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【詩の森】おかしなルール

おかしなルール
 
中身のない退屈な話を
長々とできる人は
権威主義的な人です
なぜなら
私は偉いのだから
聴衆は聞くべきだと
考えているからです
それを
じっと聞いている人も
権威主義的です
なぜなら
中身がないのに
偉い人の話だからといって
有難がるのも
権威主義だからです
 
そんな風なので
外面的には進歩
しているように見えるこの国も
明治以来少しも
進歩していないのです
僕のいう進歩とは
物質的な豊かさのことでは
ありません
だれひとり
差別されることのない
社会のことです
弱者にやさしい
社会のことです
 
この国の
おかしなルールは
すべて誰かの利益のためです
この国には
同じ仕事をこなしているのに
二種類の労働者がいます
正規と非正規です
不景気になったら
直にクビにできるように
するためです
企業の利益のために―――
 
この国で議員になるには
莫大な供託金がかかります
情熱と支援者の数だけでは
議員にはなれなのです
次も議員になりたい人は
お金儲けに走ります
お金を援助してくれる人に
従うようになります
政治をダメにしているのは
この供託金です
最高600万円の供託金
若い人に払えるでしょうか
大正時代の
おかしなルールが
お化けのように今でも
いきているのです
 
消費税も
おかしなルールです
食料や日用品が
贅沢品と同じなんて国は
日本だけです
その最大のおかしさは
税の徴収法にあります
そして
消費者から
税を徴収できない輸出業者には
戻し税といって
税金が戻ってきます
自動車業界には何千億も―――
このからくりを
以前に解明したことあります
人によっては
中小企業潰しという人も
あります
 
権威主義的な
この国では
官僚が法律をつくります
政治家の答弁書も
官僚が書いています
官僚は
日本の教育制度が生んだ
エリートたちです
政治家は
官僚たちに利益を与え
官僚たちは
政治家に便宜を
与えつづけています
そして官僚は
企業へ天下ったり
政治家に転身したり
しています
その凭れあいの構造も
おかしなルールの
一つです
 
この国では
主権者である国民が
置き去りにされた
ままなのです
 
 

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