♨️zineを読む「共同体研究記vol.1」
只今絶賛引越し中で、湯船に浸かることができない日々が続いていてzineも読めていない。
湯船には浸かれてないけど寝るまでに時間ができたので一冊読むことにしました。
♨️「共同体研究記vol.1 共同体について考えたインド50日間の旅 特集:オーロヴィル」
著者 : 川崎光克
神戸の1003書店さんにて手に入れました。
ハンドクラフト感のある装丁が素敵。
共同体についての研究をしている著者が、南インドにあるオーロヴィルという町に約1ヶ月滞在し、そこで実践されている思想とそれに基づく暮らし、社会システム、人々の精神性などについて参与観察した記録。
一見ヘビーな内容に感じるし、初めて知る事柄ばかりで濃厚な内容だけど、著者の実体験ベースで都度説明やイラストが入っていてすいすい読めました。
ある哲学者の遺志を受け継いだ思想とそれを目指す場としてのオーロヴィルという共同体。
なんかこう…「世界って広いなあ…」というすごくシンプルで浅い感想が出てしまう。
それはこのオーロヴィルの目指す理想とその精神性の深さ故に、自分の考えていること、知っていること、できることがマジでちっぽけだなあと思わされるというか、
ていうかそもそも自分が何ができるとか何を知ってるとか、そういうことに囚われている時点でもう資本主義的な発想なんだなと、もう根本から別の世界の話なんだと気付かされる。
様々な暮らしの工夫や実践が為されているオーロヴィルにおいても、やはり金銭が必要な場面や、矛盾やトラブルは発生するし、オーロヴィルの掲げる理想は簡単に実現できるものではない。
そうであっても、自らを高めていこうという姿勢だとかコミュニティのために奉仕する気持ちだとか、少しでも改善しよう、自覚的に生きようというマインドと小さな一歩こそが理想(のコミュニティ/自分)に近づくために必要なことなんだと、この共同体は教えてくれます。
遠く離れた南インドの現代陶芸と日本の民藝に接点があることも驚きでした。
現地に行って体験するには遠く及ばないでしょうが、初めてインド行ったみたいに感想が湧いて出てくる。未知の世界を深く知れて面白いzineでした。