたので、作戦を立ててみた。
作戦は検証が必要。実践して確かめていこうと思う。
相談の乗り方を磨きたいあなたに届きますように。


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