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好きだったらなんでもありなのか?

「ちぇりマホ」で町田啓太くんにハマったので彼の出ているドラマを漁る。そんな中町田くんと言うより内容が気になった2018年の作品。

題材が中学生と女教師の恋なので夜中の作品となるが「中学聖日記」。

町田くんは主演有村架純ちゃんの恋人役として登場する。優しくて明るいイケメン、仕事のできる商社マン川合勝太郎。主人公とは遠距離なのだがプロポーズしている。

さて主人公の末永聖(ひじり)は25歳の国語を教える中学生教師だ。担任している三年生のクラスに勉強も運動も出来るが少し内向的で反抗的な男の子黒岩晶(岡田健史くん)がいる。

晶(あきら)は担任の末永聖にイラつくがそれが恋心だと気が付いてから猛烈にアタックしていく。

これは原作がレディコミだからそんな展開なのかな?と思ったが、とにかくまっすぐなのだ。

「僕、先生のこと好きになっちゃいました」

しかし相手は15歳。いくら身長が高くても大人っぽくても少年なのだ。

黒岩晶役の岡田健史くんはこの作品のためにオーディションで選ばれてデビューしている。演技は当然うまくないのだが、生真面目な中学生ならこれでいいのかもしれない。しかし中学生を演じるも15歳には見えない。もっとも年齢がこの時まだ19歳だったのだと思うと随分大人っぽい子だなと思うのだけど。有村架純ちゃんは主人公と同年齢だからまぁいいとしてこの15歳は、ない。

私は岡田くんを見たとき「純情クレイジーフルーツ」(古い漫画で申し訳ない)の花椿くんを思い出した。(主人公のパンチラを見てひとめぼれした野獣の様な男子高校生。そう、高校生の役ならちょうどいい。「純クレ」は半ばギャグ漫画だから花椿くんみたいな動物的な部分のある男の子が描かれていてもいいのだけど)

10代って理性より感情で動くからこんなもんなのかなぁと思って最初見ていたがドラマとしては「出会ってしまった運命の相手」としての描き方なんだろうな。

晶の方は周囲は関係ない、自分が先生を好きで避けられるのが嫌だから

「先生、僕を嫌いにならないで」

と抱きつく。いや、体がね大人な訳で(ガタイがいいから)あたまの中がお子様でも力ずくでグッと手を引かれたら体ごとポンと懐に入るくらい女性は小さいということを全く分かってない。で、問題はそれにドキドキしてしまう先生にあるのかなと思ったり(有村架純ちゃんかわいいけど)

最初は相手にしないようにしたり距離を取ろうとしている主人公な訳だけどどうにも抗えない自分の気持ちに気が付いてしまう。この男子生徒に自分が恋をしていると。

恋するのに年齢も性別も職業も何も関係ない。純粋に人を恋することがこの作品のメインテーマなのだけどそうしてながめてみると私たちがいつもいかにフィルターを通して人間関係を築いているかと思う。

ここでふとそばにいる我が次男に聞いてみる。

「なのさ、男子中学生が10歳上の先生を好きになっちゃうなんてあるのかね?本当に」

すると次男は

「あるんじゃない?普通に。でもまぁ、それはインコーになっちゃう訳で」

と言う。そういえば次男は男子校なので周囲に女の子がいないが好きはタイプは宮崎あおいであった。年が上でもOKだと言っていたしマジな話らしい。

さて、これはドラマだと言いながら男子中学生に恋するという違和感を覚えながら作品を見ていった(町田くん出てるし)。

このドラマ、中学校3年のひと学期の出会いと別れのあと3年後の出会いと別れ、そして更に5年後の再会が描かれている。

強引な男子中学生からのアプローチに自分のこころを封印しきれずキスしてしまう主人公。だがそれは世間が許さない関係。

町田くん扮する勝太郎は主人公聖の気持ちを知るも自分と一緒に暮らそうと提案する。

先生と生徒という間柄、未成年と成人女性としての間柄から学校を辞め逃げるように街を離れる主人公聖。

自分の気持ちが通じたと思い

「先生、おとなになるから、それまで待って。行かないで」

と追いすがる晶。

ここで結局主人公は黒岩晶の前から姿を消すが、同時に町田くんの扮する川合勝太郎とも別れる。川合の運転する車に追いすがりながら上のセリフを言い自転車ごと転ぶ黒岩の姿を見て自分のこころに嘘をついて一緒になることが出来ないと感じる。

この時点で川合勝太郎はとても傷つく。傷ついているのは自分よりたかが中学生に自分のフィアンセを取られたことであり本心から主人公末永聖を愛していたかはっきりしない。

黒岩、川合両方の元から去った主人公はそれでも教師の職を再度得る。

今度は小学校の教職。偶然3年後晶を見かける。

晶の方は自分と聖を引き裂いた母親との関係がこじれ知り合いのところに下宿しそこから高校に通う。この街と聖の街が近いのか?となるがドラマなので出会ってしまうことになる。

