ブックバインディング その1 和綴じ
ブックバインディングは
・和綴じ(昔の和書の形)
・角背(背が平ら、絵本の形)
・丸背(背が丸い、一般的なハードカバーの形)
の3冊を製本します。
そして
・丸背用の夫婦函
も作ります。
家でも趣味で作りまくりたい!と思うくらい楽しかったです。
ただスクーリングは圧倒的に時間が足りず、かなりハードです。細かくて厳密な作業を素早く進めなければならず、全く余裕のない6日間でした。
受講生は36人で、制作中は3クラスに分かれました。各クラスに先生と助手さんがいます。
持ち物は、スクーリング持参物に補足すると
・文庫本または新書本 初日に絶対必要
・糸綴じの本 糸が見えるページがある本(写真中央)
古書店で買ったという人が多いようですが、私は普通の書店で買いました。紙が柔らかい方が製本しやすいようです。私は厚手のコート紙のような本で、先生に難しいかも、と言われましたがそのまま使いました。形をきれいに整えづらくて力が要りました。
・カッター ごく普通のもの。大型のものを持っていくと怒られる
・直定規 必ずステンレスのもの
・水入れ容器 ジャムの瓶など。密封できる容器を持っていくと、最終日にうすらボンドをもらえます
・目打ち 細いところが長いもの。100均でOK
・エプロン
です。
スクーリングの流れは
1日目 前提講義 2時間くらい
↓
和綴じ制作
↓
1日目夕方~3日目午後 角背制作
3日目午後~6日目午後 丸背制作
6日目午後 丸背用の保存函制作(函は完成しなくて良い)
という感じです。角背と丸背は途中同時進行します。
表紙のデザインは、角背は1日目にサイズが決まるので、それに合わせて考えて2日目に先生にチェックしてもらいます。丸背は3日目にサイズ確定、4日目に先生のチェックです。
◆前提講義
前提講義では本の構造・機能・歴史についての話を聞きます。本の各部の名称は、制作時に自然に覚えていきます。
◆和綴じ
和綴じの形は、本文(ほんもん)+見返し+表紙です。紙と糸から作ります。
①本文の紙は2つ折り(袋になる、ばらけている方を綴じる)
②見返し2枚は本文と同じ大きさに切る(袋にしない)
③見返しと本文を重ねてうーす(紙の帯)で巻き、のどに穴を開ける
(4か所)
④和紙こより2本、ひも状にねじって穴に通す
裏→表→裏に通して一つ結びし、結び目を軽く湿らせてたたく
⑤角切れ(かどぎれ)2枚、背→天(地)の厚みから平に貼る
⑥本文と同寸の紙を表紙用色紙でくるむ(額縁のような形)
⑦全て重ねてうーすで巻き、本綴じ用に穴を開けて、針と糸で綴じる
紙の目は背に平行にします。紙を化粧裁ちする、へらで段階的に折り目をつけるなど、きれいに仕上げるための工夫がいろいろあります。他の製本でも同じなのですが、丁寧に作業をしていくと、ほんとに仕上がりがきれいで気持ちがいいです。
本綴じの穴を開ける位置を調べて型紙を作っておけば、1時間くらいで簡単にできそうです。その辺の紙でも作れるし、凝っているように見えます。綴じもいろいろ種類があるから試してみたい。
和綴じを作っているときは、まだあまり急かされず、みんなのびのびと作っていました。
その2 角背へつづく
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