39.乳がんレントゲン画像
乳がんが見つかった時のマンモグラフィーや超音波検査、CTやMRIの検査結果が焼かれたDVDが返却されたので、手術が終わった今見返してみることにした。
がんが宣告された時に、「DVDはお返ししますね。」と返却された時は、
「こんなもの返されても...」
と、正直思った。
受け入れられない現実を自ら見返すなんてありえないと思っていた。
再びこのDVDを病院に持っていくようなことを考えたくもないし、病院で診るものが自宅にあっても...とは思ったが、その場では捨てることが出来ずに、病院の請求書や検査結果とまとめて保管しておいた。
手術が終わった今なら、当時自分の胸の中にあった爆弾と対峙できるかもとふと思った...思ってしまった。
不安な気持ちと、私に湧き上がった僅かばかりの好奇心が交錯する中、しばらく立ち上げていないパソコンの電源に手をかけた。
ちなみに私のがんは右乳房の外側にあり、一番発生しやすいと言われる位置にあった。
※レントゲンの画像は左右が逆のようで、向かって左が右のようです。
◆◆マンモグラフィー◆◆
正直、素人の私はマンモグラフィーの画像からどれががんなのか判別できない。
マンモグラフィーやっておけば大丈夫と勝手に思っていたけど、私みたいなタイプ(乳腺症)はやはり超音波検査と併用するか、1年置きに検査を変えるかした方がいいのかもと思った。
◆◆超音波検査◆◆
人間ドッグの触診で引っかかり、急遽超音波検査を追加。
その時の画像。
この画像の+で、囲まれた黒い部分ががんらしい。
横幅23.0mm 縦幅13.8mmと書かれている。
◆◆CT◆◆
この画像に目が止まった。
CTは縦に44枚にスライスされていた。
横も合わせると300枚近かった。
そのうちの1枚はこんな感じ。私の心臓と肺。
輪切りにスライスされた画像。
仰向けに寝ているイメージです。写真上部が胸側です。
がんがどれかわかりますか?
(下まで見て戻ると、きっとこれかなとわかると思います。)
—CTの判定結果—
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胸腹部造影CT
右乳房領域に径20mmの腫瘤が見られ、指摘されている乳癌と思われます。皮膚や胸壁の浸潤を疑う所見は特に認めません。
傍胸骨のリンパ節腫大は認めませんが、両側の腋窩リンパ節は軽度腫大を示し注意が必要です。
胸水貯留や縦隔リンパ節腫大は認めません。
肺野に粗大な浸潤影や結節は認めません。
胆泥の貯留が観察されます。
この他、上腹部臓器に明らかな転移所見は認めません。
積極的に骨破壊を疑う所見は認めません。
診断
両側腋窩リンパ節軽度腫大し、転移の鑑別が必要であると思われます
その他、積極的に遠隔転移を疑う所見は見られず
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改めて見ると怖い。
淡々と語られていることが余計に怖い。
当時は転移の可能性も秘めていたのだ。
先生の話も、検査結果も、気もそぞろだったのだろう。
◆◆MRI◆◆
私が過呼吸になりかけたMRIは計2444枚もの画像が撮られていた。
これは正面からの画像。
1番目立つ左上の白く丸くなっている部分ががん。
マウスのホイールを上下すると、私の胸が上から下に下から上に立体的に確認できるだけの画像が入っていた。
360度カメラならぬ、180度カメラという感じ。
上側から見た画像。
下側にある2つの白い部分が乳首で、向かって左側の乳首の上にある白い部分ががんです。
これが真正面からの画像。
だんだんがんがどれかわかってきますよね。
—MRIの判定結果—
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乳房造影MRI
最終月経 2021/03/29~ day11での撮像です。
BPE= minimal
右ACで、乳頭との距離47mmに22x16x18mm大の早期濃染腫瘤を認めます。
辺縁不整で、中心部は早期の染まりが弱く漸増性の染まりが見られ、中心部は線維成分が多いと思われます。
限局しています。
背側胸筋との間には脂肪織の介在が見られ、浸潤所見はありません。
対側乳房内に明らかな異常造影域は指摘できません。
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CTとMRI合わせて3000枚近くの写真が撮られていた。
病院でも全部見ることはないと思うので、3000枚全部の写真をまじまじと確認した。
こうして見ると、明らかに怪しい箇所がいくつも写りこんでいるが、私は全く気づかなかった。
こうして3000枚もの画像から、外からはわからないがんの位置を特定し、転移がないかを確認されていたのかと思うと、やはり感謝しかない。
転移そのものは画像から判別することは難しく、結局細胞を採取しないと最終的にはわからなかったのだけど、リンパの肥大など画像から見えてくるものから先生達が様々な可能性について提示してくれる。
不安の中受けた検査は、得体の知れない巨大な機械の中に閉じ込められ、過呼吸になりかけたけど、その間にこんなに沢山の画像を撮影して、結果を出してくれたのかと思うと、なんとも言えない気持ちになる。
MRIの画像は特に興味深くて、体に害のない形であれだけ鮮明な画像が撮影できるのかと思うと、レントゲンばりにもっと身近にはならないのだろうかと思う。
怖かったけど、対峙してよかった。
その気持ちを忘れずに、また明日からの放射線治療もがんばろうと思う。