この小学校で同じ職場の同僚として登場する野上先生(渡辺大)は主役末永聖が好きなのだが、同時に良き理解者として登場している。出だしたまたま二人で仕事のからみで買い物をしているときに偶然に晶を見つけた聖が気が付かれないように逃げだすのだがその時野上には聖にとってその高校生が特別な存在だと何となくわかってしまう。

のちに聖の過去を聞いても過去から変わってこれからの人生を自分を受け入れ共に歩んでくれることを望む。そして何度も晶と出くわす機会が出たときは聖の気持ちを尊重している。ここは川合勝太郎とは全く違っていて聖の幸せを願う。恋敵なのに聖の背中を押す人物として登場する。

この話の中にはいろいろな愛や恋の形があって見ていて私の中ではこの人物と一緒になるのが多分一番幸せなのじゃないかと思ってしまうのだが運命の相手というのはそういうものではないらしい。

聖は自分の本当の気持ちを隠して野上との生活を考えようと思い始めるがひょんなことから晶から連絡が入る。

実はこれより前に聖が小学校の教員をしていることを教えられいてもたってもいられずその学校に行ってしまう。晶は相変わらず衝動的に行動する子供に描かれている。(この場面を聖は知らない)

晶はこれが最後の会話だと思って連絡するのだが「最後」の言葉に聖は勘違いして(晶は父親に会うために無断で家を出たのを家出と勘違いされている)晶のもとに行ってしまう。

晶の父親は一日一本しか船がない島にいてその日は島の祭りのため宿泊施設は一杯だった。だが一緒の家に泊まるわけにはいかないと思った聖は一晩船が出る場所で宿泊するが翌日は沖があれ船は欠航。キャンプ場のロッジに宿泊することになったがいつまでたってもチェックインに来ない。心配になった島の住人が晶に知らせると雨の中探しに行く晶。聖はキャンプ場で足を滑らせ動けなくなっていた。晶に見つけられた聖はそばの小屋で一晩一緒に過ごす。ここでふたりは3年前の花火大会でのキスをした時と気持ちが変わらないことをお互いに確認する。再びキスを交わすのだが母親にきちんとわかって貰わないとならないからとそれ以上のことはなく明け方を迎える。

感情に流されそうになりながら踏みとどまるのは良いが結局母親から怒りを買うことになる。(そりゃそうだろうなと見ていて思う)

聖はせっかくつかんだ仕事も退職し野上ともそれきりになり実家に帰る(何度も懲りないのが驚く)。

しかしいつまでも親に迷惑をかけるわけにいかないと家から出て仕事を探し始める。晶の方は大学受験のため希望校を決める。

勝太郎はシンガポールに転勤が決まり、もう一度聖に一緒に行ってくれないかと言いに来る。あの時自分がどうして追いかけることをしなかったかそれが彼の傷として残っていたからだ。

その前に勝太郎は晶に今の晶では聖を幸せには出来ないということを言いに行く。それは聖の夢が教師を続けることであり、今の晶と一緒では聖はその夢はかなわないからと。

その言葉に晶は聖にもう冷めたと連絡する。自分が聖の足かせになると思ったからだ。彼は彼なりにこのあたりで大人になり始めてきた様子だ。

晶にそう言われた聖は傷つくが勝太郎の言葉を受け入れることはしない。自分のこころに嘘をつかない。例えどうであれ逃げない聖になった。今まではどこかで世間から受け入れられる居場所を見つけて折り合いをつけようと思っていた。冷めたと言った真意を聞きに行く聖に警察が。

晶の母親が警察に連絡し未成年を連れまわした容疑がかけられた。

結局ふたりは引き離される。今後は一切晶に会ったり連絡をしない旨を弁護士を通して一筆書くように促される。

それを知った晶は聖に会いに行くがドアを開けて貰えない。聖の中で自分と晶の関係を冷静に考えた結果、晶のことを考えたからだった。

一週間の猶予のあとその用紙を渡しながら話す聖の言葉が印象的だった。

黒岩くんとはもう会いません。彼に必要なのは未来です。どんなにこころで思ってもそれをおもてに出してはいけなかった。彼の時間や距離や可能性を奪うことは出来ないから。

ここでやっと一番大切なことを口にする主人公末永聖。ちょっとびっくりしてしまった。そしてそうか違和感を感じたのはここだ!と思ったのでした。

現実でも10歳差のカップルはいる。だけど未成年との恋は相手の未来を奪ってしまう危険がある。

ものがたりはこの後晶が社会人になった後に母親からも許しを得て再会する。最終二人はハッピーエンドで終わる。

お話だと思っているからいいけどこんなこと現実にあったら(実際自分の息子がこれだったら困る)私も子供に嫌われても引き離すだろうなと思う。

町田くん目当てでみたのにとんでもなく考えさせられるドラマだった。

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