
ライバルは清少納言~きょうのちょっと良かった出来事
若かりし頃女子大を受けたのだが筆記の他に面接があった。
今では私が通ったその学校に女子短大というものは無くなってしまい国文学科というものも存在しない。
しかし当時はひと学年500人ばかりの女子が校内にひしめき合っていた。
当時は女子大全盛期だったからこぞって受験したのだろう。
さて面接時(大学の教授だったと思う)に
「源氏物語は好きですか?」
と聞かれた。私は源氏物語より「枕草子」が好きだったから
「清少納言の「枕草子」の方が好きです。
当時の人ははっきりと好き嫌いを言わなかったと思いますが
「枕草子」の中で清少納言ははっきりと自分の好みを言っている。
それってすごいと思います」
学校の特徴を全く理解していなかったのでこんなことを話したが
本来この学校は「源氏物語」を毎年必修科目に置き
源氏を研究する先生が権威であった。
面接は大した評点にはつながらなかったらしく
こんなことを言った私も合格したのだが
今でも清少納言はすごいなと思っている。
むかーし昔の時代に自分の好き嫌いをはっきり口にし
文章に書き後世に読まれて継がれている(教科書にも載るので知名度も抜群!)随筆文。
春はあけぼのから始まる誰もが知っている出だし。
あぁ、私もあんな風にみんなに親しんでそらんじて貰える
随筆が書いてみたいぜ。マジリスペクトだ。
しかも自分の好きなことを好き勝手に(そんなこともないのかもしれないが)書いている。そしてそれがゆるされる。
やっぱり清少納言は最高だ。
そんな私は以前にも書いたが日常系のエッセイが好きだ。
小説なんかより数段事実を主観でバリバリに書いた随筆が好きだ。
さて主観バリバリで今日の出来事。
会社のTくんは社内恋愛の末年上の美しい女性を射止めた。
女性の方が10歳上なのだが美しいものだから
「なぜ彼と??」
と誰もが不思議がる。Tくんはなんだか頼りがない。
女性の方はしっかりして気立てもいいのでみな
もったいない、と内心思っているだろう。
あれじゃなくてもいいだろうくらいに絶対思っている!!
…で、そんなTくん。今朝
「あのぉ…」
と背後にやってきた。彼は弁当屋のランチを頼むのだが
その金を持ってきたのかと思って振りむこと
「こんな時期なんですが、家族で旅行にいってきたので…。
いつもありがとうございます」
ときび団子を渡す。彼は私と同じ部署ではないし、お弁当を
注文する時しか話すこともない。
こちらは思わぬことに
へぇー
と思ったが、本人は真っ赤な顔をしている。
とつぜんで照れ臭かったのかもしれない。
感謝されるようなことしている訳でもないのだが
と思っているとささと行ってしまった。
横の女性に
「なんでー?」
と驚かれたが
「さぁ、いつも頼んでいるからかしら?
自分の部署で余ったからかもしれないし
奥さんにいわれたのかもしれないよ。ちょっとは気を使えって…」
午後になり奥さんの方は同じ部署なので
他の菓子を手渡しに来た。
「午前中にだんなさんからも貰ったよ」
ときび団子をみせると
「おー、ラッキー。これ美味しいよ」
と笑っている。どうやら気を使えと言った訳でもなさそうだ。
彼が自分で考えて持ってきたと思えた。
なるほどね。案外とシャイな人柄なのかもしれない。
もっとも彼も既に小学生の子供を持つパパであるが。
そんないい歳したおっさんが顔を赤らめて照れている姿というのも
案外と女性のこころをくすぐるものなのだなぁと
まんざら悪い気もしない私だった。
いいなと思ったら応援しよう!
