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続:今も生き続ける上司の言葉
社会人になり、職場の上司から学んだことは多い。
以前書いた 感謝の大切さを教えてくれた上司の、もう1つの話を書こうと思う。
(前回のつづきの話…)
高級車 ベンツを乗っている男の話だった。
その話はこうだ。
ある男がベンツを走らせていた。
軽快に進んでいく。
とある峠に入った。ベンツは滑らかに ひとけのない山道をぐんぐん登っていく。
すると突然止まってしまった。
男は何度かエンジンをかけようと試みたり、外に出て不具合をさがしてみる。でも動かない。
困った男は、購入した際の営業担当者に電話をした。
すると営業担当者は「ベンツは止まりません」と言い、男にそこで少し待つよう伝えた。
しばらくすると、ボッボッボッボッと大きな音が聴こえてきた。上を見る、ヘリだ!!
そしてヘリから営業担当者が大声でこう叫ぶ。
「ベンツは止まりません!!」
その後どうなったかという 話の続きは覚えていない。続きはなかったような気もする。うん、たぶんなかった。
ただただ その上司が「ベンツは止まりません!!」と叫ぶのが面白く、飲みの場は盛り上がった。
営業担当者ではなく JAFに電話するでしょ!とか、いやいや、ヘリが来たところでどうすんの!とか、そんな事は思わなかった。
誰もツッコミを入れることもなかった記憶だ。
何の話かというと、営業にプロ意識を持て、という話だったのだ。と思う。
今ならすぐに分かっただろうか。
思えば この上司は、「周りに感謝しろ」とか「プロ意識を持て」などとは一切言わなかったように思う。
私が聞いていなかっただけか、お酒のせいで覚えていないだけかもしれないが。
飲みながら偉そうに説教したりもしなかった。
飲みの場はいつも楽しかったし、しんどい時は相談しやすく、相談したらしっかり話を聞いて 解決策を共に考えてくれた。
今思えば、20代の若いメンバーが楽しく仕事ができるような工夫をするのがとても上手かった。
面白い楽しい会話の中に 考えるヒントをしれっと置いてくれている感じで、それでいて社会人として必要なことをしっかり体に染み込ませてくれていた、そんな感じがする。
何度も何度もネタのように、
「夫婦になって減っていくものは何か??」と問い、「ベンツは止まりません!!」と叫んでいた。
そして、いつも上司自身が笑顔で楽しんでいた。
記憶に残る最高の上司だった。
お元気だろうか。