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ブックバインディング その3 丸背・夫婦函

◆丸背

丸背は糸綴じの本を利用したくるみ製本を作ります。
元の本を完全に分解して糸でかがり直し、背を丸くして表紙をつけます。

①本文の準備(採寸、分解、掃除)
②見返しに遊び紙を貼り和紙で補強(2セット)
③モンタージュ(カバーを加工し本文に貼る、角背③と同じ)
④全折丁に穴を開け、綿テープと一緒に針と糸でかがる
⑤背をボンドで平らに固めた後、金づちでたたいて丸み出し
⑥プレス機で挟み、金づちで背を丸く倒して耳を作る(キノコみたいな形になる)
⑦花ぎれ
⑧寒冷紗
⑨クータ
⑩表紙ボール紙を切ってカルカスに貼る(平2枚)
⑪表裏ボール紙を加工する
⑫本文をうーすで巻き、カルカスと仮固定する
⑬カルカス+ボール紙にクロスを貼る、背の段差を埋める
⑭カルカスと本文の背を貼る
⑮見返しを貼る→プレス機で挟む

私はクロスの切り替えをしないデザインにしたので、カルカスという厚紙を使ってクロスを貼りました。切り替えがある場合は角背と同様の作り方のようですが、背の部分はどうするのか不明です。自分の作業に必死で聞く余裕がなかったので知りたいです。

角背は時間が足りなくて大変だったので、丸背は確実に完成できるように、シンプルに、かつ角背では使わなかった手法を取り入れたものにしました。それでもやっぱり時間が足りず、お昼休みは5分で食事を済ませて、授業前後も教室にいられる時間はぎりぎりまで作業していました。

丸背の本は美術書にしました。普通に読みたかった本で、レポートを書く時にも活用しました。糸綴じの本でなければならないので自由に選べるわけではないのですが、できれば好きな本を見つけて完成後も楽しんでいきたいと思っていたので、すごく気に入っています。


◆夫婦函

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丸背がぴったり入るサイズで函を作ります。
内箱に本が入り、外箱に内箱が入ります。表紙や背にデザインする場合は、本と同じ向きに開くように作ります。

函は作り方を教わって授業ではできるところまで作り、残りは家で作ります。授業中に完成できた人は一人くらいでした。

①本の寸法を測る
②内函を作る(底:色紙を貼る→ 枠:縦1本横2本をクロスに並べて貼る
 → 底と枠を貼り合わせる)
③外函を作る(内函と同様)
④表紙のボール紙(平2枚、背1枚)を切ってクロスを貼る(角背⑩と
 同じ)、段差を埋める
⑤表紙に内函→外函の順で貼り付ける→ 中に物をつめて板と米をのせて
 1晩置く

最終日にうすらボンドをもらって帰り、家で仕上げました。
函は本以外の用途でも作れそうで、夢が広がります。


布張りの本も函もかっこいいし、これを自分で作れるというのがすごいと思います。この文章を書いていたら道具が欲しくなってきて、プレス機を調べたら3~4万円くらい・・・。ひとまず本やお米で代用しよう・・・。


【ブックバインディングで買ったもの】
筆           ¥475
カッターナイフ     ¥160
目打ち         ¥108
ラベル用紙       ¥1,166
トレーシングペーパー  ¥108
三角定規        ¥1,440
カッティングマットA3  ¥1,040
スクーリング材料費   ¥2,000

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