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【私の読書1】星新一『明治の人物誌』

星新一 『明治の人物誌』新潮文庫

ショートショートの名手といわれた星新一が書いた作品です。

何故 野口英世・伊藤博文・エジソンなど、伝記作品でも有名な人物の話を書いたのか?

それは星新一の父でもある星一が関わってきます。

福島県いわき地方の農民の子として生まれたが、東京へ出て学び、さらにアメリカへ渡り苦学しながらコロンビア大学を卒業した。
帰国して製薬業をはじめ、それは順調に発展した。
アルカロイドに着目し、外科手術に不可欠なモルヒネの国産化に成功した。
星新一『明治の人物誌』より

この本は、息子(星新一)からみた星一の伝記でもあります。

星一が実業家として出会った人物達をいわゆる偉人伝として紹介するという、少し変わった作品となっています。

個人的に印象に残ったのは、『伊藤博文』の伝記です。
伊藤博文の経歴は割愛しますが、なかなか人間味溢れる気さくな人物だったそうで、面白いエピソードもいくつか紹介されていました。

新喜楽という料亭で酔っ払ったあげく、新しいフスマに女の顔をいくつも落書きした。あとでそれを知らされ、詩ならまだしも、ああいうのは困ると、金を払うから貼替えしてくれと頼んだ。
しかし女将に「あれはいい記念になります」と答えられ、伊藤も弱ってしまったという。
星新一『明治の人物誌』より

いわゆる厳格なイメージが強いですが、伊藤博文が酔っ払って女の絵を描くなんて、こんな陽気なエピソードがあるのが意外でした。

こういった興味深いエピソードを交え、
星一と偉人達がどう関わっていったか、分かりやすく紹介されているので、興味がありましたら、ゼヒ読んでみて下さい🙇

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